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2024.08.05
「日本一、丁寧な仕事をする会社」をモットーに運送業界トップクラスの売り上げを誇る、池田ピアノ運送。常識を覆す施策を次々に取り入れ業界のイメージを一新してきた同社社長・池田輝男氏が、どんな業界でも通用するビジネスの絶対法則を紹介。書籍『「丁寧」なのに仕事が速い人の習慣』より、一部を抜粋してお届けします。
お母さんが自転車に乗る子どもに、「飛び出しちゃダメよ」「車に気をつけなさい」と声をかけたにもかかわらず、子どもは元気いっぱいに走り出して人にぶつかったり、車にはねられて事故に遭ってしまったり……。
このような不幸は、現在でも相変わらず絶えることなく、起こっています。
「子どもだから、事故が起こるのは仕方がない」
そんなふうに考えてしまったら、マネジメントとしては要注意です。あなたが上司であれば、同じように事故を起こさせる言葉がけを部下にしているかもしれません。
実は人間は、「不幸を描く天才」なのです。
これは脳の構造上の問題で、人間は何かを言われたとき、その言葉の冒頭部分だけを無意識に受け取ってしまう傾向があります。つまり母親から「飛び出しちゃダメ」と言われたら、「飛び出す」の部分だけを子どもの脳は受け取ってしまう。
結果、その通りに飛び出してしまい、事故が起こるわけです。
とくにマイナスの言葉は、よりリアリティを持って脳に伝わります。だから私たちの業界では、「事故を起こさないように気をつけてね」とドライバーを送り出すと、逆に事故が起こりやすくなってしまうと言われています。
普段からニュースや動画サイトなどで見ている事故の映像は、「過去に見たイメージ」としてすべて、私たちの脳内に保存されているのです。「事故を起こさないように」という言葉は、無意識の中にあるそんなイメージを、表に掘り出してきてしまいます。
それを避けるために、私の会社では「元気に帰ってきてね、よろしく」などと、ポジティブな言葉をかけるようにしているのです。
これにより、マイナスの事象を避けることができます。「不幸を描く天才」を生み出さないために、言葉をかける側は気をつけるべきでしょう。
もちろん個々の社員が使う言葉のすべてを、上司や管理者側がコントロールできるわけもありません。だからせめて、部下に対して声をかける際の言葉づかいを、今のうちに意識してシフトチェンジしましょう。
具体的には、次のような言葉です。
部下に成功してほしくない、お客さまとトラブルを起こしてほしい、と考える上司は1人もいないはずです。
声をかける側の意識や気づかい1つで「不幸を描く天才」を減らせるのですから、何気ない言葉にも注意するようにしましょう。
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