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2020.09.24

【英語力ゼロレッスン70】MITの研究者が作った“世界一難しい早口言葉”とは

35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者。「その英語力でよく来たね(笑)」と笑われて2年後、英語力未だ0.5であえなく帰国。だけど日本にいたって、きっともっと英語は覚えられる! 下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。「人のEnglishを笑うな」第70回!

英語力69

超初歩にして致命的。dessertとdesertの違い

海外のレストランで、「食後に甘いものを頼もうかな」と思った時、一緒に食事をしている人にこう聞くことがあるでしょう。

Would you like dessert?(デザートはいる?)

しかし、このdessertの発音はとてもトリッキーで、「あ、これどうやって言うんだっけ、確か普通に言ってはいけない単語だ」という考えが頭をよぎるため、お茶を濁したかたちでついこう言ってしまいます。

Would you like something sweet?(なにか甘いものいる?)

なぜなら、この単語と発音がごっちゃになってしまうからです。

desert(砂漠)

dessert(食後の甘いもの)

「砂漠」の“desert(ˈdez.ət)”の発音は、カタカナにするなら「デザート」。つまりカタカナ英語で、“Would you like dessert?”と言ってしまうと、「砂漠いる?」となってしまい、私は何度も笑われたことがあります。

一方で、「食後の甘いもの」の“dessert(dizə́ːrt)”は「ディザート」のような発音になります。これがごっちゃになって、もうこの単語を使うのを避ける体になってしまった次第です。

英語で一番難しい、早口言葉を発見

発音を練習するためのコースや教材は、ちょっとレベルが上がるとすぐに“Tongue Twister (早口言葉)”が出てきます。日常会話の発音も正しくできないのに、ネイティブでも難しい早口言葉が言えるはずはありません。しかし、スペルを意識して発音する練習にはなるので、無駄なことではないはず、とたまに挑戦しては挫折を繰り返しています。

先日はなんとなく、出来心で「一番難しい早口言葉ってどれ?」とオンライン英会話のアメリカ人講師に尋ねたところ、こう返ってきました。

Pad kid poured curd pulled cod.

これは、MITの研究者たちが「世界一難しい早口言葉」として作ったものだそうで、研究者のひとりは「これを間違えずに10回素早く言えたら表彰もの」とコメントを出しています。ちなみにこの文自体には意味はありません。

YouTubeでは10回言えるか、に挑戦しているネイティブの方が結構いました。「ゆっくり言うぶんには難しくもない」そうですが、10回ハイスピードで成功し続けるのは厳しいようです。

しかし私からしたら、「1回も言えない」早口言葉もたくさんあります。

Sixth sick sheikh’s sixth sheep sick.

「六番目の病気の長老の六番目の羊が病気」という意味なのでしょうか。まあ早口言葉なので、これも意味はありません。問題は[S]、[TH]の音の違いに集中しなくてならないことです。私はいくらネイティブの方の見本を聞いても言えません。ならいっそ苦手な[TH]に集中して練習しよう、ということでたまにはこちらも挑戦してします。

The thirty-three thieves thought that they thrilled the throne throughout Thursday.

「33人の泥棒は木曜日を通して王位にスリルを与えると思った」。意味不明ですが、すべての単語が[TH]で始まっているので、徹底的に苦手サウンドを練習できます。

また以前も一度ご紹介しましたが、日本人が圧倒的に苦手な[R][L]の練習にはこちらが効果的かと思います。

I would like roughly a hundred grams of lamb and three glasses of rum.

「ラム肉だいたい100グラムと、ラム酒3杯欲しいです」という意味でこれはもしこういうシュチュエーションがきたら使えるのかもしれません。日本人にとっては難しいフレーズですが、ネイティブの方たちにとってはそうでもないので、Tongue Twisterとは彼らは認識しないかと思います。

外国人を早口言葉遊びに誘って、きちんと言えているか確かめるのもいいでしょう、しかしその勇気がない場合は、やっぱりsiriかgoogle homeのようなスマートスピーカーに話しかけて、彼らがちゃんと聞き取ってくれるか、ひっそり練習するのがいいかなと思います。

MOMOKO YASUI
編集・ライター。1983年生まれ。男性ライフスタイル誌、美術誌、映画誌で計13年の編集職を経て2018年渡英、’20年帰国。

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