冬の金沢の楽しみは、風物詩「香箱ガニ」「ノドグロ」をはじめとする、冬の味覚から。金沢に行ったら、ぜひ訪れたいお店を紹介する。
鮨店が魅せる遊び心と 洗練されたあたたかみ
「鮨処 あいじ」は金沢屈指の鮨店である。けれども、敷居の高さを客に感じさせないあたたかさに、地元常連客からの信頼も厚い。快活な店主・下谷愛治さんの人柄もさることながら、型にとらわれない鮨屋の愉しみ方を提供してくれるからだ。
たとえば、冬場には鍋が登場して、刺身をしゃぶしゃぶで味わえる(要予約)。「この光景だけ見たら、鮨屋には見えないですよね」と下谷さんは笑うが、さまざまな手法で冬の幸を味わってもらいたいという心遣いが伝わってくる。
コースは二種類あり、「カニづくしにしてほしい」など、予約時に要望を伝えると、一見さんでも柔軟に対応してもらえる。
冬場は、ブリ・カニ・白子など、日本海のスターが揃う。「その食材を使って、どう〝遊ぶ〞か。鮨屋の腕のみせどころなんです」と下谷さん。
この時期にぜひ味わってほしいのは、「ノドグロの蒸し鮨」。ふくよかに蒸しあげられたノドグロに、澄んだ出汁のあたたかなあんがかかる。口に含んだ瞬間に、ふわりと溶けて、まるで淡雪のよう。洗練されていながら、どこか家庭的なぬくもりのある、あいじ名物のひとつだ。

ノドグロの握りを蒸した「ノドグロの蒸し鮨」。香箱ガニの蒸し鮨も絶品。

冬に食べたい握り、寒ブリ・ボタンエビ・ノドグロの炙り。脂ののった寒ブリに、思わず頰がゆるむ。野菜の浅漬けを添えるのがあいじ流。下谷さんの“おふくろの味”だ。

香箱ガニの内子・外子・カニ身を美しく甲羅に盛った「カニ面」。同店はつまみの秀逸さでも知られ、お酒を愉しむ常連客も多い。

昆布締めなど丁寧な仕込みのネタが並ぶ。

赤米からつくられた酢を用いる「あいじ」のシャリ。
鮨処 あいじ
住所:石川県金沢市片町2-30-2 片町ペントハウス 1F
TEL:076-234-3733 ※完全予約制
営業時間:11:00~14:00、17:00~23:00
定休日:日曜