35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者のお話、第164回。連載【英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」】とは……
「バイバイ」って、英語で言いたい時はどうすればいい?
日本語ペラペラのイギリス人とスカイプをしていると、いつも最後は日本語で「じゃあね、バイバイ」と言って切ります。
しかしある時、こう言われました。
「一応言っておくけど、バイバイは、日本語だからね」
英語でもあり日本語でもある、それが「バイバイ」かと私は思っていました。しかし彼女いわく、英語で“bye bye”というと、子供相手に使うようなとっても幼い表現になるそうです。
大人ふたり、特にふざけているわけでもないのに、別れ際に“bye bye”というと、真顔で「ばいばいちゃ〜」と言い合っているような奇妙な状態になっているようです。
確かに日本語でも「バイバイ」は幼い言い方ではありますが、友人同士なら大人が使ったっておかしいことはありません。
「じゃあ、『バイバイ』って英語で言いたい時、どうすればいいの。いちいち“I’m going to leave. See you again.”とか言うのか」と彼女に聞いてみたところ。
「“bye bye”じゃなくて、“bye”1回が普通」
ということでした。
なんと、たったこれだけのこと。2回言っていたことを1回にするだけで自然な英語になるなら、今後使っていかない手はありません。
「“bye”だけだと寂しいから、たまに、“Bye, see you later.”とかいう人いるけどさ、あれ“later”っていつ?って私思っちゃうんだよね」とも彼女は言っていました。
特にアメリカ英語では「じゃあ、またね〜」という感じで“Bye, see you later.”と言う場合もあるようで、イギリスでもちらほら使う人がいます。
ただ人によっては、この彼女のように「え? 今日これで終わりじゃないの? またあとで会うの?」と思ってしまうようです。私も以前同じように、“Bye, see you later.”と言われて“When is later?”(あとでっていつ?)と聞いてしまったことがあります。「またね〜」と言った方からしたら「またっていつですか?」と聞き返されて、ちょっと怖かったはずですが、英語ネイティブでも同じように思う人がいることにちょっとホッとしました。
これも人によるようですが、英語の教科書に載っている「さようなら」の典型的表現“Good bye”は、非常に堅苦しく感じる人が多いそうです。「もう2度と会えないような場合なら、使うかも?」ということ。確かに日本語でも「さようなら」とは、実際めったに言いませんし、ちょっとこれは納得できました。
ちなみに、その日本語がペラペラの、イギリス人の彼女は「日本人ってさ、帰りたい時に『今日は楽しかった』って言うでしょう。あれ、最初意味わからなかったんだよね。『え? 今日はまだ続くけどなんで過去形?』って思った」とも言っていました。
確かに日本人は、帰りたいことを切り出したい際、そうやって導入のひと言から入ります。「じゃあ、イギリス人は、帰りたい時はどうするのさ」と聞くと。
「最初に“I’m going to leave at 7:00.”(7時に帰るね)と時間を切って、時間がきたらすぐ帰る。パーティとかだと“I’m just coming to say Happy birthday.”(お誕生日おめでとう、って言いに来ただけだから)とか言って、主役に会ったらすぐ帰る」
ということ。
ただ、これは絶対彼女の性格もある気がしますが、まぁ合理的だし、なんなら、日本語でも「お祝いを言いに来ただけですから」というふうに、顔を出さないといけない、でもすぐ帰りたい、という場に訪れた際に使えるいいフレーズだなと思いました。
とはいえ、英語でだって
“It was fun to talk to you.”(お話できて楽しかった)とか、なんなら「今日は楽しかった」の超直訳“It was fun today.”という表現はありますので、この話は完全に、彼女の性格の問題かと思います。ですので、英語で言うなら、“bye bye” じゃなくて“bye”。とりあえずこれだけ覚えようと思います。
(ただし、韓国や中国といったアジア圏では日本と同じ、友達同士では“bye bye”が主流なので、アジア人同士で英語を使う場合は、それでもいいかなと思います)
Illustration=Norio
連載【英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」】とは……
35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者による英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」。「その英語力でよく来たね(笑)」と笑われて2年後、英語力未だ0.5であえなく帰国。だけど日本にいたって、きっともっと英語は覚えられる! 下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。