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2021.04.29

コンフレークス!? ひとつなのに「複数形」で言わないといけない英単語

35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者。「その英語力でよく来たね(笑)」と笑われて2年後、英語力未だ0.5であえなく帰国。だけど日本にいたって、きっともっと英語は覚えられる! 下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。英語力ゼロレッスン「人のEnglishを笑うな」第94回!

コーンフレークは英語じゃなかった!?

イギリスと、アメリカに計3年ほど住んでいた叔父と日本の田舎のスーパーに行った時のことです。
「コーンフレークス、どこにあるかな?」

少し、違和感を感じましたが、スルーしました。「パンコーナーの横にあるんじゃないですか?」と。コーンフレークは、未だミルクボーイの影響もあってか、田舎のスーパーでも山積みになっていました。

特大パックのコーンフレークを手に取る叔父を眺めながら、違和感の原因を考えてみました。叔父は確かに「コーンフレークス」と言いました。「ス」がついています。あとでこっそり調べてみると、英語で「コーンフレーク」は実は“cornflakes(コーンフレークス)”というのだそうです。1枚で食べることは決してないので、常に複数系の“s”がつく、考えてみれば納得でした。

叔父が外国にいたのはたかだか3年ですし、英語もそんなに達者でなく、けっして西洋にかぶれているわけではありません。しかし70歳近い叔父は、日本では「コーンフレーク」の存在も知らず、イギリスで初めて出会ったため「これはコーンフレークスという食べ物だ」と覚えたようです。

忘れがちな複数形

このように、ひとつなのに「複数形」で言わないといけない単語はかなり多くあります。
例えばマメ類もそのひとつです。

マメは一粒で食べることはあまりないですし、さやごと食べる「えんどうまめ」なども
ひとつのさやに数粒マメが入っていますから、常にこのように複数形です。

Sweet peas(えんどうまめ)
Green peas(グリーンピース)
Snow peas(さやえんどう)

先日、外国人に日本語を教えるレッスンで松田聖子さん「赤いスイートピー」の歌詞を題材にしたところ、「先生、スイートピーはSweet peasのことですよね?」と聞かれました。その生徒は花ではなくて、完全にえんどうまめを連想していたようです。「心の岸辺に咲いた赤いえんどうまめ」。いっきにグロテスクな情景が広がります。

また日本語の「グリーンピース」も英語のGreen peas(グリーンピーズ)が変化して生まれた言い方だと思われます。

めがね(glasses)、はさみ(scissors)、手袋(gloves)、箸(chopsticks)など、一対でつかわれるものに、複数の「s」がつくのも中学で習いました。そしてこれと同じルールで「パジャマ」も“Pajamas”と常に“s”がつくのだそうです。

日本から、オーストリアの語学学校にオンラインで通っていた頃、「なんでパジャマが複数なのか」と質問したことがあります。

「パジャマは上下セットだろ」
もちろんそういう答えでした。

「今、私はこの画面に写っていない下半身はパジャマだ。これでも複数形なのか」
と聞いたら、オーストラリア人の教師は大変呆れ顔で「なら、単数でいいんじゃん」と吐き捨てるように言いました。

Illustration=Norio

TEXT=MOMOKO YASUI

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