宙農、人口流れ星、宇宙寺院……。まだまだ未開の地である宇宙に向けて、数々の仰天ビジネスが誕生していた!7つの宇宙ビジネスとともに、4つの宇宙船の港「スペースポート」を紹介する。
(1)avatarin/アバター宇宙旅行で宇宙が身近な場所に
航空会社のANAが立ち上げたスタートアップ、アバターイン。遠く離れたアバター(分身ロボット)を操作することで、世界中の美術館や博物館を訪れることができるサービスをベータ版として提供している。そんな同社が次に狙うのはアバター宇宙旅行。思い立った時に宇宙に行ける日も近い。
(2)TOWING/宇宙で農業!自給自足生活をかなえる
昨年創業し、宇宙での農業「宙農(そらのう)」の実現に挑戦するトーイング。微生物を活用した高機能なソイル(人工土壌)と栽培プロセス最適化アルゴリズムをかけあわせることによって、超高効率栽培レシピを生みだすシステムをつくっている。宇宙でも新鮮な野菜を食べられる時代がやってくる!?
(3)Pale Bule/“水”を活用したグリーンエネルギーが登場!
東京大学では今、宇宙ベンチャーが続々登場。注目は超小型衛星向けエンジンの開発を進めるペールブルー。このエンジンが燃料として使うのは“水”だ。これまで超小型衛星にはあまり推進機が搭載されておらず、ミッション後は宇宙ゴミになっていたが、このエンジンの完成により、それも解消。すでに受注も。
(4)天地人/宇宙から最適な土地を発見する
宇宙ビッグデータを用いて、目的に合わせた価値ある情報を導きだす土地評価エンジン「天地人コンパス」を提供する、天地人。例えば、衛星データをはじめとするさまざまなデータを分析・活用し、土地に合う農作物の選定などを行うことで高収量化・高品質化をかなえる。他分野での利用も広がっている。
(5)テラスペース/お寺を宇宙に飛ばす!? 京大発ベンチャー
宇宙にお寺を打ち上げるという驚きのミッションを進めているテラスペースは、京都大学発のベンチャー企業。醍醐寺と業務提携を締結し、ご本尊である大日如来像や曼荼羅がおさめられた超小型人工衛星を2023年に打ち上げ予定だ。専用のアプリから宇宙寺院(衛星)の位置を確認し、空に向かって参拝できる。
(6)P&G/宇宙の洗濯革命! NASAとP&Gがタッグ
衣料用洗剤やヘアケアなど日用消費財を数多く手がけるP&GとNASAが協力。全米売り上げNo.1を誇るTideの宇宙用洗濯洗剤を開発した。宇宙では使える水の量が限られるが、この洗剤ならば水の浄化循環システムにも適しており、宇宙船内での洗濯が可能だという。来年、ISSで実際に洗剤のテストが行われる。
(7)ALE/花火を打ち上げる時代は流れ星を飛ばす時代へ
宇宙エンタテインメントとして、2023年に世界初の人工流れ星の実現を目指しているエール。人工衛星から流れ星の素となる粒を放出し、大気圏へ突入させることで、人工流れ星を飛ばす。その際の軌道や発光をもとに大気のデータを取得。将来的に気象予報の精度の向上などに活用するという。
日本のスペースポート候補地4エリアとは?
日本でも宇宙船の港「スペースポート」の建設計画が進んでいる。日本経済の起爆剤ともいわれる話題の候補地4ヵ所をご紹介。
(1)大分県国東市
ヴァージン・オービットと大分県が提携し準備が進行中。大分空港の3,000mもの滑走路や自動車などの産業基盤、温泉など観光資源の豊かさが選定の決め手だったという。
(2)北海道大樹町
宇宙版シリコンバレーを目指す「北海道スペースポート」。すでにインターステラテクノロジズがロケットの打ち上げを行っている。今後、射場や滑走路の拡充などが進む。
(3)沖縄県下地島
美しい海の絶景が広がる下地島空港。そこを拠点とするスペースポートは、宇宙旅行の前後に沖縄観光を楽しめる絶好のロケーションだ。
(4)和歌山県串本町
本州最南端の町、串本町に位置する「スペースポート紀伊」。小型ロケットによる打ち上げサービスを行うスペースワンが事業を進めている。