酔ってざっくばらんに話せば、普段見えない素顔が見えてくる。酒席でチャンスを掴む人や資金調達する人、縁をつなぐ人もいれば、アイデアの元にしている人もいる。彼らにとって酒とはどのような存在なのか? 第一線で活躍する酒LOVERの酒の流儀に迫る!
1945年シャトー・ラフィット・ロートシルトに自分自身の再生を重ねる
シーラホールディングス取締役会長 杉本宏之
「ワイン1本にさまざまなストーリーが詰まっている」と語るのは、シーラホールディングス取締役会長の杉本宏之氏。
例えば、会社を民事再生後初めて利益1億を達成した時、親友であるZOZO前澤友作氏が飲ませてくれたのは1945年シャトー・ラフィット・ロートシルト。
「大戦の焼け野原から生まれた偉大なワインに、自分自身の再生を重ね合わせ、ワインにハマるきっかけとなりました」
取引先に生まれ年のワインを贈った数ヵ月後、「結婚記念日の今日飲みます」と電話をもらったこと、さらに、サイバーエージェント藤田氏からサプライズでロマネ・コンティをプレゼントされ胸が熱くなった日、逆にGMOインターネット熊谷氏に13年越しの恩返しでロマネ・コンティを贈呈したこと……すべてワインがつくりだした思い出だ。
杉本氏が経営者仲間と会員制バー『RAIN』をつくったのも、そんなストーリーあるワインを揃え、さまざまな人が交わる交差点に、という思いからだ。
「味だけではなく、誰とどこで飲み、どんな話をしたかということも覚えている。1本がすべてを思い起こさせる、それがワインの魅力なんだと思います」
Hiroyuki Sugimoto
1977年生まれ。24歳で起業し、2005年には業界最年少で上場するが’09年リーマンショックを機に経営破綻し、民事再生を申請。’10年にSYホールディングス(現・シーラホールディングス)を設立し、復活を果たす。’17年より現職。
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