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2020.11.23

UUUM 代表取締役社長兼CEO・鎌田和樹「Kindleに入っている約8500冊はほぼ漫画。学ぶことが多いんです」

UUUM 鎌田和樹氏

Kindleに入っている本は約8500冊で、ほぼすべてが漫画

“セカイにコドモゴコロを”を経営理念に掲げ、YouTuberをはじめとしたインフルエンサーのマネジメントを中心に事業を展開するUUUM・鎌田和樹氏は、ビジネス界きっての漫画好きだ。もはや漫画は歯磨きや顔を洗うことと同じく、生活の一部だと言い、今もなお幅広い漫画を楽しみ続けている。

「僕はビジネス書を読まない人間なので、本イコール漫画です。漫画は純粋なエンタメとしても楽しんでいますが、学ぶこともとても多いですよ。僕はサッカー漫画の『アオアシ』からコーチングとティーチングを教わりましたし、古代中国の歴史の知識は『封神演義』から、『DEAR BOYS』には青春の甘酸っぱさを学びました(笑)」

なかでも好きな漫画のひとつが、吉田秋生(あきみ)の『BANANA FISH』。同作の主な舞台は漫画が連載されていた’80年代のニューヨーク。非情と暴力が支配する街でストリート・キッズを束ねる天才少
年、アッシュ・リンクスが主人公だ。

「僕は吉田先生のファンで、『BANANA FISH』から作品世界を共有する『YASHA -夜叉-』『イヴの眠り』の3作は全部好き。『BANANA FISH』はベトナム戦争の場面から始まり、舞台がニューヨークに移っていきますが、当時の世界の雰囲気を知ることができる作品でもあります」

アッシュは「バナナフィッシュ」という謎の言葉の真実を追ううち、以前から深い関係のあったコルシカ・マフィアと激しい抗争に。その抗争の最中には、日本人の大学生の奥村英二と出会い、彼に心を許すようになる。

「男が男を好きになったりとか、固定観念に縛られていないストーリー展開や設定が好きなんですよね。途中から抗争にチャイニーズマフィアも加わって、アッシュに戦闘技術を教えた指導教官も登場したり……と、スケールの大きさと怒濤の展開が相まって、20巻近く続く物語なのに飽きずにずっと読んでいられるんです」

鎌田氏はYouTuberたちとともに世のなかに新たな潮流を生みだし続けてきたが、常識にとらわれない自由なエンタメ作品に触れることは、そうしたビジネスの原動力にもなっている。

また、鎌田氏が漫画を読む理由のひとつには「存在しないものへの憧れ」があり、『BANANA FISH』から連なる作品群にもそうした要素は詰まっている。

「『YASHA -夜叉-』『イヴの眠り』には新人類が登場しますし、読んでいて『そんなことある!?』という驚きの連続。漫画家さんの想像力って本当にすごい。それに、『BANANA FISH』で、天才のアッシュが英ちゃん(奥村英二)という普通の子に惹かれるのも、『自分にはないものを持っている』からだと思うんですよね。それは、ただのないものねだりかもしれないですけど、そうやって少年たちが葛藤のなかで生きている様も、すごく人間らしくて惹かれるんです」

漫画からは歴史やビジネス、そして何より人間という存在について学ぶことができる。鎌田氏の仕事の根底には、その豊かな漫画体験がしっかりと根を張っている。

 

BANANA FISH

『BANANA FISH』
吉田秋生
小学館 20巻(復刻版BOX)

逆境のなかで懸命に生きる少年たちの青春と絆
『海街diary』などで知られる吉田秋生の代表作のひとつで、1985年から『別冊少女コミック』に約10年間連載。’80年代のニューヨークを舞台に、天才的頭脳を持つ17歳の少年アッシュのハードで血なまぐさい青春を、日本人青年・英二との絆を交えて描く。「少女漫画らしからぬハードな物語は、何度読んでも面白い。シャツをズボンに入れていたりする当時のファッションも、今見ると懐かしい」

 

アオアシ

『アオアシ』
小林有吾
小学館 既刊21巻
©小林有吾/小学館

Jリーグのユースチームが舞台のサッカー漫画。中学三年生・青井 葦人(あおい あしと)の成長や葛藤、緻密なプレイや戦術を抜群のリアリティで描く。「この漫画には『コーチング=選手に考えさせ、答えを判断させること』、『ティーチング=選手に答えを教えてあげること』ということが多く出てきます。コーチングの方法論も学べる作品です。周りのベンチャー社長で読んでいる人は多いですね」

 

DEAR BOYS

『DEAR BOYS』
八神ひろき
講談社 全23巻

シリーズ連載30年を超えるバスケットボール漫画。初期はバスケと学園生活を描く内容だったが、しだいに戦術からディフェンスシステムまで緻密に描く本格派作品へ変貌した。「中学生の頃から読んでます。高校生の恋愛の話は青春ど真ん中な感じが眩しいですね。普通に試合に負けたりチームがバラバラになったりと、上手くいかない部分も描かれているのがすごくいい」

 

封神演義

『封神演義』
藤崎 竜
集英社 全12巻(文庫版)
©藤崎竜/集英社

中国の古典怪奇小説『封神演義』を原作にした『週刊少年ジャンプ』連載作品。史実の殷周易姓(いんしゅうえきせい)革命を舞台に、仙人や道士、妖怪が人界と仙界を二分して大戦争を繰り広げる様を、コメディ要素やメタフィクション要素も交えて描いている。「歴史を題材にした作品は大好きです。時には、史実にはないことも自分で描き足して面白くしていく。そんな作者の想像力にも感心します」

 

Kazuki Kamada
1983年生まれ。19歳で大手通信会社に入社し、多岐にわたる分野で実績をあげる。HIKAKINとの出会いを経て、’13年にUUUMを立ち上げる。’17年に東証マザーズ上場を果たした。

TEXT=古澤誠一郎

PHOTOGRAPH=吉場正和

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