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2022.06.26

サイズ感が新しい! 注目のヴィンテージウォッチ、ユニバーサル・ジュネーブのクロノグラフ

インターネットやSNSの普及からあらゆる時代の時計が簡単に入手できるようになった。そうはいったところで、パーツの整合性や真贋の問題が問われるヴィンテージウォッチの品定めは一筋縄ではいかない。この連載「ヴィンテージウォッチ再考」では、ヴィンテージの魅力を再考しながら、さまざまな角度から評価すべきポイントを解説していく。第5回は、ユニバーサル・ジュネーブのクロノグラフを紹介する。【過去の連載記事】

連載「ヴィンテージウォッチ再考」

大小の様々なサイズが見つかる希少なクロノグラフ

クロノグラフに定評があるユニバーサル・ジュネーブは、今日ヴィンテージウォッチのマニアから絶大な支持を集めているブランドのひとつだ。前身は1884年にスイスのル・ロックルで創業したユニバーサル社であり、1937年に現在の社名に変更された。

腕時計式のクロノグラフについては19世紀後半から開発に着手し、1917年には「ユニバーサル ウォッチ エクストラ」を発表。その後、1934年に登場した「コンパックス」を皮切りに、「エアロ・コンパックス」や「トリ・コンパックス」などの評判からクロノグラフの名門としての不動の地位を築いた。

ユニバーサル・ジュネーブが傑作と呼ばれる数々のクロノグラフを展開できた理由は、他社を凌ぐ圧倒的なムーブメントの開発力にある。その豊富なバリエーションも相まって、ヴィンテージの市場では大小様々なサイズの時計が見つかる。ここでは、3つの個体を紹介する。

1930年代製造のクロノグラフ、1940年代製造のクロノグラフ、1950年代製造の「トリ・コンパックス」

左から順に、1930年代製造のクロノグラフ(26mm径)、1940年代製造のクロノグラフ(46mm径)、1950年代製造の「トリ・コンパックス」(34.5mm径)。

ブランドの代表作であり、最人気を誇る「トリ・コンパックス」は、月・日・曜日表示とムーンフェイズを備えたトリプルカレンダーと、30分積算計と12時間積算計を持つクロノグラフである。こちらの個体は1950年代の製造されたもので、"スピリノ"と呼ばれる「トリ・コンパックス」では初となるねじ込み式の防水ケースを採用したモデル。今の時代の時計ではまず見られない34.5mm径の小ぶりのケースサイズも特徴に挙がる。ムーブメントは自社製のCal.281を搭載する。

ユニバーサル・ジュネーブ トリ・コンパックス

ユニバーサル・ジュネーブ トリ・コンパックス
Ref.22297(1950年代製造)、手巻き(Cal.281)、SSケース、径34.5mm。¥2,420,000

ヴィンテージの世界には、ユニバーサル・ジュネーブの得意分野である通称“ベビークロノグラフ”と呼ばれる極小サイズのクロノグラフが存在する。この個体はわずか26mm径のケースにクロノグラフを収めており、ムーブメントはバルジュー社のCal.69をベースに改良を加えたCal.270が搭載されている。下地出しのブラックギルトダイヤルであることもヴィンテージウォッチならではの魅力として見逃せない。

ユニバーサル・ジュネーブ クロノグラフ

ユニバーサル・ジュネーブ クロノグラフ
1930年代製造、手巻き(Cal.270)、SSケース、径26mm。¥1,210,000

懐中時計にも使用していたムーブメントCal.292が搭載された46mm径の特大サイズのクロノグラフは、細めのベゼルであることから数字以上の大きさに感じられる。ブラックダイヤルがイタリア軍に納入されていた実績があり、シルバーダイヤルは2つのバリエーションで展開されていた。こちらは大変希少な夜光付きの仕様でアラビアンインデックスの内側にドット型の夜光を配置している。

ユニバーサル・ジュネーブ クロノグラフ

ユニバーサル・ジュネーブ クロノグラフ
Ref.22430(1940年代製造)、手巻き(Cal.292)、SSケース、径46mm。¥4,950,000

ユニークなサイズ感を楽しめるユニバーサル・ジュネーブのクロノグラフは希少性もずば抜けている。需要が高いことに加え、良質なコンディションの個体を探すのが年々難しくなっているため、気になる1本があれば早めに店頭で確認することをお勧めしたい。

 

問い合わせ
プライベート・アイズ TEL:03-3940-0707

【連載 ヴィンテージウォッチ再考】

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ヴィンテージウォッチ再考

インターネットやSNSの普及からあらゆる時代の時計が簡単に入手できるようになった。そうはいったところで、パーツの整合性や真贋の問題が問われるヴィンテージウォッチの品定めは一筋縄ではいかない。本連載では、ヴィンテージの魅力を再考しながら、さまざまな角度から評価すべきポイントを解説していく。

TEXT=戸叶庸之

PHOTOGRAPH=江藤義典

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