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2022.10.14

【マネー対談】CARTA宇佐美進典×ABCash児玉隆洋「若手に結果を出させるには?」後編

お金のトレーニングスタジオ「ABCash」を運営し、新刊『未来のお金の稼ぎ方』を出版した起業家、児玉隆洋氏が「未来のお金」についてさまざまな分野の賢人たちに問う対談シリーズ。対話から見える、お金、経営、事業で成長するために持つべき視点とは――。

マネー対談16

金融リテラシーは複利となって人生を豊かにする

マーケティングから広告運営、ゲームアプリ提供など、デジタルを起点とした事業を展開し、東証プライムに上場中のCARTA HOLDINGS。そのCEOを務める宇佐美進典氏はスタートアップを支援する投資家であり、児玉隆洋氏のサイバーエージェント時代の元上司でもある。ふたりが成長する人、しない人について、また若い人に持ってもらいたい金融スキルについて語り合った。

児玉 金融教育でスタートアップを立ち上げたものの、最初は「そんなの怪しい」と言われてだいぶ苦戦しまして。資金的にも厳しく、経営も順調ではなかったのに、宇佐美さんは二つ返事で出資を快諾してくださいました。ずっとうかがいたかったのですが、なぜABCashに投資してくださったのでしょうか?

宇佐美 もちろん、「金融教育で日本の金融リテラシーを底上げする」という理念に共感できたことがあります。これから先は時代の変化が一層激しくなり、今までの成功パターンは通じなくなる。黙っていても右肩上がりで成長した高度成長期と違い、資産形成についても戦略が必要になることは間違いありません。若い時に金融リテラシーをいかに持つかで、将来が変わる時代になるだろうなと個人的にも感じていましたから。

児玉 本当にその通りです。日本は海外と比べて金融教育が遅れていて、投資に対するネガティブなイメージも根強い。そもそも、お金のことを話すのはタブーな空気すらあります。幸い、今年から高校での金融教育が必修化されたので、若い人から変わっていく気配があるのは救い。我々も、ぜひその流れを後押ししたいところです。

宇佐美 金融リテラシーは時間と経験で増えていくもの。若いうちから身につけていけば、それこそ複利のように成長して、その人の資産形成に大きく貢献すると思います。そういう意味では、金融教育は国家にとってもすごく大事になってきていると感じますね。

児玉 金融リテラシーは若いうちに身につけるほど価値があるというお話でしたが、今の若い人に宇佐美さんが推奨するお金のスキルとはなんでしょうか?

マネー対談17

宇佐美 経営でいえば、PL(損益計算書)とBS(貸借対照表)、そしてキャッシュフローをどうするかが重要なわけですが、これは個人にも当てはまると思っています。というのも、昔は年金も含め国民の生活は国が面倒を見てくれましたが、今はそこに期待はできない。自ずと自己責任の幅が広くなる時代において、暮らしを守るため、豊かになるために収支と資産をデザインしていく力は必須です。

児玉 まさに、誰にとっても必要なお金のスキルですね。

宇佐美 たとえば、副業で収入を増やすのは家計におけるPLの改善です。もちろん、PLを改善して目の前のキャッシュフローをいかに最大化させるかは大切だと思います。ですが、私はどちらかといえばBSにおける自分のアセット、資産をどうバランスよく増やすかを重視すべきだと思っています。ここでの資産はなにも金融資産だけではなくて、能力や健康、体力も含まれます。

10年後を豊かにするために自分に対しての経営戦略を持つ

児玉 なるほど。スキルや経験も資産ですね。

宇佐美 そうそう。たとえば、20代なら金融資産は少ない代わりに自己投資できる時間はたっぷりある。この資産をどう使っていくかで将来の資産も変わるわけです。30代、40代になったら、そこに金融資産をどう組み合わせるか。50代、60代、老後まで見据えて自分の資産バランスを計画的に組み立てて、アセットアロケーション(※)していくことが豊かな将来の実現のためにすごく大切だと思います。

児玉 なるほど! 自分の人生の経営計画を立てるということですね。

宇佐美 そうですね。実際、自分でもここ5年ぐらい、お金の使い方に関する指針みたいなものを年に一度書いています。

マネー対談18

児玉 え、詳しく聞きたいです。どんなことを書いていらっしゃるんですか?

宇佐美 いろいろありますが、まず自分の幸せは何かということと、10代から50代になる現在まで、それぞれの年代で何を重視していたか、価値観の変遷を書いています。たとえば、健康の順位は20代の頃は後ろのほうでしたが、今はかなり上位に来ている。そうやって書いたものを眺めると、今大事だと思っていることが10年後には変わることもわかるし、次に上昇してくる価値観もある程度想像できる。そこに向けて先行投資ができるというわけです。

児玉 うわ、それめちゃくちゃいいですね。今すぐやりたいです。

宇佐美 やってみて思ったのは、自分の価値観の軸を言語化しておくのって、けっこう大事だなということ。経営も迷ったときは理念に立ち返るように、言語化しておけばお金の使い方のベースとして判断に迷わなくなる。

児玉 ABCashのトレーニングも、一番最初は「人生の目的地」を決めることから始めます。お金は所詮、自分が幸せになるための道具にすぎないのに、いつのまにか稼ぐことや増やすこと自体が目的になってしまいやすいので。

宇佐美 本当にそうだと思います。だから、私も書いたものは週一ぐらいで見直しています。金融資産もそれぞれに運用方針を書いているのですが、それを確認することで今やるべきことも見えてくる。まさに経営と一緒です。ぜひ、若い人も自分のPLとBSを整理して、何を実現したいのかをじっくり考えてみてほしい。その価値観と照らし合わせて資産を育てつつ、10年先を見越して行動してほしいですね。

※アセットアロケーションとは、運用する資金を国内外の株や債券などにどのような割合で投資するのかを決めること

前編はこちら

 

SHINSUKE USAMI
トーマツコンサルティング(現デロイトトーマツコンサルティング)に入社。大手金融機関の業務改善プロジェクトなどにコンサルタントとして従事。その後、アクシブドットコム(のちにVOYAGE GROUPへ社名変更)を友人と創業。2001年サイバーエージェントと資本業務提携し、技術部門担当役員として技術部門の強化に携わる。2012年にサイバーエージェントよりMBOさせ、2014年マザーズ上場、2015年東証一部(現在プライム)へ市場変更を推進。2019年のCCIとVOYAGE GROUPの経営統合に伴い、CARTA HOLDINGSの代表取締役会長兼CEOに就任。現在に至る。

TAKAHIRO KODAMA
ABCash Technologies代表取締役社長。2007年、サイバーエージェントに新卒入社し、AmebaBlog事業部長、AbemaTV局長などを歴任。2018年、日本の金融教育の遅れ・お金の情報の非対称性に大きな課題を感じ、ABCash Technologiesを設立。累計受講者数2万人を超える、お金のトレーニングスタジオ「ABCash」を運営する。趣味はサーフィン。

 

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TEXT=大上ミカ(カクワーズ)

PHOTOGRAPH=田中駿伍

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