GOURMET

2020.09.10

「赤坂 かがみ」赤坂の裏通りで職人の妙技を堪能できる鮨店

数ある料理ジャンルのなかでも、一番“しっぽり”という言葉が似合う和食。今月は、名店の系譜を継ぐ新店をクローズアップ。隠れ家的な空間で紡がれる美食体験が濃密な時間を約束する。

 赤坂 かがみ

確かな技とセンスに飛躍を確信する鮨店

会食で新店を選ぶのは多少のリスクを伴うが、相手に先見の明をアピールできる絶好のチャンスでもある。

昨年、赤坂の裏通りにオープンした『かがみ』は、今訪れるべき、最注目の鮨店。

予約困難で知られる『三谷』で修業を積んだ店主は腕も話術も達者で、つまみが6〜7品、握りが13貫前後登場するコースには職人の技と知恵が凝縮している。

赤坂 かがみ

入梅鰯いわしの炙り(2万6500円~のコースの一例)。酢水にさっとくぐらせた鰯はとろけるような脂とほのかな酸味のバランスが絶妙。スモーキーなニュアンスを感じるピノ・ノワールとの相性は筆舌に尽くしがたい。

 赤坂 かがみ

雲丹とハマグリの出汁。塩水にハチミツを少し加え、旨み成分を引き上げたハマグリの出汁に昆布出汁を合わせて。雲丹の甘みも際立っている。

 赤坂 かがみ

右から新子、春子鯛、ホシガレイ。繊細な仕事が光る握り。15年熟成の赤酢と米酢をブレンドしたシャリと旬魚のハーモニーに心が満ちる。

赤坂 かがみ

店主の加賀美壽男氏。日本一予約が取れないと言われる『三谷』出身。

旬魚の個性を引きだす緻密な仕事に序盤から引きこまれ“一貫入魂”の握りは感動の連続。

酢水で戻した昆布で軽く締めた春子鯛や、血抜きをしてから真空状態で3日寝かせたホシガレイなど旨みを最大に引きだす技が心に深い余韻を残す。

ワインや日本酒、焼酎を織り交ぜたペアリングも秀逸。穴場的なロケーションと相まって、気分がひたすらに高揚する。

赤坂 かがみ

凛とした空気が流れるカウンターのみの空間。

赤坂 かがみ
住所:東京都港区赤坂2-16-6
TEL:03-6277-6855
営業時間:12:00~15:00/18:00~22:30
休業日:不定休
座席数:カウンター6席
料金:おまかせコース¥26,500~

TEXT=小寺慶子

PHOTOGRAPH=鈴木拓也

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