東京・虎ノ門にオープンした「スカルペッタ東京」は、ニューヨークの人気モダン・イタリアンの日本第1号店。話題のレストランで本店同様のアッパーな雰囲気と、ニューヨーク本店のシグネチャーメニューを全て味わうことできるコース「New York」の全7品を体験した。
独特の空間演出が五感を解放させる
2008年にニューヨークで創業した「スカルペッタ」は、本物を知るニューヨーカーに支持され、ニューヨークタイムズ紙の3つ星を獲得しているモダン・イタリアンレストラン。
「気取らない、でもエレガントなサービス」をコンセプトとし、「ザ・ジェームズ ニューヨーク ノマド」や「ブルガリホテル ロンドン」などの有名ホテルと提携して6店舗を展開している。そんな「スカルペッタ」のアジア第一号店が、'22年10月3日、東京・神谷町駅直結の東京ワールドゲートの1階にオープンした。
本店と同じデザイナーが本店のスタイルを踏襲して設計した店内は、エントランス付近がバーエリアで、奥はメインダイニング。バーエリアには本店で一番人気のスポットであるハイテーブルと日本独自のカウンター席「クルードバー」があり、どちらもアラカルトで利用が可能だ。店内で最初に目に入る場所のゲストは目立つものだが、ニューヨーク本店のハイテーブルはモデルや業界人、東京のハイテーブルは外国人客が多いのが特徴。神谷町は東京のグローバル拠点としての大規模再開発が進むエリアゆえ、付近のラグジュアリーホテルのゲストなどがハイテーブルの雰囲気をつくっている。
ほの暗い光に包まれた奥のメインダイニングは、天井が高く開放的なつくり。席に着くと、会話を邪魔しない程度に大きなボリュームの BGMに五感が開放され、周囲のテーブルのゲストの高揚感が伝わってくる。夜の楽しさを感じさせる独特の空間演出は、スカルペッタの創業者であるジョン・メドゥ氏(LDV ホスピタリティ代表取締役)が、もともとナイトクラブ経営で成功を収めた人物だからだろう。料理の味わいに全神経を傾けるというより、空間やゲストの雰囲気も含めて都会の夜の空気を楽しむ、そんな過ごし方が似合うレストランだ。
店名の由来は、残ったソースをパンですくうという意味のイタリア語「fare la scarpetta(ファーレ ラ スカルペッタ)」。メインダイニングで楽しめるコースの料理は、“スカルペッタ”して楽しみたくなる、気取らず食べれるものばかりだ。一番人気のコース「New York」で楽しめる本店のシグネチャーメニュー7品は、いずれも素材を生かしたシンプルな仕立て。たとえばNY人気No.1の温前菜「蛸のブレゼ」は、新鮮な真ダコのジューシーな旨味とカリッと香ばしく焼かれた表面のコントラストが楽しい一品。創業時からの定番「スカルペッタシグネチャー トマトバジルのスパゲッティ」は、トマトソースの濃厚な味わいとバターのコクがもっちりしたコシのある自家製パスタに絡み、やみつきになる味わいだ。料理長の菅野彰造氏は本国の味わいの本質を継承しつつも、「旨味」を鋭敏に感じ取る日本人の味覚を満たすようにアレンジを加えているという。
ワインの品揃えはイタリアを中心に、カリフォルニア、フランスのメジャーな造り手のものが130種類以上。遅い時間になるとサッシカイアやガヤなどの10種類以上のグラッパをのせたワゴンがフロアを行き交い、あちこちのテーブルで食後酒の時間が始まる。10月に登場した「エスプレッソマティーニ」は、メニューにはのっていない、知る人ぞ知る食後酒。きらびやかな都会の夜の締めくくりにふさわしい、パンチの利いたカクテルだ。
スカルペッタはセレブに愛される、ニューヨーク流の社交場。五感を解放して楽しんでほしい。
スカルペッタ東京
住所:東京都港区虎ノ門4-1-1 神谷町トラストタワー 1F
TEL:03-6450-1360
営業時間:17:30~L.O.22:30
定休日:土曜、日曜、祝日(※クリスマスは営業。2022年12月30日~2023年1月3日は休業)
席数:メインダイニング64席、バー34席、テラス37席 、個室2室(計22席)
料金:コース¥8,800~