役者絵に美人画に名所絵――江戸時代の庶民の楽しみであった浮世絵が今、世界中の富裕層やアートコレクターを魅了している。希少な美術作品に出合え、購入できるとっておきの機会をご案内。
浮世絵特別美術館で世界的コレクターが名画を披露
2023年3月、NYクリスティーズのオークションで葛飾北斎の『神奈川沖浪裏』が276万ドル(当時の換算レートで約3億6200万円)で落札されたことが、大きな反響を呼んだ。なぜ今、世界中の富裕層やアートコレクターは浮世絵に魅了されるのか。世界的な美術商である浦上満氏にその魅力をうかがった。
「日本美術のなかで、海外で圧倒的な人気を誇るのが浮世絵です。この人気は一過性ではなく19世紀ヨーロッパの芸術界にも大きな影響を与えましたし、すでに国際的には高く評価されています。むしろ、明治以降の日本国内での評価が低かった。近年は、海外オークションで目立った落札結果が出たことで関心を呼び、さらに愛好者が増えていますね。いまや『神奈川沖浪裏』は、海外では日本の代表的なアイコンとして認識されていると感じます」
浮世絵には、絵師が紙や絹に直接筆で描く肉筆画と大量生産された木版画がある。木版画は絵師、彫師、摺師の三人の分業体制でつくられる。一般的に浮世絵といえば木版画=浮世絵版画のことを指す。そのなかでも美術的価値には大きな差があるという。
「浮世絵版画の場合、美術的価値がもっとも高いのは最初に摺られた初摺です。線がシャープで使われる色数も豊富、色味のグラデーションにもこだわることで、美しいものができあがります。そのあとは版が重ねられていくうちに木版が摩耗し線が鈍くなり、色数も減らされて絵に奥行きがなくなってしまうのです」
本当に惚れた浮世絵は心を豊かにする
一方で、資産としての価値はどうなのだろうか。
「浮世絵にも作品によって当然優劣がありますが、やはり摺りが早く保存状態がよいものだと価値は高くなります。ただし、あくまで美術品ですから、まずは自分の好きなものを探してみてほしい。それから自らの感性で惚れたものを買うべきです。そのうえで、購入した作品が値上がりしたら嬉しいですよね」
浮世絵に限らず、美術品の本質は持ち主の心を豊かにすることだと浦上氏は語る。心の資産とでもいうべきだろうか。
「例えば、家によい美術品があるとそれを見に来たお客さんが喜ぶ。そして、招いた自分も嬉しい。とりわけ、古美術品というのは時代を超えたロマンがあるんですよ」
実に楽しそうに語る浦上氏を前にすると、思わず1枚家に飾ってみたくなる。しかし、時に驚くほどの高額にもなる美術品の購入には英断が必要だろう。
「美術品を買うことをまるで“ルビコン川を渡るようなものだ”などという人もいます。でも、ルビコン川だって一度渡ってしまえば大丈夫。もちろん、最初は信頼できるアドバイザーがいたほうがよいですが、勝手がわかってくればひとりでも渡れるようになりますよ」
さらに、浦上氏いわく、購入する際に重要となるのが店選びだという。
「浮世絵を購入するにあたって大切なことはふたつ。信頼できる店で購入することと、自分の感性と予算で作品を選ぶことです。一級品ばかりを扱う店で買う場合でも、売り手の薦めるがままでは自分のコレクションになりません。本物のなかでもよいものにたくさん触れれば自然と目は肥えるし、美術品は買った人の人生を豊かにしてくれる。よい品が自分のものになった時の嬉しさは格別ですよ」
珠玉の浮世絵を間近で鑑賞するプレミアムイベント
今回、『ゲーテ』読者のために一日限りの特別な浮世絵鑑賞イベントを開催する。浮世絵特別美術館と題した本催事は、通常であればガラス越しでしか見ることができない逸品を、間近で鑑賞することができるまたとない機会。三大絵師の名画を含めた、この日のために用意された特別なコレクションを、浦上氏の解説を聞きながら鑑賞できる。
今回は作品の購入に関する相談も可能。会場は創業80余年を誇る京都・四条の名料亭、京料理「木乃婦」。当日は2階の大広間に特別仕様の設えを用意する。さらに、店主の高橋拓児氏が浮世絵からインスピレーションを受けて考案した特別なメニューとワインペアリングを提供する。世界的な名画と出合える、この日限りの至高の時を体験してみてほしい。
浮世絵を代表する三大絵師とは?
浮世絵は主に、役者絵(歌舞伎俳優)と美人画(吉原の遊女)だった。二大悪所と称された歌舞伎小屋と遊郭は、庶民の憧れの場でもあったのだ。喜多川歌麿(1753-1806)・葛飾北斎(1760-1849)・歌川広重(1797-1858)の3名の浮世絵師は特に名高い。歌麿は美人画の巨匠で大首絵の様式を美人画に取り入れた。北斎と広重は名所絵、つまり風景画を確立させた。北斎は富士山を46の視点・構図で『冨嶽三十六景』を描いた。広重は『東海道五十三次』で江戸と京都を結ぶ東海道の景観を見事に描いたことで知られている。
〜 美術品を手に取り、間近で鑑賞 〜
京料理「木乃婦」で愉しむ 浮世絵特別美術館
京料理「木乃婦」で愉しむ 浮世絵特別美術館
旅行代金 ひとり ¥398,000〜
旅行日時 2025年1月25日(土)17:00〜21:30
開催場所 京料理 木乃婦(京都府京都市下京区新町通仏光寺下ル岩戸町416)
募集人数 20名(最少催行人員12名)
スケジュール
17:00 受付開始|ウェルカムドリンク提供
17:15〜17:45 開会司会進行・講師の話|総合案内人の進行にて、浮世絵について 浦上満氏よりご紹介
17:45〜18:00 解説つき鑑賞|浦上コレクション特別鑑賞Ⅰ 浮世絵【葛飾北斎】
18:00〜18:10 自由鑑賞
18:15〜18:30 解説つき鑑賞|浦上コレクション特別鑑賞Ⅱ 浮世絵【歌川広重】
18:30〜18:40 自由鑑賞
18:45〜19:00 解説つき鑑賞|浦上コレクション特別鑑賞Ⅲ 浮世絵【喜多川歌麿】
19:00〜19:10 自由鑑賞
19:15〜21:15 食事・ディスカッション|京料理 木乃婦 三代目主人 高橋拓児氏による
特別メニューの夕餉(ゆうげ)、ワインペアリング、懇親と質疑応答
21:30 閉会|浦上満氏より締めの挨拶
問い合わせ:JTBロイヤルロード銀座本店 国内旅行デスク
TEL:03-6731-7690(10:00〜18:00/祝日・年末年始休)
※本記事は募集広告ではありません。詳しい旅行条件を記載した書面をお渡しいたします。事前にご確認のうえ、お申し込みください。
※本ツアーはJTBロイヤルロード銀座による募集型企画旅行です。状況によって内容が変更になる場合もございます。