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2024.08.10

政治家らが訪れる「日枝神社」のパワーの秘密は、参拝者に合わせて入れ替わる2柱の神様にあった

生まれ持った霊能力に加えて修行により霊格を上げ、神様とおはなしができるようになった神仏研究家、文筆家の桜井識子さん。桜井さんがすすめる、東京都内の神社仏閣を中心としたスピリチュアルなスポットを紹介。書籍『東京でひっそりスピリチュアル』より、一部を抜粋してお届けします。

日枝神社:2柱の神様が「重なり合っている」

この神社は正式な取材をする前に4、5回参拝しました。豊川稲荷東京別院に行くついでに寄ったのがほとんどで、授与品を買いに行っただけという日もありました。

今回の取材ではこの本のために、正式な形で参拝をしました。他の神社仏閣と一緒に取材をするのはやめ、この日に参拝をするのは日枝神社1社だけにしました。もちろん参拝したのは午前中です。

取材の目的、どのようなテーマの本なのか、その本を書くようになった経緯など、あらゆることを詳しく説明しました。そして最後に、多くの日枝神社ファンのために、どうかいろいろと教えて下さい、とお願いしたのです。

すると、神様が爽やかな光をバックに出てきてくれました。以前は女性のお姿をチラッと見せてくれただけでしたが、今回はもっと詳しいところまで見せてくれたのです。そのお姿が初めて見るパターンで……これはもう、本当に心底驚きました。

日枝神社 本殿

女性の神様が見えるのですが、よく見ると2柱、重なっているのです。つまり、前後に2柱の女性の神様が鎮座しています。双子? という印象でした。このような状態で鎮座している神様を今まで一度も見たことがありません。何がどうなっているのだろう? と、最初は謎だらけでした。

パッと見は、女性の神様だな~、と1柱に見えます。で、そのままじっと細かい部分まで見ていたら、お姿がフッと左右に少しズレたのです。あれ? 二重に見えるんだけど? と思ったあとで、あ、2柱いらっしゃるんだ! と気づきました。でも、注意深く見なければ1柱にしか見えません。不思議な神様なのです。

この神社は山王社から勧請をしたということで、おおもとをたどれば本社は滋賀県の日吉大社になります。日吉大社を参拝した時に、東本宮の神様に日枝神社についてお聞きしたことがあります。

日枝神社は東本宮から勧請された神社から、さらに勧請をされた神社だと言っていました。鳥居の形や、狛犬ではなく狛猿が置かれているところなど、雰囲気はたしかに日吉大社です。しかし、独自に進化・成長をした神社であるため、個性的です。勧請もとの東本宮の神様とは波動が違います。

日吉大社 東本宮

神門の表側に置かれているのは普通の随身ですが、内側には猿の随身も置かれています。男性姿と女性姿であるところを見ると、夫婦なのかもしれません。社殿前に置かれている狛猿も男性姿と女性姿であり、女性のほうは子猿を抱いているので、こちらは夫婦のようです。

見た目はほっこりと可愛い猿夫婦ですが……中に入っている眷属は猿ではありません。立派な獅子が入っているのです。それも、ものすごくどうもうな獅子です。ガオォー! える姿はビビるくらい恐ろしいのですが……見た目は小さな猿の像なので、参拝者は皆さん、頭を「よしよし」と撫でていました。

出自の異なる2柱の女性の神様

境内社は本殿エリアを出た右側にありました。3社あるのですが、個別に参拝するのではなく、3社用の大きな拝殿内で手を合わせます。拝殿には入口と出口があって、順番に参拝するようになっていました。

ここにお稲荷さんがおられます。さっそくお稲荷さんに、ご祭神について聞いてみました。

2柱の神様は、日吉大社から来た神様と、富士山から来た神様だと言います。

「え? 富士山? 同じ系統の神様じゃないのですか?」

日吉大社はわかりますが、富士山は意外でした。2柱の神様は、同じ神社から来たのではなく、それどころかまったく別系統の神様であり、来た時は波動も全然違っていたそうです。けれど、この神社をパワーある神社にすべく、協力をして、努力を重ねたそうです。その努力は並大抵のものではなかったらしく、そこまでしたので個性ある神社になったとのことです。

日枝神社の茅の輪くぐり

ご祭神が2柱鎮座している神社は他にもあります。けれど日枝神社は単純な構図ではなく、2柱の神様が一体化……という表現はちょっと違いますが、意識して重なっています。神様のパワーや波動などすべてを2倍にしているというか、重ねて厚くしているというか、そのような仕組みなのです。

昔はどちらものんびり、ほんわかとした「気」の神様だったそうです。庶民のための神社でした。心が穏やかになるような、優しさが前面に出た神社だったのです。

しかし、今はそのような雰囲気ではありません。政治家をはじめ、日本を動かす立場の人物が多く来るようになって、強くパワフルな神社に変身しています。ですから今は、気持ちがピシッとなる、気合を入れてもらえる、精力的な活動ができる、元気が出る、そういう恩恵があります。

仕事や趣味など、何かを頑張ろう! 新しく始めよう! 成功させよう! という、希望に満ちたやる気を全面的に応援してくれる神様です。2柱が意識してそのようにしているそうです。それで狛猿の中に入っている眷属がガオー系の獅子なのだなと思いました。

参拝者によって対応してくれる神様が入れ替わる

ご祭神は重なった前面にどちらの神様がいるのかによって、受ける影響やごりやくが違います。より厳しく強いのは富士山から来た神様のほうです。どちらかというとやや優しめなのが日吉大社から来た神様です。

これは私の推測ですが、日吉大社から来られた神様は、大きな包容力で仏様を受け入れた日吉大社のご祭神の系統だからではないかと思います。

どちらが前面にいるのかは、曜日によって違うのか、月によって違うのか、それとも季節? とそこが疑問だったので聞いてみました。すると、“人によって入れ替わっている”という答えが返ってきました。参拝しているその人に合った神様が瞬時に前面に出るそうです。

強い気力を与えたほうがいい人、仕事をバリバリこなしたい! と思っている人、日本を動かすような立場の人には富士山から来た神様が前面に出ます。癒やしを与えたほうがいい人、縁結びや平癒祈願をしに来た人、そういう人の時は日吉大社から来た神様が前に出ます。

神様が参拝者を見て、正しく接しているのです。願掛けなども2柱の神様がそれぞれ得意なほうを担当するそうです。

日枝神社 裏参道の大鳥居

人によって対応してくれる神様が入れ替わるということは、それだけ人間のサポートをしっかりしてくれているということです。どちらの神様に話しかけたほうがいいのか、どちらに願掛けをすべきなのか、悩む人がいるかもしれませんが、そこは神様のほうで判断してくれます。ですから「神様」と呼びかければオーケーです。

仕事のお願いに来た人でも、今は心身ともに安らぐパワーを与えることが重要だ、と神様が判断すれば日吉大社から来た神様が対応します。本人が気づかない病気の芽があって、仕事よりもそちらを治すほうが先だと判断されれば、そちらが優先されます。

2柱の神様がいますが、どちらに対応してもらえるのかは、その人のその時の状況によります。どちらの神様も真面目で仕事熱心ですから、本人にとってベストな方向に導いてくれます。

この記事は幻冬舎plusからの転載です。
連載:東京でひっそりスピリチュアル
桜井識子

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