毎度お騒がせしております。キングコング西野です。今回の記事は、毎朝voicyという音声メディアで配信している「#西野さんの朝礼」でお話したことから、編集して紹介させていただきます。(※今回の記事を音声で楽しみたい方はコチラ)
今日は「ゴミのNFTが今、凄いことになっています」というテーマでお話ししたいと思います。
【連載「革命のファンファーレ2~現代の労働と報酬」】
第61回 日本人が、今一番勉強しなきゃいけないのは「価値創造」だ
世界的NFT幻滅期に、国内NFTに参戦した理由
NFTに本格的に参入して、かれこれ1週間が経ちました。(2022年9月7日現在)
ここでいうNFTというのは、PFPと呼ばれる「SNSのプロフィール画像のNFT」のことです。
NFTが世界的に幻滅期に入りまして、「もうダメじゃね?」という空気が漂い、投資家さん達が離れたのを見て、「今だ!」と思って参戦したわけですが、べつに悪フザケで始めたわけではなくて(悪フザケもあるけれど)、日本人のコレクター気質をよくよく知っているので、なんか普通に「今なら勝ち目があるなぁ」と思って始めました。
少し込み入った話をすると、ここから仮に国内のNFTが盛り上がったとしても、「世界から数年遅れている」という見方は僕は少し違うと思っていて、2021年〜2022年の上半期に世界で見られた盛り上がりとは、全く違う盛り上がりだと見た方がいいと思っています。
3日〜4日前のプレミアム放送でも喋りましたが、「相対的価値のNFT」と「絶対的価値のNFT」という違いですね。
投資家が買うか、ファン(コレクター)が買うか、という。
ここで明らかにゲームチェンジが起きている(あるいは起こさなきゃいけない)という意識を持っていないと、国内NFTを盛り上げるのはちょっと難しいと思います。
つまり、引き続き、投資家(投機筋)相手にやってたら、未来がない。
まぁ、そんな考えをもって1週間ほど前にスタートしましたゴミNFTプロジェクト『Poubelle』ですが、1日1体のオークションで、これまでにゴミモンスターのNFTを7体販売。
そして、心臓のキャラクターのNFTを2500体ほど販売して、その前の段階で同じ心臓のNFTを2000体ほどプレゼントさせていただきました。
ドンブリ勘定ですが、国内のNFT人口を3000〜4000人ぐらいは増やせたかなぁという感じです。
ここを増やすことが、日本のNFTクリエイターの応援につながるので、引き続き頑張ろうと思います。
たぶん、1万人ぐらいは増やせると思います。
今、勉強しなきゃいけないのは「価値創造」
そんなこんなで、いよいよ今日のタイトルに迫りますが、このゴミのNFTが今、凄いことになっています。
1週間で何千体も売れている「心臓のNFT」の販売数もさることながら、特筆すべきは、毎日1体ずつオークションで出されている「ゴミモンスターのNFT」の価格です。
昨日は、齧られた緑色のリンゴをモチーフにした『MIDO-GABRIEL』というモンスターが出品されたのですが、最終的に「5.1ETH(イーサ)」で落札されました。
日本円にすると、今だと「約115万円」です。
ここだけ見ると、NFTは冬の時代でも何でもなくて、ちゃんとビジネスとしてまわってるんですね。
僕のオンラインサロンでは、ここ1週間ほどNFTのことを取り上げていまして、「どんな使い方が考えられるんだっけ?」と同時に、そもそも「NFTのどこに価値が発生している(何に値段がついている)んだっけ?」という考察を繰り返しています。
サロン記事なんて、一記事2000〜3000文字ですから、その1週間分を今ここで全部書くことは不可能ですが、トピックだけあげると、やっぱり今のNFTは「コミュニティー運営」と「行動心理学」と「ラグジュアリー戦略」の知識が無いと価値を生み出すことは不可能だと思います。
そして、この「価値創造」はNFTだけの話じゃなくて、日本人が今、一番勉強しなきゃいけない部分だと思っています。
日本はずっと「技術」を売っていて、「価値」に目を向けていない
先週だったか、「世界一の『日本の新幹線』が海外で売れない理由」というニュースが出ていて、ちょっとバズってましたが、あれがまさに。
「日本人は、いまだに鉄道の価値を『速さ』だと思っている。すでに鉄道の価値は速さから『快適さ』に移っている」という話です。
めちゃくちゃ端折って喋ると、「東京-名古屋」の移動で見た時に、
「『新幹線のぞみ』だと1時間半で着きます。Wi-Fiは使えます」というのと、
「『リニアモーターカー』だと40分で着きます。ただしWi-Fiは使えません」の二択があった時に、たぶん、ほとんどの人は「50分短縮できる」よりも「Wi-Fiが使える」を選ぶと思うんですね。
ぶっちゃけ、「リニアモーターカーだと50分短縮できる」も怪しいところで、完成したところで便数も多く無いだろうから、「30分待ちで、40分で行ける」がイイトコだと思います。
「だったら、新幹線に乗って、座ってスマホいじっとくわ」という。
リニアモーターカーって、完全に失敗フラグがあがっていて、移動って「10時間かかるところを、1時間半でいける」には価値がありますが、「1時間半かかるところを、40分でいけます」にはそこまで価値が発生しない。
さらには「スマホを取り上げられる」となると、代償の方がデカすぎる。
今の時代、求められているのって、「東京―名古屋の1時間半を40分にしてスマホを取り上げることじゃなくて、1時間半のままでいいから、新幹線の車内でZoom会議ができる防音の個室を作ること」だと思います。
東京―名古屋間のトンネルなんて掘らなくてよくて、ただただ車内の間取りを変えてくれたらいい。
新幹線の会議室需要って半端ないと思います。
会議室として使えるなら、東京―名古屋で5万円を払う人は全然いるどころか、取り合いになると思います。
だけど、日本はずっと技術を売るじゃないですか?
移動でいうところの『速さ』みたいな。
まぁ、それがお家芸だったのもあると思いますが、「技術」に目を向けてばっかりで、「価値」に全然目を向けない。
これだと確実に負けちゃうんですね。
NFTは「なぜ価値が発生しているのか」を考えるイイ勉強素材
「NFTなんてゴミだろ」と言っちゃうのって、すっごく簡単だと思っていて、そんなことは誰でも言える。
そうじゃなくて、そこで思考することを放棄せず、「なんで、あそこに価値が発生しているんだっけ?」「なんでプロフィール画像に100万円以上の値がつくんだっけ?」と考えた方がいいし、日本人は、それをやっていかなくちゃいけない。
NFTは、そのイイ勉強素材だと思います。
ゴミNFTプロジェクト『Poubelle』のオークションは今日もあります。
お知らせ! キングコング西野亮廣がデザイン監修を手がけたゴミNFTコレクション『Poubelle』をOpen Seaで販売中
DAOコミュニティ「CHIMNEY TOWN DAO」より、週に1体ずつ描きおろしの1点物のゴミのNFTコレクション「Poubelle」を、オークション形式で販売しています。
『Poubelle』(フランス語で「ゴミ箱」の意)は、そのへんに落ちてるゴミをモンスター化してみたNFTコレクションです。
お知らせ! プペル歌舞伎の写真(額装済み&保証書付き)の新作『父と息子』(限定20点)が出ました
追加生産はしない作品なので、興味がある方は是非。
【限定20枚】プペル歌舞伎『親子』
お知らせ!『西野亮廣講演会』の開催決定!
『西野亮廣講演会』のお知らせです。
下記の都道府県で開催が決まっています。
10月8日(土)に徳島、
11月3日(木)に愛知、
12月23日(金)に愛媛で、それぞれ『西野亮廣講演会』がございます。
私、西野亮廣がマイク一本で1時間半ほど喋る変なイベントです。
チケットをお求めの方は、『西野亮廣全国講演会』で検索してみてください。
サロンメンバーさんが作ってくださったイイ感じのホームページに飛びますので、そちらから。
会場によっては、まだ、チケットを発売してなかったりしますが、そのへんはご容赦ください。
講演会開催情報
よろしくお願いします。
西野亮廣/Akihiro Nishino
1980年生まれ。芸人・絵本作家。モノクロのペン1本で描いた絵本に『Dr.インクの星空キネマ』『ジップ&キャンディ ロボットたちのクリスマス』『オルゴールワールド』。完全分業制によるオールカラーの絵本に『えんとつ町のプペル』『ほんやのポンチョ』『チックタック~約束の時計台~』。小説に『グッド・コマーシャル』。ビジネス書に『魔法のコンパス』『革命のファンファーレ』『新世界』。共著として『バカとつき合うな』。製作総指揮を務めた「映画 えんとつ町のプペル」は、映画デビュー作にして動員196万人、興行収入27億円突破、第44回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞受賞という異例の快挙を果たす。そのほか「アヌシー国際アニメーション映画祭2021」の長編映画コンペティション部門にノミネート、ロッテルダム国際映画祭クロージング作品として上映、第24回上海国際映画祭インターナショナル・パノラマ部門へ正式招待されるなど、海外でも注目を集めている。また「えんとつ町のプペル」は、ミュージカルや歌舞伎にもなっている。
●国内最大となる、約4万人の会員数を誇る有料会員制コミュニティー(オンラインサロン)「西野亮廣エンタメ研究所」はこちら。
●70万部の絵本『えんとつ町のプペル』のご購入はこちら。
●最新絵本『みにくいマルコ~えんとつ町に咲いた花~』のご購入はこちら。