GOLF

2020.02.28

ゴルフプロとアマのパッティングスキルの違いは「ボールの転がり」

世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子・吉田洋一郎による、最新ゴルフレッスンコラム84回目。多くのアマチュアゴルファーを指導する吉田洋一郎コーチが、スコアも所作も洗練させるための技術と知識を伝授する。

吉田洋一郎

パッティングにもキャリーとランがある

PGAツアー会場で、ジョーダン・スピースやリッキー・ファウラーなど名手と呼ばれる選手のパッティングを間近で見る機会がある。彼らには多くの共通する部分があるが、アマチュアと最も違う点はボールの転がりだ。ボールにはきれいなタテ回転がかかり、カップ周りでスッと伸びてカップインする。順回転のボールを打つことができるので、芝目や傾斜に影響されず、読んだライン通りにボールが転がっていくためカップインの確率が高い。アマチュアがツアープロのようなボールロールを手に入れるためには、やみくもに練習する前に科学的な知識を頭に入れておく必要がある。

あるクラブフィッターから、適切なパッティングではボールは平均して約3インチ(7.62センチ)前に飛び、バウンドしてから転がり始めるというレクチャーを受けたことがある。

「パッティングはボールを転がすもの」と思われているが、実際はパターにはロフトがあるため、打ち出されたボールはわずかに宙に浮き、その後転がっていくのだ。つまり、パッティングもキャリーとランから構成されているというわけだ。

このキャリーとランをコントロールするために重要になるのは、打つ瞬間のヘッドの入り方だ。適正な入射角とロフト角でボールを打つことができれば、ボールは適度にジャンプし、順回転しながら転がっていく。

適正な入射角とロフトが順回転を生む

多くのティーチングプロが使用するSAMパットラボというパッティングストロークの測定器がある。測定器の開発チームがPGAツアープロのブロー角(軌道の上下方向の角度)を測定したところ、平均値は2.8度のアッパー軌道だったという。アマチュア向けには4度のブロー角を推奨していることから、ほんのわずかなアッパー軌道でボールをとらえることが理想であるといえる。

計測器を持たないアマチュアが1度単位で角度を調節するのは現実的ではないが、パターヘッドの入射角がボールにどのような影響を与えるのか、原理原則を頭に入れておく必要はある。

ヘッドがダウンブロー軌道でボールにコンタクトした場合、ロフトが立つためボールは真上にはねるような形で浮き、順回転が阻害され途中で失速する。また、アッパー軌道でヘッドが入るとロフトの角度が大きくなりすぎてしまうため、ボールは宙に浮きすぎてしまい、推進力が失われ転がりが悪くなる。このことから過度なダウンブロー軌道やアッパー軌道はボールに良い転がりを与えないことがわかる。

あるフィッティングスタジオで計測したアマチュアのデータによると、7割の人がアッパー軌道でインパクト時のロフトの角度が大きすぎる傾向があるという。逆にヘッドが上からダウンブローに入る人は1割ほどだという。

多くのアマチュアのインパクトがアッパー軌道になるのは、ストロークする際に手首を使いすぎているからだ。特に右手首を手のひら側に折りながらストロークするため、過度なアッパー軌道になる傾向がある。

入射角とインパクトロフトを適正にするために、手首を固定して体の動きでストロークする意識を持ってほしい。手首を動かさないようにするためには、単純に手首を動かさない意識を持つと同時に、胸や背中などの胴体部分を能動的に動かす必要がある。体が動けば手はパター持っているだけでストロークを行うことができるので、手首を使う必要がなくなる。体の動きでストロークすることができれば、ブロー角やインパクトロフトも適正値に近づきボールの転がりも改善するだろう。

機会があれば、自分のパッティングをプロやクラブフィッターに計測してもらうことをおすすめする。現状を知ったうえで、ミリ単位で動きの違いが分かるようになれば、プロ並みのパッティングスキルが手に入るだろう。

TEXT=吉田洋一郎

PHOTOGRAPH=松川 忍

COOPERATION=取手桜が丘ゴルフクラブ

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