2年半ぶりにハワイの地に足を踏み入れた稲本健一さん。待望のサーフィン、3年ぶりのトライアスロンへの参加。再訪の喜びに歓喜し、涙したハワイ滞在について話を伺った。改めて気づいたハワイの本当の魅力とは。【特集 涙するハワイ】
「2年ぶりの波に、本当に涙が出た」
「サーフボードで沖に出て、ふと浜のほうを振り返ると、ダイヤモンドヘッドとワイキキが美しく見える。ここに帰ってこられた時、涙が出ました」
15年前からハワイで年間の3分の1を過ごしてきた稲本さん。3月にハワイにいち早く戻り、ロコたちが訪れるこのサーフスポット、トングスポイントでひとり、再訪の喜びを噛み締め、ほぼ毎日訪れたという。
「日本でもサーフィンはしましたが、なんだか違うなと。こうして戻ってくると、ハワイはやさしく包みこんでくれる。風も空気もすべてがやさしい。ハワイの代わりはないんですよね」
「この場所に帰ってきた。その喜びが身体中を駆け巡る」
そして5月、稲本さんのライフワークのひとつであったトライアスロンにも3年ぶりに出場。
「ホノルルトライアスロンが中止の期間は、時計が止まったような気分でした。こうしてホノトラに帰ってこられて、仲間と練習をしたり、待ち合わせてもいないけどバイクですれ違うとか、そんな時間がいいなと実感しました」
現在は、アメリカ本土からの参加者がさらに増え、2022年のホノトラはそんな交流も楽しめる場になっていた。ゴールゲートをくぐった稲本さんは、芝に倒れこむと笑った。
「タイムのことよりも、ここに帰ってこれたことが何より幸せ」
止まっていた時計が動きだした瞬間だった。
COORDINATE=Mike Kelly