小康状態になったとはいえ、まだまだ油断ならない新型コロナウイルス。自宅でゆったり過ごす人もいれば、ホームパーティに赴く人もいるはず。そんな時にぜひお供にしたいワインを、レアモノや高級銘柄など、一流の味を知るワインジャーナリスト・柳忠之氏が厳選! 今旬のテーマ別にセレクトしたワインを3日間にわたりお届けする。今回は【SDGs/ノンアルコール編】。
意識高い系に見られたいSDGsなワイン
サステナブル、エシカル、SDGs。近頃はこのような言葉を耳にしない日がないほど、持続可能な未来の構築は現代を生きるわれわれにとって大きな課題。ならばワインも環境に優しいものを選びたい。周囲からは「意識高い」と思われること間違いなしだ。
①ルイナール ブラン・ド・ブラン セカンドスキン NV
エシカルなパッケージのシャンパーニュ
世界最古のシャンパーニュ・メゾンであるルイナールが独自に開発した革新的パッケージ「セカンドスキン」。100%再生可能なウッドファイバー製で、従来のギフトボックスと比べて重さが9分の1しかなく、二酸化炭素の排出量を60%も削減できる。ブラン・ド・ブランの繊細で優雅な風味ともマッチし、じつにエレガントなパッケージ。
②コノ・スル オシオ 2012
農場内はチャリンコで移動のワイナリー
チャリンコラベルでお馴染みの「コノ・スル」は、チリにおけるオーガニック農法のパイオニア。農場内は排気ガスを撒き散らす自動車やトラックでの移動を極力控え、環境に負荷をかけない自転車で移動するという。「オシオ」はコノ・スルが手がけるフラッグシップのピノ・ノワール。ブルゴーニュ通も思わず唸るクオリティの高さ。
③オーパス・ワン 2018
誰もが知るカリフォルニアのカリスマもSDGs!
カリフォルニアを代表するスーパープレミアムワインが「なぜSDGs?」と訝しむ向きもあろうとは思いますが、オーパス・ワンが今真剣に取り組んでいるのがサステナブル。水資源のリサイクル、100%グリーンエネルギー化、プラスチックの削減、EVの利用と枚挙にいとまがない。オーパス・ワンなら快楽主義もエシカルに。
下戸のパートナーとも楽しめるノンアルコールワイン
これまでのノンアルコールワインは味的にイマイチ。ところが先の緊急事態宣言で飲食店でのアルコール提供が制限される中、ワイン通も納得のノンアルコールワイン(正確にはワインテイスト飲料)が日本に上陸した。下戸のパートナーとも素敵な夜が過ごせるはず。
①ジョエア・オーガニック・スパークリング・シャルドネ
複雑なフレーバーはまさにシャンパーニュ
2010年に設立された新進気鋭のワイナリーと日本のエノテカがコラボ。本格的な辛口に仕上げたアルコール分0.1%未満のスパークリングワインテイスト飲料だ。オーガニックのブドウを使用し、シャンパーニュのように澱と接触させることで、複雑で香ばしいフレーバーを実現。パーティに1本あれば大いに盛り上がること請け合い。
②ル・プティ・ベレ ヴァージン・ロゼ
フランスを代表する名ソムリエが開発
フランス最優秀ソムリエのひとりでMOF(フランス国家最優秀職人)のドミニク・ラポルトが開発に携わった、ワインテイスト飲料。料理との相性を考えてワインと同等のpHとし、独自のブレンド技術でアロマを表現。オーガニックの認証取得済みでヴィーガンフリーだ。このロゼのほか、シャルドネ スタイルなど全6種ある。
Tadayuki Yanagi
GOETHE本誌でもお馴染みのワインジャーナリスト。1000円未満のデイリーワインから、100万円以上のグランヴァンまでを網羅する。先日、モエ・エ・シャンドンに招かれ渡仏。1921年までの18ヴィンテージを試飲し「100年前のモエは身悶えするほど美味しかった」という。