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ART

2022.03.04

とんでもないお宝コレクションが鑑賞できる大阪中之島美術館がオープン ──連載「アートの教養」Vol.2

ビジネスパーソンの教養に「アート」は欠かせないものとなりました。2022年に開催される必見の美術展やアート情報を紹介していきます。今回は2月2日に開館した大阪中之島美術館をはじめ、新しい美術館に注目します。

2022年2月2日に開館した大阪中之島美術館。建物の前にはヤノベケンジ『シップス・キャット(ミューズ)』を設置。

大阪・中之島の新しいアート発信拠点

堂島川と土佐堀川に囲まれた大阪・中之島エリア。国立国際美術館大阪市立東洋陶磁美術館中之島香雪美術館といった名門美術館が集まり、関西有数の文化・芸術発信エリアとして知られています。

この中之島エリアに、2022年2月2日、大阪中之島美術館がオープンしました。まずその建物に驚かされます。青空を背景に浮かび上がるブラックキューブの強烈な存在感。でも、宙に浮かんだように見える設計デザインと、建物の周りにふんだんに配した緑地・植栽によって、意外に軽やかに見えます。周囲の街並みに、ナチュラルに溶け込んでいる印象です。

大阪中之島美術館の前に建つと、「本当にできたんだ」という感動が湧き上がってきました。というのも、開館に費やした時間は約40年。1983年に大阪市が近代美術館建設の基本理念を制作し、’90年には建設準備室を開設。しかし、バブル崩壊後の財政状況の悪化により、建設計画は度々延期になってしまいます。40年という年月は、「美術館の完成を見ることは一生ないのでは」と思わせるのに十分な時間です。

その40年の間に、建設準備室が何をやっていたかというと、コツコツと作品収集に励みました。大阪のコレクターから寄贈を受けたり、オークションに参加し作品を購入したり。寄贈作品を代表するのが、山本發次郎コレクションです。發次郎は大阪の実業家で、美術コレクターとしても知られた人物。美術ファンには、日本を代表する洋画家・佐伯祐三を発掘した人物としても知られています。發次郎の死後、彼の遺族が寄贈した作品群には佐伯祐三の代表作『郵便配達夫』が含まれています。

この寄贈劇は、ほかのコレクターの心に火を点けました。日新製鋼(現・日本製鉄)会長を務めた田中徳松の遺族が「田中徳松コレクション」を寄贈。画廊・アートサロンを経営する高畠良朋もまた、發次郎コレクションの寄贈に触発され、「高畠アートコレクション」を大阪市へ贈りました。さすがは画廊界を代表する経営者。寄贈品にはジュール・パスキンやマリー・ローランサンなど、エコール・ド・パリを代表する名品が目白押しです。

19億3000万円のモディリアーニの裸婦画は、今や10倍の評価額に!

建設準備室が購入した作品では、モディリアーニ『髪をほどいた横たわる裸婦』が有名。1989年に大阪市が19億3000万円で購入し、当時は「税金の無駄遣いだ」と散々叩かれました。でも、30年以上寝かせていた間に価値はどんどん高まり、現在の評価額は10倍以上。「大阪市は先見の明があった」のようにいわれているのが何とも微笑ましい。人間は現金なものです。

このモディリアーニ『髪をほどいた横たわる裸婦』は、3月21日まで開催されている「Hello! Super Collection 超コレクション展 ―99のものがたり―」、4月9日~7月18日に行われる「モディリアーニ ―愛と創作に捧げた35年―」で鑑賞できます。ぜひ、お見逃しなく。

大阪中之島美術館は、地元ゆかりの展示も豊富です。中之島は1954年に結成された前衛美術グループ「具体美術協会(具体)」が活動の拠点にした場所の一つ。彼らは中之島に私設展示施設「グタイピナコテカ」を設けました。展示室が黒壁で覆われていたことから、大阪中之島美術館でも “黒壁の展示室”を設け、具体の作品や資料、活動記録を紹介しています。

アメデオ・モディリアーニ『髪をほどいた横たわる裸婦』1917年 大阪中之島美術館蔵。

さらに、大阪出身の現代アーティスト、ヤノベケンジの作品にも出会えます。建物前の芝生広場には、『シップス・キャット(ミューズ)』を設置。美術館の守り神としてつくられ、スーツの色は厳島神社の朱をイメージしたそうです。館内の『ジャイアント・トらやん』は、高さ7.2mのロボット人形。SNS映えする写真、確実に撮れます。

ベネッセアートサイト直島には2つの新ギャラリーが誕生

大阪中之島美術館のほかにも、2022年は新しい美術館やギャラリーのオープンが続きます。同じ大阪では藤田美術館が全面改修し、4月にリニューアルオープン。3月12日にはベネッセアートサイト直島に、2つの新ギャラリー「ヴァレーギャラリー」「杉本博司ギャラリー 時の回廊」が登場。東京では10月に東京・丸の内に静嘉堂文庫美術館が移転・オープンする予定です。今から楽しみに待ちたいですね。

大阪中之島美術館
住所:大阪府大阪市北区中之島4-3-1
TEL:06-6479-0550
詳しくはこちら

TEXT=川岸 徹

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