現在開催中の新作時計見本市「ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ 2025」にて、イタリア生まれの高級腕時計ブランド・であるオフィチーネ パネライが多くの新作を発表。根幹シリーズである「ルミノール」の拡充と時計製造技術の叡智を結集した機械式プラネタリウム時計「ジュピテリウム」の発表により、変わらぬ存在感を発揮している。

実用的に改良された「ルミノール マリーナ」
1860年、ジョバンニ・パネライがフィレンツェに時計店を創立したことから歴史をスタートさせたパネライ。
高度な技術力を買われ、海戦用照準器などの精密機器を納品するなど長年にわたってイタリア海軍との関係を深め、1935年からは高い強度を持つ潜水用時計を開発することに。軍事品ゆえに時計店に陳列されることはなかったが、その存在はコレクターたちの評判の的となり、1997年のリシュモングループ傘下入りと民生品の展開で一気に人気が爆発。イタリア由来のデザインセンスと卓越した機械技術を融合したブランドとして、大きな注目を集めている。
そのパネライにおいて、特殊な技術や機能性に裏打ちされた「ルミノール」はブランドの顔ともいえるシリーズだ。さまざまな派生モデルが存在するなか、今回スモールセコンド付きモデルである「ルミノール マリーナ」がアップデートを果たすことになった。

自動巻き、SSケース、径44mm。¥1,474,000[2025年6月以降発売予定]
大きな改良点は、新しい自動巻きキャリバー「P.980」の搭載。従来の「P.9010」と同じ約3日間のパワーリザーブと毎時28,800回の振動数を維持しながら、直径は約10%、厚さは約30%の縮小化に成功。これを受けケースの厚さが約12%、重量は約15%減少し装着感を向上させた。
デザイン面では、レバーロック式リューズプロテクターやサンドイッチダイヤルといったコレクションのアイデンティティはそのままに、文字盤下部はメゾン名のみの表記に変更。さらに、デイトウィンドウの大型化や明るさを向上したスーパールミノバ®X2の採用によって視認性を高めた。サファイアクリスタル製シースルーバックが復活し、PAMクリックリリースシステムを搭載したのも新しい試みだ。

自動巻き、グレード5チタンケース、径44mm。¥1,474,000[2025年6月以降発売予定]
また、同「ルミノール マリーナ」シリーズにおいて、グレード5チタン製ケースを採用した「ルミノール マリーナ チタニオ」も登場。ステンレススチールと同等の強度を維持したまま、重量を半減させた。
パネライは1980年代に100気圧防水を誇る「ミッレメトリ」を開発していたころから、耐食性に優れるチタンを海水に触れる機会がある海軍用途に最適な素材として活用してきた歴史があり、ツールウォッチ研究に注がれるブランドのスピリットを新たに投影させた形だ。
ムーブメントも素材も革新的な「ルミノール パーペチュアルカレンダー GMT プラチナテック™」
さらに、シリーズ内におけるハイエンドモデルとして「ルミノール パーペチュアルカレンダー GMT プラチナテック™」も発表。
2399年まで自動で計算でき、リューズのみの操作で直感的に調整できる革新的なパーペチュアルカレンダー機構を搭載。そこにGMT機能も加わり第二時間帯も表示する。
ケースには、パネライが独自に開発したプラチナテック™を採用。95%純プラチナで作られた特殊合金で、特別に開発された加工プロセスにより高い耐傷性を備え、標準的なプラチナよりも40%硬くなっている。
ダイヤルにはブルーのサファイアクリスタルがあしらわれ、透けて見える曜日と日付のディスクがモダンで瀟洒(しょうしゃ)なスタイルを確立。ホワイトのアプライドインデックスと針が鮮やかなコントラストを描き、パネライと関係の深い海の世界を想起させる。グレードを高めたスーパールミノバ®X2が使われ、インデックスと針は暗闇で鮮やかなグリーンに輝く。
ガリレオ・ガリレイの偉業を讃える機械式プラネタリウム時計「ジュピテリウム」
また、超複雑機構を搭載した機械式プラネタリウム時計「ジュピテリウム」も発表された。

ユニークピース。鍵巻きメカニカル、横75×縦86cm、重量約110kg。¥330,000,000[予定参考価格]
マホガニー製ベースに、時刻を示す文字盤と天体を模したガラスの球体で構成。球体の中心には地球が置かれ、その周囲を太陽、月、木星、そして木星の4つの衛星が周回する。ガラスの天球には地球から観測された星座が描かれ、スーパールミノバにより暗闇で神秘的な光を放つ。合計で32mの長さにも及ぶ8つのバレルにより40日間のパワーリザーブを誇り、月の長さと閏年に対応して自動調整され、2099年まで調整は不要だ。
開発の背景にあるのは、同じイタリアの天文学者ガリレオ・ガリレオの偉業を讃えるため。彼が木星の周りを周回する4つの衛星を発見したことが、長年信じられてきた天動説を覆すきっかけになった史実に基づいているという。
約7年間CEOを務めたジャンマルク・ポントルエ氏が退任し、2025年4月1日からエマニュエル・ペラン氏が新たにトップに就任したパネライ。今後の展開からますます目が離せない。
問い合わせ
オフィチーネ パネライ TEL:0120-18-7110