35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者。「その英語力でよく来たね(笑)」と笑われて2年後、英語力未だ0.5であえなく帰国。だけど日本にいたって、きっともっと英語は覚えられる! 下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」第141回!
itching to doってどう使う?
1日中部屋で仕事をしていると、外に出たくてたまらなくなってウズウズすることがあります。さらに言えば私の部屋は、灰色の壁紙で灰色の家具。シックを取り違えて監獄のような配色になっているので、長時間いると「なんでもいい、とにかく外に出て色があるものを見たい!」となってきます。何も買わないのに、色とりどりのショーウィンドウを眺めに、デパートまで行ってしまうことすらあります。
そんな様子を日本語ペラペラのイギリス人と日本語のメッセージでやり取りしていたら、こんなフレーズが送られてきました。
You are itching to go out and see bright colours.
ずっと日本語でチャットしていたのに、なぜかそこだけ英語でした。
itching?
“itch (イッチ)”は「かゆみ」という名詞です。日常でよく使う「かゆい」という形容詞は“itchy(イッチー)”です。昔、ロンドンの語学学校の先生に「日本語で数字の1は、イチって言うんだよ」と言ったら「イッチー? “itchy”みたいで変だな」と言われたことがあるのでよく覚えています。
「ずっと引きこもっていると外に出たくなる」という話をしていたのに、どうして「かゆい」話になっているのか。
すぐに意味を聞けず、そっと辞書で調べてみたら、こういうことでした。
itching to do something=somethingをしたくてたまらない
ケンブリッチの英英辞典にはこう説明されています。
to want to do something very much and as soon as possible
(何かを、できる限りすぐに、すごくしたがること)
またマクミランの英英辞書では、さらに強くこう書かれていました。
to feel very impatient because you want to do something immediately.
(何かをただちにしたくて、耐えられなく感じること)
ものすごくしたい、耐えられないほど。ということで、「〇〇したくてウズウズする」という日本語が近いかもしれません。
You are itching to go out and see bright colours.
これはつまり、「君は出かけて、明るい色を見たくて、たまらないんだね」ということでした。
ちなみに「カラー」のスペルは英米で違います。イギリスでは“colour”で、アメリカでは“color”です。イギリスで英語の試験を受けた際、“color”と書いて減点になってしまってショックだったのを覚えています。
I was itching to get into the kitchen, to try out some of these recipes.
私は、キッチに行って、それらのレシピをすぐに試してみたくてたまらなかった。
マクミランの辞書に出ていた例文です。
きっとすごく美味しそうなレシピを見つけて、作ってみたくてたまらなかったのでしょう。
「〇〇したくてたまらない」「〇〇したくてウズウズ」という状態、上記のような好きなことや楽しいことの渇望なら、ポジティブでいいのかなと思いますが、「地味な部屋に引きこもり過ぎて外に行きたくてたまらない」というのは、ちょっとネガティブな使い方かなと思いました。もっとポジティブに、したいことを今年は見つけたいです。
Illustration=Norio