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2022.04.04

【葉加瀬太郎・後編】ダメ出しはしない。好きなことに打ち込んでいる姿を見せるだけ──連載「イノベーターの子育て論」Vol.6

日本のビジネス界やエンタメ界を牽引するイノベーターたちがいかにして育ち、自身の子をふくめた次の世代の才能を育てているのか、その“子育て論”に迫る本連載。第4回目はヴァイオリニストの葉加瀬太郎氏の子育て論・前編。4月3日より開幕する春ツアーの全公演のチケットは完売! クラシックやポップスといった垣根を超え、さまざまなジャンルのアーティストとコラボするなど、唯一無二の存在として活躍する。娘には仕事のサポートをしてもらい、息子には釣りを教えてもらう、そんなひとりの人間としてのリスペクトこそがチームを昇華させる。【前編「フィールドは日本ではなく世界! グローバルに通用する人間力の育て方」はこちら

葉加瀬太郎コンサートツアー2022、秋ツアー全国34会場44公演が開催決定! 詳しくは公式HPまで。

親と過ごすくらいなら、友達と遊べ!

「先月、僕の誕生日で、家族でレストランに出かけたんですよ。でも、食事が終わったら、娘も息子も『じゃあね!』って、それぞれ友達のところに行っちゃった。我が家はいつもそんな感じ。息子なんて、学校から帰ってきたと思ったら、またすぐに出かけちゃいますよ。寂しい? いや、全然! 僕もそうでしたが、あのくらいの年頃は、親といるより友達といる方が断然楽しい。

それに、友達とあれやこれやとしゃべって、いろんな体験をする方が、親と過ごすよりも何倍も、何十倍も大切だと思います。コミュニケーション能力にしても、その中で磨かれるわけですしね。生きていく上で、このコミュ力は本当に重要! 僕は、そのおかげで、ここまでやって来られたと思っているくらい(笑)。なので、子供たちにもコミュ力だけはつけてほしいと思っています」

子供の巣立ちに寂しさを感じ、感傷にひたる。それは葉加瀬氏には皆無だ。そもそも「巣立ち」という感覚すらないのかもしれない。

「13、14歳はもう大人ですからね。娘はもちろんですが、息子のことも大人だと思って接しています。なんかね、おもしろいヤツなんですよ。自分の部屋の床一面に人工芝を敷いたと思ったら、今度はカーペットを取り払って床を白いペンキで塗り、壁をピンクと黒にして、ミラーボールを吊るしてみたり。ラップも好きで、 (家の中にある)僕のスタジオを使って、曲作りもしていますね。

娘はポップスが好きで、新譜が出ると、『パパ、あれ聞いた?』なんて教えてくれます。こういう機会は、すごく貴重。この年になると、音楽に限らず、自分が好きなものだけに偏ってしまいがちで、新しい情報に触れづらくなってきますからね。子供たちに感謝! です」

家族はチーム。互いをリスペクトすることが大切

「音楽が好き」なのは、葉加瀬親子の共通項。けれど、音楽を生業にしている葉加瀬氏ゆえに、子供たちに望むこと、期待するものも多いのではないだろうか。

「いや、それはまったくないですね。息子の作曲にしても、『このフレーズ使ってみたら?』なんてアドバイスすることはあっても、ダメ出しはせず、基本、『いいじゃん、いいじゃん! 』です。本当にそう思っていますしね。

娘がヴァイオリンをやっていた時も同じで、僕は、口を出さないし、教えることもしないと宣言していました。僕が教えるとなったら、親子ではなく師弟になってしまう。それは絶対にイヤだったので。娘は途中でヴァイオリンを辞めたけれど、本人が選むのなら、親は、ただそれを受け入れるだけです。親子と言えども、完全に別人格ですからね」

子供は自分の所有物ではなく、自分の理想や希望を押しつける対象ではない。わかってはいるものの、実行できている親がどれほどいるだろう。

「僕は、子供たちをひとりの人間としてリスペクトしているんですよ。娘には、僕の仕事のサポートをしてもらっていますが、英語に関することは完全に頼りきっています。僕は英語、苦手ですから。息子は、僕の釣りの先生。彼は4歳からやっているので、僕より断然うまい。道具や釣り方についてアドバイスをもらうこともしょっちゅうですよ」

家族それぞれが、得意とすることやスキルで、自分のポジションを果たす。「家族はチームだ」とも、葉加瀬氏は言う。

「仕事と同じですね。縁あっていっしょになったメンバーが、お互いにリスペクトし、良さを引き出し合うことで、チームとしてどれだけのことを成し遂げられるか。それを大切にしたいと思っています」

長女とは今でも腕を組んでデートをし、長男とはクリエイティブな面で良い刺激を与え合い、共通の趣味でもつながっている。仲睦まじい親子関係は、世の父親たちの理想だ。

「きっと父親の威厳は感じていないと思うけれど、好きなことに打ち込んでいる僕の生き方を、楽しそうだと思ってくれているんじゃないかな」

生き生きと人生を謳歌する。その後ろ姿を見せることが、最大の「子育て」なのかもしれない。

前編「フィールドは日本ではなく世界! グローバルに通用する人間力の育て方はこちら

Taro Hakase
1968年大阪府生まれ。’90年にヴァイオリニストとしてデビューし、2002年、レーベルHATS設立。4月3日の富山より「オーケストラコンサート2022 ~Symphonic Session~」(全国12会場15公演)を開催中。
葉加瀬太郎コンサートツアー2022、秋ツアー全国34会場44公演が開催決定! 詳しくは公式HPまで。

TEXT=村上早苗

PHOTOGRAPH=舛田豊明

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