秋元 康、小山薫堂、中田英寿、見城 徹の美食を探求する4兄弟の偏愛レストランを大公開するゲーテレストラン大賞「ゲーテイスト」が今年も開催に! 暖簾をくぐり、静謐な店内のカウンター席に姿勢を正して座り、店主の所作を眺める。そうして目の前に供される美しい握りを口に運ぶ。それは、思わず頬が緩む瞬間だ。鮨には人を幸せにする魔力がある。
見城徹「テーマは酸と脂。その象徴、茄子の握りを3回もおかわりしたよ」
多くの鮨店を食べ歩き、独自の哲学で「鮨とは何か」を追求。シャリの米の甘み、酢の酸、ネタの脂の三位一体の表現をテーマにしたストーリー性豊かなコースで注目を浴びている。
見 自分なりの哲学を持って、ユニークなアプローチで楽しませてくれる個性派です。
中 自身の名前を店名にしているんですね。
見 とにかく一本筋が通っているんだ。「酸と脂」というコンセプトをたてて、鮨として魚の個性をどう引きだすか、常に考え、研究しているよ。行くたびに旨くなっている。
中 それはすごいですね。
見 テーマの象徴として、揚げてタレに漬けこんだ茄子の握りを最初に出してくるの。
秋 僕も一番初めは見城さんに連れていっていただいたのですが、めちゃくちゃ美味しかった。酸と脂というテーマを伝えるために、最初に茄子を出すという考えに至ったのに感服。
見 酸と脂ってのはこういうもんだってわからせてくれて。口の中で乳化して一体になる感じがクセになるんだ。どうしてもまた食べたくなって、途中で2回おかわりして〆にまた頼んで合計4貫食べたりする。
秋 本当に美味しいですよね。
見 つまみの牡蠣の南蛮漬けも美味しかった。季節によってはメヒカリだったり鮎だったり。
中 南蛮漬けも酸と脂ですね。
秋 ワインでも料理でも酸の背骨が通っていることが大事というのが見城さんの持論。
見 そう、一流のセンスの持ち主は、酸っぱいんじゃなくて、綺麗な酸を表現できる。
中 僕は茄子が食べられないから……。他に印象的なネタは?
見 穴子だね。秦野よしきの穴子が一番好きかもしれない。臭みがないのはもちろんだけど、骨がまったく当たらない。柔らかいけど煮崩れしていなくてぷっくりとした食感。旨いよ。
中 秦野さんはどこで修業されたのでしょうか?
見 いろんなタイプの店で仕事をしながら評判の店を食べ歩いて出会ったのが札幌の『鮨 一幸』の工藤順也さん。2年間毎月1回通って、話を聞いて考え方を学んだそうだよ。お店の内装も工藤さんから札幌の店の設計図をもらって再現したほどリスペクトしているそう。
中 そうなんですね。僕も『鮨 一幸』好きですよ。最近は予約が取れなくて行っていないけど。
見 彼の敬愛ぶりを見ていると『鮨 一幸』に行きたくなるね。
ーー今年のゲーテレストラン大賞「ゲーテイスト」は「秘密のレストラン」「陶酔のフレンチ&イタリアン」「美しき芸術の鮨」「職人の技に酔いしれる料理」「百花繚乱の超絶中華」「知る人ぞ知る隠れ家&穴場」「究極の肉を喰らう」がラインナップ! 完全保存版です。
Azabujuban Hatanoyoshiki
住所:東京都港区麻布十番2-8-6 ラベイユ麻布十番B1F
TEL:03-6809-4250
営業時間:18:00~、20:30~(2部制)
休業日:日曜、祝日の月曜
座席数:カウンター8席、個室カウンター4席
料金:おまかせ¥27,500~