筋肉美をもつ女神シリーズ36人目は、クォン・イェジ。連載「マッスル美女」とは……
圧倒的な票数でグランプリに輝く
最近、メディア露出が多い女王・安井友梨の影響もあって、日本でも認知度が高まりつつあるビキニ・フィットネス。“モムチャン(ナイスバディを意味する韓国の造語)”という言葉が世間に浸透している韓国でもビキニ・フィットネスは人気が高く、特に美ボティ・コンテスト「マッスルマニア」でミス・ビキニに輝いた優勝者は、大きな話題になる。
今回紹介するクォン・イェジも、「マッスルマニア」で栄冠に輝いた“ビキニ女王”だ。彼女は2020年10月に行われた「2020マッスルマニア・フィットネスコリア・チャンピオンシップ」で、他者を寄せつけない圧倒的な票数を審査員たちから獲得し、ミス・ビキニのグランプリに輝いた。
「クォン・イェジ、マッスルマニアでクラクラするようなパフォーマンス」(『朝鮮日報』)
「クォン・イェジ、ビキニ女神になった美しいカラダ」(『ソウル Eye』)
「ミス・ビキニのクォン・イェジ、美しいボディで男心をオール・キル」(『亜州経済』)
その名をネット検索すると、今でもこんな見出しが次々と出てくる。長い両手を広げてポージングする大会写真も多い。それほどまでに話題になったのは、彼女が病を克服したビキニ女王であることも関係があるかもしれない。
脊椎の側湾症(そくわんしょう)。高校時代に脊髄が捻れて曲がっていると診断された彼女は、成長期になるとその痛みとストレスが深刻で、当時学業と平行していたファッションモデルの仕事もやめねばならなかった。
「ハイヒールはもちろん、パンプスも辛くて履けないほど姿勢が歪んでしまって。モデルの道は諦めました」
夢を諦めた私に希望をくれたフィットネス
ただ、そんな彼女に新しい楽しみを与えてくれたのが、フィットネスだった。姿勢矯正のために始めたトレーニングを通じて「美しいボディライン作りに対する興味が沸いてきた」という。
「フィットネスの世界には『マッスルマニア』などのボディビル大会がたくさんあり、女性の健康美を競うミス・ビキニという部門があることを知りました。それでますますトレーニングにも力が入ってのめり込んでしまって(笑)。目標ができると人は頑張れると言いますが、まさにその通りでしたね!!」
とはいえ、頂点に向かう近道はもちろん、一瞬で肉体を変えてくれる魔法があるわけでもない。その夢を実現させるには地道な努力が必要であり、ときには壁にぶち当たることもある。
「私の場合は体質が問題でしたね。最初の頃は日々のトレーニングのおかげで11キロの減量にも成功して順調だったのですが、ウェイトトレーニングで体をイジメ続けても筋肉が付きづらい体質で、目に見える成果がなかなか出てこなかった。
それでタンパク質をたくさん取って筋肉に変えようと、プロテインやサプリメントを小刻みに摂取しました。朝、昼、晩はもちろん、トレーニング前後にも。量にして1日1キロぐらいでしょうか。それと並行して強度の強い筋トレを続け、理想のカラダ作りに励みました」
それから2年。毎日のように汗を流し作り上げたのが、写真でもわかるような無駄のないスレンダーボディとメリハリあるヒップライン。身長170センチの長身から伸びる長い手足と小顔とのバランスも絶妙で、「8頭身美女」どころか「9頭身ビキニ美女」とまで絶賛されるほどのプロポーションとなった。
そして、そんな彼女をメディアが放っておくはずがない。何しろ「マッスルマニア」の“花形”と言われるミス・ビキニでグランプリに輝いた女王なのだ。受賞後はフィットネス・モデルとして声がかかり、2021年にはフィットネス専門誌『MAXQ』の表紙とグラビアに登場。すぐさま売り切れてしまったため、“ワンパンニョ”の仲間入りも果たした。
“ワンパンニョ”を漢字にすると「完売女」。文字通り、雑誌を完売させたモデルに贈られる最高の称号だ。かつてファッションモデルの夢を抱くも挫折したクォン・イェジは今、フィットネス・モデルとしてその夢を実現させたのである。
2023年9月には審査員として「マッスルマニア」のステージに戻ってきたクォン・イェジ。今年で26歳になる韓国の“ビキニ女王”の今後に、ぜひ注目していきたい。
■連載「マッスル美女」とは……
健康志向が高まり、体を鍛える人が増えている昨今。お隣・韓国でも全国各地で大小さまざまなボディビル大会や"美ボディ･コンテスト"が開催されており、ここから輩出された"マッスル美女"たちが脚光を浴びている。美しくもしなやかな筋肉美をもつ女神をシリーズで紹介する。
