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2022.03.07

“巣ごもり”って英語で何と言う?──連載「人のEnglishを笑うな」Vol.134

35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者。「その英語力でよく来たね(笑)」と笑われて2年後、英語力未だ0.5であえなく帰国。だけど日本にいたって、きっともっと英語は覚えられる! 下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」第134回!

世界中の人がFOGOになっている!?

日本在住のアメリカ人の方に、最近こう聞かれました。

「“巣ごもり”ってなんですか?」

「コロナ禍になってから“巣ごもり需要で売れているもの”」を紹介するニュース記事のタイトルを見て「巣ごもりとは?」と疑問に思ったということでした。

「“巣ごもり”っていうのは、ずっと家にいることですよ。コロナが流行してからはそういう人が増えていますからね」
そう答えるとその方はこうおっしゃいました。
「ああ、英語だと最近そういうのをFOGOっていうんですよ」

フォーゴ? それが何か聞いてみるとこういうことでした。

FOGO=Fear of going out

“Fear of going out”。つまり「外出するのがこわい」状態のことを頭文字をとってこう呼ぶそうです。欧米諸国では、マスク義務も緩和され、普通の生活に戻っている国も多くあります。しかし長いこと続いたロックダウン生活のせいで「外出するのがこわい」と感じる人も多くいるということ。私たちも「人が多い場所に行くのはこわいな」「遠出はやめておこうかな」と当然のように思いますし、「だったら家にいようかな」と結局“巣ごもり”してしまうので、まぁ同義語といえるのかもしれません。

もともとは、FOMO(フォーモ)というスラングが2011年くらいから言われるようになり、そこから派生した言葉だそうです。
このFOMOとうのは“Fear of missing out”のことで、「取り残される恐怖」という意味だそうです。知人がパーティーで楽しそうにしている写真がSNSにあがれば「あれ、このパーティー呼ばれてない」と疎外感を感じたり、常にSNSを見て最新の情報を仕入れていないと取り残されているような感じがする、という状態のことだそうです。

「acronymだからね、外国人の人には発音も難しいよね」
と言われましたが、「アクロナム」もわからないので、聞いているのかいないのかわからないような薄いリアクションをしてごまかしましたが、これはこういうことでした。
Acronym=省略のために頭文字でつないだ言葉、その言葉自体に発音があるもの

なんだかわかりにくいですが、“Fear of missing out”をFOMOと省略して、「エフオーエムオー」と読むのではなくて「フォーモ」と読むのがまさに“Acronym(アクロナム)”なんだそうです。

クレジットカードの暗証番号のことを、英語では“PIN Number(ピンナンバー)”といいますがこれは“Personal Identification Number”のことでその頭文字をPIN(ピン)と読むのもこの“Acronym”です。日本語で馴染みがある言葉だと“Very Important Person”を略した“VIP”つまり「ヴィップ」もそれにあたります。(ちなみに英語では「ヴイアイピー」が一般的で、「ヴィップ」とはあまり言わないみたいです)

「だからFOGO(フォーゴ)とFOMO(フォーモ)とは“Acronym”だよ」
と、その方は次々と新しい言葉を教えてくれました。

「家を探すならSUUMO(スーモ)だけどね」

最後に言ったひと言も新しい言葉かと思ってメモしてしまいましたが、日本在住歴が長いゆえのただの駄洒落でした。私もいつか外国の言葉・文化で駄洒落を言えるようになりたいです。

Illustration=Norio

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英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」

英語力ゼロのまま渡英、行けばなんとかなると思いつつなんともならなかった2年間のイギリス生活。帰国後はせっかく覚えたいくつかの英単語も忘れ去り、それでも時々は英語と格闘してみる現在、40歳。いつかはうまくなりたいから、恥を忍んで今日もブロークンイングリッシュ。下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。

TEXT=MOMOKO YASUI

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