毎度お騒がせしております。キングコング西野です。今回の記事は、毎朝voicyという音声メディアで配信している「#西野さんの朝礼」でお話したことから、編集して紹介させていただきます。(※今回の記事を音声で楽しみたい方はコチラ)
今日は「辞めることをルール化するのって、結構いいよ」というテーマでお話ししたいと思います。
【連載「革命のファンファーレ2~現代の労働と報酬」】
第38回 時間や予算や体力や信用やネットワークがあるうちに、新規事業の立ち上げに賭けた方がいい!
成功者が失敗する確率人気No.1「損切りできない」
今日お話しすることは、何かの本に書いてあるような内容や、誰かから伝え聞いた話ではなくて、自分が実践しているいくつかのコトの中から、かなり自信をもってオススメできることです。
僕のオンラインサロンメンバーさんならご存知だとは思いますが(オンラインサロンはこちら)、僕は、「どうやったら上手くいくか?」ではなくて、「どうやったら確実に失敗するか?」という地雷の位置をリスト化して、そこを踏まないようにしている実にツマラナイ男です。
たとえば、「僕であろうと、イチロー選手であろうと、バッターボックスにバットを持っていくのを忘れたら、ヒットを打てない」みたいな。
「失敗」って、再現性が高いんですね。誰でも失敗できちゃう。
なので、失敗をリスト化するわけですが、人間、かなり高い確率でやらかしちゃうのが、「成功したものにブラ下がりすぎちゃう」です。
せっかく成功したのだからブラ下がることは結構ですが、「ブラ下がりすぎる」というのは、ちょっと問題です。
つまり「損切りできない」というやつですね。
歴史を振り返ると、成功した人(あるいは会社)が落ちていくパターンの圧倒的人気No.1は「損切りできない」なんです。
これはもう歴史が証明しています。
V字回復より新規事業の方が成功率が少し高い
でも、たしかに「損切り」って難しいんですよ。
「V字回復」ということが実際にあるので、なかなか踏ん切れない。
でも、歴史上、落ちていった人(会社)は皆、「V字回復」を期待して落ちていったわけで、逆に言うと、「V字回復」を期待せずに落ちていった人なんていないわけで、このあたりがメチャクチャ難しい。
そこで、僕はまず「V字回復する確率」と「新規事業を当てる確率」、どっちが高いかなぁ? と考えます。
勿論、どちらも確率は低いのですが、まだマシな方です。
そう考えると、「V字回復」を期待しているものというのは、自分の努力不足などではなく、結構、外的要因が大きいことが見えてくる。
要するに、自分の頑張りだけではどうしようもできないことです。
たとえば、「電話ボックスを作る事業をやっているけど、携帯電話が普及してしまった」みたいな。
こうなると、自分がどれだけ素晴らしい電話ボックスを開発しようが、チームのDXを進めようが、どうしようもない。
時代が、地球全体が電話ボックスを求めていない…というケースがある。
にも関わらず、長年続けてきた思い入れの大きい事業なので、なかなか捨てきれない。
実は、「V字回復」を期待する時って、このケースが多いと思うんですね。
一方で、電話ボックスの開発や営業によって、たまった知見や信用やネットワークなどがある。
この状態で始める新しい事業というのは、実際のところは完全な「ゼロ→1」の起業ではなくて、かなり、アドバンテージをもらっている状態での起業になります。
もちろん、アドバンテージがあるからといって、確実に成功することなんてないのですが、しかし、成功する確率は少しだけ上がる。
僕は結構、こっちにかけるタイプです。
つまり、「V字回復」よりも、「新規事業」を選ぶ。
その方が確率が高そうだからです。
損切りは感情ではなく、ルールでおこなう
ただ、新規事業をやるには、やっぱり「時間」が必要になってくる。
何かを辞めないといけないのですが、簡単には辞められない。
この問題をどうクリアするか?
僕は自分では決めきれないので、年に最低1個は何かの仕事を辞めるようにしています。
これはルールなので、万が一、その年、全ての仕事が上手くいっていたとしても、絶対に、何か一つを辞める。
完全に辞めるか、後輩にあげるか。
損切りを「感情」でおこなうのではなく、「ルール」でおこなっちゃう。
そうすることで、毎年、半ば強引に新規事業を立ち上げることになります。
そんな生活をずっと続けているのですが、これ、結構オススメです。
ずっとやってると「いやぁ、これ、まだ手放したくないなぁ」というのも全然あるんですが、損切りに関しては、自分の感情を信じるとロクなことがない。
繰り返しになりますが、「V字回復」と「新規事業の立ち上げ」…これ、どっちに進んでも成功確度は低いんです。ほぼ上手くいかないです。
ただ、「まだマシな方を選ぶ」という考え方でいくと、時間や予算や体力や信用やネットワークがあるうちに新規事業の立ち上げに賭けた方がいい。
先日『しゃべくり007』の放送があって、そこで僕のお仕事をズラーと紹介していただいていて、なんか「ハイパークリエイター」とイジられているのですが(笑)、それというのは、「年に1個は仕事を辞める」というルールが生み出したものなんですね。
肌感としては、「1発当てたら、そのあと、新規事業の立ち上げを3発スベっても死なない」といったところだったりします。
「上手くいっている事業であろうと手放す」というのは気持ち的には、なかなかハードルが高いかもしれませんが、ルール化で、そこを突破する。
これ、結構オススメです。
お知らせ! 「キンコン西野と学ぶオンライン勉強会『DAO』って何?」アーカイブ参加者、ついに1万700人突破!
コチラはすでにアーカイブ配信となっているのですが、「キンコン西野と学ぶオンライン勉強会『DAO』って何?」の参加者が1万700名を突破しました。
コチラは、ブロックチェーンに詳しいエンジニアが、
技術に詳しくないスタッフ、そしてお客さんにわかりやすく説明する。
ビットコインやブロックチェーンの初心者に優しい勉強会となっております。
内容は、ビットコインをはじめとして、ブロックチェーンやNFTについて簡単にまとめた(復習した)あと、「DAO(自律分散型組織)」について勉強します。
仕組みを学ぶための勉強会ですので、「儲かる」とかそういう話は一切ありません。
我らが世界のNISHINOが絶妙な生徒をしております。
西野の相槌の上手いこと上手いこと(笑)
このあたりも注目です。
仮想通貨(暗号資産)やブロックチェーンの未来について興味がある方は、ぜひご参加ください!
チケットは800円です。
参加ご希望の方は、「キンコン西野 DAO」で検索してみてください。
キンコン西野と学ぶ! 仮想通貨勉強会「DAOって何?」※儲け話はありません
そして、お知らせもう一つ。
お知らせ! 「【教えて西野先生】親子で学ぶ! とっても大切なお金の話2022」の参加者1400名突破!
5月21日の20時から開催するオンライン勉強会『【教えて西野先生】親子で学ぶ!とっても大切なお金の話2022』の参加者が「1400名」を突破しました。
僕は、自分で会社を起こして、資金繰りをして、作品や商品を作って、売って、従業員を雇って…という活動をしているのですが、この活動は「お金」の問題と常に隣合わせなんです。
そして、そこでは「お金の勉強をしていない人の弱さ」を見る。
お金の勉強をしていない人が、自分や、まわりの人達を不幸にしていく様を、まざまざと見るんです。
でも、どうやら学校では今後もまともに「お金教育」をする気配がない。
今年からは高校の家庭科の授業でやるらしいですが、「そもそも誰が教えるの?(教えられるの?)」という問題がある。
「まさか、投資をしたことがない先生が『投資のイロハ』を教えるわけじゃあるまいな」…という。
やっぱりこのあたりの心配は拭えないので、今回、久しぶりに手を挙げてみました。
こちらはFacebookグループを使った勉強会になるので、参加者の方の声を拾いながら、授業を進めて行きたいと思います。
アーカイブは6月30日まで残りますので、当日参加できない人でもお楽しみいただけます。
参加料金は「800円」です。
参加ご希望の方は『BASE 煙突屋』で検索してください。
よろしくお願いします。
西野亮廣/Akihiro Nishino
1980年生まれ。芸人・絵本作家。モノクロのペン1本で描いた絵本に『Dr.インクの星空キネマ』『ジップ&キャンディ ロボットたちのクリスマス』『オルゴールワールド』。完全分業制によるオールカラーの絵本に『えんとつ町のプペル』『ほんやのポンチョ』『チックタック~約束の時計台~』。小説に『グッド・コマーシャル』。ビジネス書に『魔法のコンパス』『革命のファンファーレ』『新世界』。共著として『バカとつき合うな』。製作総指揮を務めた「映画 えんとつ町のプペル」は、映画デビュー作にして動員170万人、興行収入24億円突破、第44回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞受賞という異例の快挙を果たす。そのほか「アヌシー国際アニメーション映画祭2021」の長編映画コンペティション部門にノミネート、ロッテルダム国際映画祭クロージング作品として上映決定、第24回上海国際映画祭インターナショナル・パノラマ部門へ正式招待されるなど、海外でも注目を集めている。
●国内最大となる、5.8万人の会員数を誇る有料会員制コミュニティー(オンラインサロン)「西野亮廣エンタメ研究所」はこちら。
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