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TRAVEL

2022.06.18

旧任天堂本社がホテルに! 安藤忠雄お気に入りの部屋に泊まれる、京都「丸福樓」

旅は、日常を離れた視点から、自分を俯瞰する機会をくれる。今季も各地に次々とオープンする個性派ホテル。そこには、脳内をリセットし、クリエイティヴな思考が刺激される、極上の非日常空間がある。ホテルを追いかけ世界中を駆け巡るホテルジャーナリスト・せきねきょうこが、リーダーたちのための最新リゾートを厳選する。【特集「旅して、遊ぶ」】

LEGOでつくられた丸福樓の全貌

LEGOでつくられた丸福樓の全貌。1930年築3棟のRC造の任天堂旧本社社屋と増築の新築棟で構成。

新旧の風情を湛え京都から世界に発信

旧任天堂本社社屋がホテル「丸福樓」として2022年4月1日にオープンすると知り、逸る気持ちを抑えきれずに京都へと赴いた。プレオープン中のホテルは、可能な限りクラシカルな建物の原型を残し、美しく復元されている。建築家・安藤忠雄氏による設計監修は、当時の日本文化を纏う建築技術的に価値の高い既存棟を巧みに残した新築棟とのバランスが美しい。

客室はわずか全18室。そのうちの7室が安藤忠雄氏のデザインが色濃く反映されており、壁などに安藤氏直々のサインが描かれている部屋があるのも泊まる楽しみとなろう。

エントランス

ここに重厚感のあるホテルのエントランス。

また、住宅街に佇む「丸福樓」の前を、任天堂のファンに違いない若者やアーティストらしき人々が行き交い、熱心に写真を撮る姿や、ホテルをじっと見つめる姿も印象的だ。

歴史を感じる石造り建造物の正面玄関の側には”吉兆”を示す伝説上の霊獣”麒麟”の石像が飾られている。そして傍らには小さなNOTICEが置かれ「滞在者以外は入館できない」と明示され、ここがプライベート重視のホテルだと知らせている。

ラウンジ

ホテル1階につくられたラウンジのひとつ。ラウンジウェアで立ち寄れる寛ぎのリビングルームとして静かなティータイムにもいい。

誰もが気軽に立ち入れないホテルであることから、ふとパリの老舗最高級ホテルのエントランスシーンが思い起こされた。小さな回転ドアの前に立つドアマンは、ゲスト以外の来訪者に対し、「どんな御用で……?」と話しかける。「丸福樓」では、実に優し気に、そして丁寧に、ここが滞在者向けの特別な場所であることを感じさせてくれる。ゲストにとってはセキュリティへの安心感や、滞在への期待感、またクローズドな空間に眠る幸福感など、歓びは一入である。

新旧の建築・意匠が楽しめるスモールラグジュアリーホテル「丸福樓」には、1階のラウンジ、2階には任天堂創業者・山内家がプロデュースしたエクスクルーシブな空間「ライブラリーdNa」がつくられた。このラウンジでは山内家が解釈する任天堂の歴史や創業の理念が紹介され、貴重な資料も展示されている。このスペースも宿泊者や招待客専用だ。また、当時のままの調度品、廊下を彩るアンティークタイル、アールデコの照明やガラス戸など、ホテルを特徴づける新旧融合の美が存在する。

ライブラリー

2階につくられた創業家・山内家がプロデュースするライブラリーは任天堂の歴史・文化を体現。ファミコンなどのオリジナルを展示。

特に客室は全室の仕様が異なり、滞在のたびに違う客室をリクエストするのもいい。この日は、復元された既存の“ハート棟”3階に滞在。タイルでつくられた暖炉のある部屋はエレガントで、時空を超えた洗練さが漂う。古いものに敬意を払い、大切に復元して世代を超えて慈しむ、ヨーロッパの老舗ホテルと想いが重なった。一方、既存棟と新築棟がミックスされたルーフトップテラスつきの「丸福樓スイート」や、日本間や露天風呂つきのジャパニーズスイートなど新旧融合の贅沢な設えもある。

さらに、夕食と朝食を提供するレストラン「carta.(カルタ)」の特別感にも魅了された。監修は料理家・細川亜衣氏が担当する。料理は真っ白なエプロン姿の若い女性たちが丁寧に調理する創作料理。身体にも、目にも心にも優しい料理は斬新で、京都の旬の食材を中心に上質感を味わえる自然派だ。監修の細川氏は、力のある食材の声を聞くように大切に扱い、「作り手の作為を感じないような料理」を伝授する。いずれは外来客も迎えたいというが、現在は滞在者だけの大きな楽しみである。

 

棟を結ぶ通路

棟を結ぶ通路。

花札

創業当初の主力アイテムである花札。

レストラン「carta.

併設されたレストラン「carta.」で味わう夕食、朝食はともに絶品。

昔ながらの階段

既存棟には昔ながらの階段のみ、エレベーターはないため、当時の様子が味わえる滞在に。

安藤忠雄氏設計監修は7室

安藤忠雄氏設計監修は7室。なかには自身が描いたサインが残されている。

アンティークを生かした趣のある館内

いたるところに当時の美しいアンティークを生かした趣のある館内。

客室の鍵

カードキーではなく、キーホルダーにつけられた客室の鍵も気分を盛り上げる。

 

既存棟の客室

当時の社屋オリジナルのタイルや調度品などを残したクラシックな既存棟の客室。

MARUFUKURO
住所:京都市下京区正面通加茂川西入鍵屋町342番地
客室数:18室
料金:¥100,000~(2名利用時1室あたり、夕朝食つき)

【特集「旅して、遊ぶ」】

TEXT=せきねきょうこ

PHOTOGRAPH=福森クニヒロ

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