ジュニア時代から活躍し、男子初のオリンピックメダリストとして日本フィギュア界をけん引してきたトップスケーター高橋大輔。彼が味わうのは英国王室御用達シャンパーニュ・メゾン「ローラン・ペリエ」が誇るフラッグシップ・キュベ「グラン シエクル」だ。フィギュアスケートとシャンパーニュ、ともに己の理想を追求し続ける表現者としての姿と想いに迫る。
完璧なる調和が生みだす至極のシャンパーニュ
200年以上の歴史を持ち、妥協なきものづくりの精神を受け継いできたシャンパーニュ・メゾン「ローラン・ペリエ」。数あるメゾンのなかで世界第3位(金額ベース)の売り上げを誇るだけではなく、英国のチャールズ国王が即位した際、最初に“王室御用達(ロイヤル・ワラント)”を授与された、まさに王に愛されるシャンパーニュでもある。
そんなローラン・ペリエが「シャンパーニュの本質はアッサンブラージュ(ブレンド)にあり」と、厳選したヴィンテージをかけ合わせ、バランスを追求することで完璧なる調和を目指したのが、フラッグシップ・キュベ「グラン シエクル」だ。
そしてグラン シエクルの立ち昇る泡と香りを前に、至福の表情を浮かべるのは、日本が誇るフィギュアスケーター高橋大輔。バンクーバー五輪での銅メダル、世界選手権での金メダルなど、日本男子初の快挙を次々と成し遂げ、日本フィギュア界を常にけん引してきたことは誰もが認める事実だ。さらに、転向したアイスダンスでは全日本選手権で優勝し、シングルとアイスダンスで日本人初の2冠を達成。競技を引退した現在も、アイスショーの出演やプロデュース、さらに映画出演などさまざまなステージで活躍を続けている。
そんな高橋だが、プライベートではシャンパーニュを愉しむ機会も多いという。
「ここぞという時は、必ずシャンパーニュです。でもグラン シエクルを飲むなら、みんなでワイワイ飲むというより、静かにゆっくりふたりで愉しみたいですね。このグラン シエクルは泡が繊細で、まろやかな味わいが飲みやすいですし、少し温度が高くなっても、この香りとふくよかさでさらに美味しさを感じます。この味と時間を誰かと分かち合いたい、そう思えるシャンパーニュだと思います」
そんな味わいと香りの深みこそ、グラン シエクルが追求する“シャンパーニュの本質”が生みだした結果だ。
グラン シエクルがリリースされた1959年は、高級シャンパーニュとは単一のヴィンテージであるべきという考えが常識となっていた時代。当時の当主ベルナール ドゥ ノナンクールはそんな常識をものともせず、「シャンパーニュの本質は異なる特長の調和にある」という考えに基づく、アッサンブラージュ(ブレンド)によるフラッグシップ・キュベの創造を目指した。
天候などその年の環境の変化によってブドウの出来は均一ではなく、特長も異なる。ゆえにベルナールが目指したのは、ひとつの年にこだわらず、力強さ、エレガントさ、バランスのよさといった年ごとに表れる個性を、卓越したアッサンブラージュの技術によって完璧に調和させること。まさにヴィンテージシャンパーニュでは成しえない 「パーフェクトヴィンテージ」を、メゾンのフラッグシップとなるグラン シエクルで表現したのだ。
すべての要素が一体となる瞬間、それが完璧な演技に
パーフェクトの追求という意味では、高橋も常に頂点を目指す演技を追い続けてきた求道者である。
「パーフェクトな演技をするために必要なのは、結果につながる質の高い毎日の練習、そして揺るぎない自信を持つこと。積み重ねてきた練習がなければ、自分を疑ってしまい自信にはつながりません。そして最後はすべてを振り切って、守りに入らないこと。今までやってきたことを信じて、静かな心で演技に臨めるかどうかだと思います」
そのすべての要素が調和しピースのように合致した時、完璧な演技ができたと感じる瞬間が訪れるという。
「普通ならプログラム後半には体力がなくなってくるのに、もう1回滑りたいと思えるほどのエネルギーに満ち溢れていくんです。そして自分の感情が高まるだけではなく、その気持ちが周りにも伝わり、最後には観客で満杯となった会場が自然にワーッと盛り上がっていく。あの特別な空気感は他では絶対に味わえません。そんなすべてが一体となる瞬間こそが、自分にとっての完璧な演技だと感じています」
そんな“完璧な瞬間"を感じた演技について、長いスケート人生のなかで「3回あった」と高橋は回顧する。
「2連覇を達成した2006年の全日本選手権と、初めて4回転・3回転のコンビネーションジャンプを成功させた2011年全日本選手権のショートプログラム、そして当時の自己最高点を出した2012年の国別対抗戦のフリーの演技。その3回ですね。その時の会場が一体感に包まれた感覚は、今でも鮮明に思いだせるほど。そんな完璧な瞬間を目指して、質の高い練習と揺るぎない自信、守りに入らず挑戦する気持ちを、今でも求め続けていると思います」
グラン シエクルも、1959年以来リリースしたのは25作のみ。シャンパーニュ地方のブドウとして非難すべき所がまったくない完璧な出来であるかどうか、そして96ヵ月という長期熟成できるだけのポテンシャルを持っているかどうか、その条件を満たした年だけを厳選した結果だ。
妥協しない強い想いこそが世界を魅了する
本質を極めるというメゾンの精神と培ってきた技術を引き継ぐため、家族経営を貫いているローラン・ペリエ。シャンパーニュ造りを司る最高醸造責任者も現在で3人目と代替わりを最小限にとどめ、ストイックな姿勢を貫いている。そんな孤高ともいえるメゾンながら、このグラン シエクルをきっかけに、かつては100位前後だったシャンパーニュ・メゾンのランキングも、現在は家族経営のメゾンで世界1位という地位にまで躍進を遂げた。
現在はアイスショーのプロデュースや映画出演など、新たなステージで存在感を発揮している高橋も、40歳を目前にスケートに必要な筋力を保つため、日々トレーニングや食生活のコントロールなど、たゆまぬ努力を続けている。そんな彼にとって、信じる道を突き進むローラン・ペリエのものづくりへの想いには、共感するところがあるという。
「常識にとどまらず、他とは異なる先鋭的な想いを貫いたのがローラン・ペリエ。僕も万人に伝わることが重要だと思っていた時代があったのですが、今はそれよりも、もっと自分自身が本当に求める世界観を表現することを目指しています。もちろんひとりよがりになってはいけないですし、とても難しいことですが、それでも自分の世界観に振り切った表現をしたい。
ローラン・ペリエが妥協せずにシャンパーニュの本質をグラン シエクルで表現したことが大きな成功となったように、自分の理想を突き詰めていけば、その想いは最終的に観てくださる方に伝わっていくと信じています」
自分にしかできない表現を形にするために、日々技術を磨きながら信じる道を進み続ける。その迷いなき姿こそが観る者、そして味わう者を感動させ、人々を魅了する存在になっていくのだろう。
高橋大輔とグラン シエクル。そこにあるのは、世界の誰もが認める “妥協なき表現者”たる姿だ。
Laurent-Perrier
1812年に創立したシャンパーニュ・メゾン。巨大資本傘下のメゾンが多いなか、メゾンの哲学を継承し続けるために今なお家族経営を貫き、徹底した職人的ものづくりにこだわっている。1948年に母のあとを継いだ前当主による伝統と革新を融合したシャンパーニュ造りにより、「フレッシュさ」「エレガントさ」「バランスのよさ」というメゾンのスタイルを確立。「グラン シエクル」のほか、素材そのものの味わいを重視するヌーベル・キュイジーヌに合うようにと造られたゼロ・ドサージュ(加糖なし)の「ウルトラ ブリュット」、デザートとも相性抜群の繊細な甘みを持つ「ドミ・セック」などのラインナップがある。
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