GOURMET

2020.06.07

K’s room|西麻布の秘密のレストラン。週1回1組限定ですべてがオーダーメイド

毎年恒例のゲーテレストラン大賞「ゲーテイスト」。今回も秋元 康さん、小山薫堂さん、中田英寿さん、見城 徹の食を愛する4兄弟が集結、ここ1年のお薦めのレストラン(全52店)を教えてもらった。11店目は、西麻布の人気レストランに誕生した、週1回1組だけ、すべてを自分好みにできる限定ルーム。

K’s room

音楽、お酒、料理すべてオーダーメイド

「今年は原点に戻って料理を作りたいんです。『スダチ』の定休日、月曜日にカウンターに立とうと思います」と見城のところに『ラ・ボンバンス』のオーナーシェフ岡元 信氏から連絡が来た。

『スダチ』は、『ラ・ボンバンス』が10年経過した6年ほど前、スタッフの新しい活躍の場として誕生したレストランだ。

「当初3人だったスタッフも30人と順調に育ちました。彼らが楽しんで仕事をしている姿を見て幸せです」と岡元氏。

自身はここ10年近く、新店舗の企画を考えるプロデューサー業に邁進し、京都や香港進出も果たした。その集大成として、「料理を作って人に喜んでいただくこと。つまり、“料理人であれ”」という思いにいたったという。

そうして、今まで自分を応援し、経験の機会を与えてくれた人々へ恩返しができるレストランとして誕生したのがこの限定ルーム。西麻布の『スダチ』を舞台にして、たったひと組のためだけに岡元氏が腕を振るう。

「見城さんに来ていただく時は、僕の店ではなく、見城さんがオーナーです。好きな音楽アルバム、好きなお酒を持ってきてください。お料理もご希望・ご要望があれば何でもリクエストしてください」と伝えた。

早速今年1月の月曜日に予約をした見城は、竹内まりやの最新アルバム『ターンテーブル』を持参。

店に着くと、入口横にある『スダチ』の表札の上に、岡元氏が『K’s room』と手書きした紙が貼ってあった。

「他の方の予約ならもちろんその方のイニシャルで作ります」と岡元氏。

見城が顔をくしゃくしゃにして「旨いねー」と言う情景を思い浮かべながら作ったという。

「想いを共有していることが嬉しくて作りすぎてしまったかも」と苦笑いの岡元氏。

一方見城も竹内まりやのビートルズカバーを流しながら、久しぶりに岡元さんが作る料理を堪能。

「友人との楽しい語らいはもちろん、岡元さんともお互いに感謝しあえるいい時間に。レストランのひとつの理想型を体験させてもらえた」と語った。

炭火焼ステーキに蒸し鮑を添えて。

炭火焼ステーキに蒸し鮑を添えて。料理はすべて見城の好物、笑顔を思い浮かべながら考えたメニューの一部。

カニクリームコロッケをカニの甲羅で作ったアメリケーヌソースで。

カニクリームコロッケをカニの甲羅で作ったアメリケーヌソースで。

厚切りにしたフグ、とうとうみ、皮を焼き白子をつぶして絡めながら食べるフグ尽くしのひと皿。

厚切りにしたフグ、とうとうみ、皮を焼き白子をつぶして絡めながら食べるフグ尽くしのひと皿。

店内には、竹内まりやのアルバム『ターンテーブル』が流れる。

店内には、竹内まりやのアルバム『ターンテーブル』が流れる。「好きな音楽を聴きながら、好きな料理を食べればより忘れがたい素敵な時間になると思います」と岡元氏。

ケーズルーム
住所:東京都港区南青山7-12-12 B1F(Sudachi内)
TEL:非公開(完全予約制)

※現在、レストランの営業時間、休業日など記載の情報と異なる場合があります。ご来店時は事前に店舗へご確認ください。

TEXT=藤田実子

PHOTOGRAPH=菅野祐二

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