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200年以上の歴史を持ち、伝統を守りつつも、革新的な試みを絶えず続けるシャンパーニュ・メゾンのローラン・ペリエ。その当主であるアレクサンドラ ペレイル ドゥ ノナンクール氏が4年ぶりに来日。『金田一少年の事件簿』や『サイコメトラーEIJI』、本場フランスでも人気のワイン漫画『神の雫』などの原作を手がけ、自身もワイン通としてつとに知られる樹林伸氏が、同メゾンの最高峰シャンパーニュ「グラン シエクル」に隠された、真のワインラヴァーに刺さる魅力を解き明かす。
口に含むと思い浮かぶ、幽玄の光景
――都内某ラグジュアリーホテルの一室。挨拶もそこそこに、ローラン・ペリエ当主、アレクサンドラ ペレイル ドゥ ノナンクール氏はメゾンの最高峰シャンパーニュ「グラン シエクル」を手に取り熱く語り始めた。その相手は、樹林伸氏。2023年現在、日仏米共同制作のドラマが世界に向けて配信されるなど、圧倒的人気を誇るワイン漫画『神の雫』の原作を手がけた人物である。
アレクサンドラ ペレイル ドゥ ノナンクール(以下アレクサンドラ) フランスでも有名な『神の雫』の原作者でいらっしゃる樹林さんに、ローラン・ペリエのフラッグシップ「グラン シエクル」をご紹介する機会が得られて、たいへん光栄です。
樹林伸(以下樹林) 当然、グラン シエクルは過去に何度も口にしているので、その偉大さは認識しています。今回、改めてこの貴重なプレステージ・キュヴェをアレクサンドラさんと一緒に味わい、お話を伺えるということで、とても楽しみにしていました。
――シャンパーニュとひと口に言っても、いろいろなカテゴリーがある。収穫年表記のないスタンダードな「ノンヴィンテージ・ブリュット」、優れた単一収穫年のブドウのみから造られる「ヴィンテージ」、ピンク色に色づいた「ロゼ」など。なかでもメゾンが威信をかけて造り上げる最上級のシャンパーニュ、それが「プレステージ・キュヴェ」だ。ローラン・ペリエのプレステージ・キュヴェは「グラン シエクル」。樹林氏は、グラスに注がれた、その黄金色の液体を口に含んだ。
樹林 ……素晴らしい。未明の広大な湖に垣間見える、静かで厳かな幽玄の光景が目に浮かびます。湖に映る空が水面と重なり合い、どこまでも続いていく。その光景に思わず見とれ、ただ時間だけが過ぎていく。例えるなら、ボリビアのウユニ塩湖です。幾重にも折り重なる層を一枚一枚めくるたびにいろいろな香りが現れ、最後の一滴を飲み干したあとも止めどなく続く長い余韻に、グラン シエクルというシャンパーニュの底力を感じますね。
アレクサンドラ メルシー、素敵なコメントですね。ウユニ塩湖ですか。私はまだ行ったことがありませんが、グラン シエクルを片手に訪ねたくなりました(笑)。新たなシャンパーニュを試すことは、ひとつの旅と同じ。そしてその旅がよい思い出として残るには、第一印象がとても大事です。
私たちが大切にしている第一印象は“香り”です。旅立ちに期待を膨らませるように、香りは食欲を掻き立てます。シャンパーニュは泡立ちを愛で、グラスに注がれる音を聴き、そしてそれを味わうと、さまざまな感覚が驚きとなって広がっていく。とても感覚に訴える飲み物です。さきほど樹林さんは、このシャンパーニュの香りが何層にも重なっているとおっしゃいましたが、グラン シエクルを造るにあたり私たちが追求していることのひとつが、まさにこの多層性なのです。
秀逸な3つのヴィンテージをかけ合わせ“完璧な年”を造る
樹林 ところでグラン シエクルはどのような経緯から生まれたのでしょう?
アレクサンドラ グラン シエクルは1959年に私の父、ベルナール ドゥ ノナンクールが生みだしました。第二次世界大戦のさなか、レジスタンスとしてナチス・ドイツに抵抗し続けた父は、戦後、フランスの再興を誓い、そして当時、他のシャンパーニュ・メゾンから次々とリリースされていたプレステージ・キュヴェを造ろうと考えたのです。ところが、今でこそ業界5位の規模を誇るローラン・ペリエですが、戦後に父がメゾンを継いだ時は100位前後。名前を知る人もまれな小さなメゾンで、数あるシャンパーニュメゾンのなかで際立った存在になるには、シャンパーニュの本質を突き詰める必要があり、他とは違う新たな試みをしなければならないと考えました。
他のメゾンのプレステージ・キュヴェはすべてヴィンテージ、すなわち単一の収穫年から造られるシャンパーニュでしたが、ヴィンテージはその年の気候条件により当然ながらバラつきが生じます。それに疑問を抱いた父は、秀逸なヴィンテージのアッサンブラージュを思いつきました。なぜなら、それによって完璧に調和の取れた“パーフェクト ヴィンテージ(完璧な年)”を造り上げることができるからです。
――アッサンブラージュをくだいた言葉でいうとブレンド。しかし、ブレンドが単に「混ぜる」ことを連想させるのに対し、アッサンブラージュは巧妙に「組み合わせる」ことを指す。シャンパーニュ地方には300あまりの村があり、主に3種類のブドウ品種が栽培されている。異なる村、異なる品種のワインにはそれぞれ独自の個性が与えられる。それらのワインをアッサンブラージュすることで、シャンパーニュのメゾンは固有のスタイルを確立しているのだ。
樹林 素晴らしい発想ですね。日本には「天地人」という言葉があります。これはワインの世界にとっても大事なコンセプトで、天とは気候、地とは土壌、そして人はワインの造り手にあたります。他のワイン産地と比べ、シャンパーニュは特に造り手の重要性が勝るのではないでしょうか。というのも、アッサンブラージュのよし悪しで、多くが決まってしまう。単一品種や単一ヴィンテージでも素晴らしいシャンパーニュはありますが、私はアッサンブラージュこそ、シャンパーニュの本質だと思っているんですよ。
アレクサンドラ おっしゃるとおりです。気候、土壌といった自然条件に対し、人は何ができるのかという明確なビジョンが大事です。グラン シエクルにはシャンパーニュ地方に17しかない、グラン・クリュと呼ばれる最上の土地で収穫されたブドウが選ばれ、なおかつ気候的にも恵まれた3つのヴィンテージのワインが使われています。つまり、今、樹林さんがおっしゃった天と地はすでに揃っていて、それを人がアッサンブラージュすることにより、さらに優れたものにしようと考えているのです。
樹林 1+1+1=3ではなく、4、5あるいは10になるというコンセプトですね。ところで、アッサンブラージュされる3つのヴィンテージにはそれぞれ役割があるのですか?
アレクサンドラ もちろんです。例えば今、樹林さんがお飲みになられているグラン シエクルには2008年、2007年、2006年のヴィンテージがアッサンブラージュされています。2008年は骨格を作ると同時に豊かなアロマを与え、2007年は緊張感と熟成のポテンシャルを、そして2006年はまろやかさをもたらします。それぞれの個性が布を織り上げるように絡み合い、そして熟成の時を経ることによって完璧なハーモニーを奏でるようになるのです。
樹林 まるでオーケストラのような調和が感じられますね。
アレクサンドラ そうでしょう? 10年にもおよぶ熟成を経て、ようやくそれぞれの性格が共鳴し、一貫性のあるものになります。それまでは個性がバラバラな状態。時間の存在は、偉大なシャンパーニュにとって大切なものです。
――シャンパーニュにとって、アッサンブラージュとともに、熟成期間も大切な要素となる。規定により、ノンヴィンテージで最低15ヵ月、ヴィンテージで3年以上の熟成期間が義務づけられている。最上級のプレステージ・キュヴェはメゾンごとに異なるが、だいたい6~8年。グラン シエクルの10年という熟成期間は異例なほど長い。
10年後を見通す匠の技を継承し続ける
樹林 個性の異なるヴィンテージから調和を導きだす。言うのは簡単ですが、実際に造るのはたいへんなことだと想像します。グラン シエクルの完成には、アレクサンドラさんの果たす役割も大きいのでしょうね。
アレクサンドラ メゾンの醸造チームが造り上げたものに、最終的な承認を下すのが私の務めです。メゾンの経営には確固としたビジョンと哲学が大切で、そしてそれを支えてくれる人々の力が欠かせません。最高醸造責任者のミシェル フォコネは父のビジョンに心酔し、父が亡くなった現在は、私や妹のステファニーとともに父のビジョンをより完璧なものとすべく働いてくれています。さらに近年は、私の娘のルーシーも事業に加わり、アッサンブラージュの最終承認を任せられるまでに成長しました。
樹林 その承認を下すまで、いくつくらいの試作品をテイスティングされるのですか?
アレクサンドラ すぐに決まることもあれば、なかなか決まらないこともあります。ただ、ここで知っておいていただきたいのは、私たちが発泡する前のワインをテイスティングしなければならないということです。つまり、10年後の姿を想像しながら難しい判断をしなければならないわけで、それには先を見通す力と記憶力が大事になります。最高醸造責任者のミシェルは醸造チームのメンバーに、何度も繰り返し発泡前のワインをテイスティングさせ、ローラン・ペリエのスタイルの継続に努めています。
――現在、ローラン・ペリエの最高醸造責任者は、ベルナール ドゥ ノナンクール氏が事業を引き継いで以来3人目となる、ミシェル フォコネ氏が務めている。フォコネ氏は当初見習いとしてメゾンに入り、2代目最高醸造責任者のもとでシャンパーニュ造りとメゾンの哲学を学んだ叩き上げ。ローラン・ペリエでは常に少人数の精鋭が醸造にあたり、職人芸ともいえる匠の技を磨いているという。
シャンパーニュ文化が華開いた“偉大な世紀”
樹林 グラン シエクルという名前は、言葉に重みが感じられます。どのような理由からこの名前をつけたのですか?
アレクサンドラ グラン シエクルは、フランス史において“偉大な世紀”であった17世紀のことを指します。太陽王と呼ばれるルイ14世がヴェルサイユ宮殿を建て、バレエ、音楽、美食などの文化が咲き誇った華やかな時代です。また、シャンパーニュがヴェルサイユ宮殿に集う王侯貴族の間で嗜まれるようになったのも、この時代でした。
父はプレステージ・キュヴェができあがると、命名にあたりいくつかの候補を挙げ、フランスの王立アカデミーの人々など知識人に見てもらいましたが、そのなかにかつてレジスタンスとしてともに戦い、後に大統領となるド ゴール将軍もいました。彼の返事はとても簡潔で、「ノナンクール君、もちろん、グラン シエクルだよ」と。こうして名前が決まったのです。
――荘厳な名前を持ち、白鳥のように細いネックをした優美なボトルに詰められたグラン シエクル。そのボトルネックには、「No.25」というナンバーがついている。このナンバーは1959年に初めてリリースされたグラン シエクルを「No.1」とし、その後、造り続けられてきたグラン シエクルの通し番号、つまり歴史を表す。
本質がわかる人にこそ訴えかけるグラン シエクル
樹林 グラン シエクルはグラスの中で時間とともに変化していきますね。実に素晴らしい。より広がりが感じられ、複雑なフレーヴァーが重なり合っていく。こういう変化は偉大なワインにしか起こりません。グラン シエクルはワイン好きを唸らせることができるシャンパーニュだと思います。
私は各自持ち寄りのワイン会を開催したり、逆にそういう会に呼ばれたりすることが多いのですが、グラン シエクルなら、「これを持ってきたか」と一目置かれることは間違いありません。たとえグラン シエクルを知らない人であっても、ひと口味わえばその卓越した品質が伝わると思います。ブランド力に頼ることなく、本質を追求したシャンパーニュですね。
アレクサンドラ メルシー、樹林さん。日本は、真に秀逸なものを愛でる文化のある国だと思います。ですから私は、日本の方々がこのグラン シエクルを理解してくださるはずだと信じています。
Laurent-Perrier
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