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2022.02.11

【西野亮廣】「お金が絡んでくるテクノロジーの話」を、「お金稼ぎの話」としか聞けな人は、一歩も前に進めない──連載「革命のファンファーレ2」Vol.29

毎度お騒がせしております。キングコング西野です。今回の記事は、毎朝voicyという音声メディアで配信している「#西野さんの朝礼」でお話したことから、編集して紹介させていただきます。(※今回の記事を音声で楽しみたい方はコチラ

今日は「これからの時代に取り残される人の2つの共通点」というテーマでお話ししたいと思います。

【連載「革命のファンファーレ2~現代の労働と報酬」】

第29回 これからの時代に取り残される人の2つの共通点

西野亮廣

情報の分断が進む中、これから苦労するスタンス

「これからの取り残される人の共通点」というのは、少しだけ変な言い回しですが、つまり、「今までは、それで通用したかもしれないけどね」です。

この1〜2年は、かなり情報の分断が進んだと思っています。
「NFT」「Web3」「メタバース」… 何それ? 美味しいの? …という人が実際に結構いると思います。

僕自身、NFTで絵本ページオーナーみたいなのを仕掛けた時に、「理解している人」と「理解していない人」がいて、さらには、「理解しようとしている人」と「理解する気がない人」を目の当たりにしました。
そして、「理解する気がない人」が、開き直っていく様子も見ました。

ブロックチェーンに端を発した、このインターネットの第3波は、起業家やメディアの人間だけのものではなく、僕たち一人一人の生活にゴリゴリに絡んでくる内容なので、学ぶことを放棄してしまうと、それなりのダメージを喰らうと思います。
「俺、インスタグラムはやってへんねん」という話とはワケが違って、どちらかというと「新しい生活インフラを使うor使わない」の話。
「電車や車とか、よく分からへんから、俺は乗らない」みたいな話です。
「大丈夫? 全部歩いて行くの?」みたいな話です。

そんな感じで、「ああ、この人、このスタンスだと苦労するだろうなぁ」というタイプがいて、主に2つなんですけども、一人目は「新しい情報が、お金稼ぎの話にしか聞こえない人」です。

「新しい技術の話が、お金稼ぎの話にしか聞こえない人」

「ブロックチェーン」とか「NFT」というワードを会話の中に入れたら、必ず「金の話ですか? 僕、そっち側の人間じゃないんで」みたいなポーズをとっちゃう人がいるんですけど、「ブロックチェーン」も「NFT」も、お金の話じゃないんです。
「ブロックチェーン」や「NFT」を使って、お金を動かしたり、生み出したりすることもあるだけの話で、あくまで「技術」の話であり、「人類の進化」の話です。

だけど、特に日本人はお金の教育を受けていないから、全員が全員じゃありませんが、会話の中に「お金」に絡むワードが入っただけで「お金稼ぎ! 汚い!」というヒステリックな反応を起こしちゃう。

前回の連載でも、オンラインサロンの方でも「NFTの今」について書いたのですが、このことを説明する上で「お金の成り立ち」の説明は欠かせなかったんですね。
「『お金』というものがどうやって生まれたか?」という話です。

この話、最初から最後まで「お金の話」をしていますが、「お金稼ぎ」の話は1ミリもしていないんです。

「お金を、お金たらしめているものは何か?」ということを掘り下げていくと、「人間って面白いなぁ」という結論になるのですが、この話にしたって、聞く人によっては「ずっと、お金稼ぎの話をしている!」となってしまって、蓋をしてしまう。

「お金が絡んでくる可能性があるテクノロジーの話」を、「お金稼ぎの話」としか聞けなくて、蓋をしてしまったら、もう一歩も前に進めないので、ここは気をつけた方がいいと思います。

「今の自分の活動に転用できないからといって、情報をシャットアウトしてしまう人」

次に、「この感覚でいる人は、これからの時代、かなりアウトだろうなぁ」というのが、「自分に転用できない情報をシャットアウトしてしまう人」ですね。

これ、人に話していて、メチャクチャあるんです。
NFTの話をしていても、「まぁ、私の生活には関係ないし」みたいな。
心当たりある人もいるんじゃないでしょうか?

じゃあ、聞きますが、皆さん。
必死で思い出してください。
Twitterを始める時、自分の生活の役に立つと思って、始めました?
SNSが何なのかも、よく分からない時代です。
「つぶやく?」「なんで、わざわざ呟くの?」「リツイートって何?」「引用リツイートって何?」「返信とは違うの?」「ブロック?」「ミュート?」「何それ?」という状態だったと思うんです。
たぶん、「まわりが始めているし、まだ何なのか、何の役にたつのかも分からないけど、とりあえず始めてみた」という人がほとんどだったと思います。

でも、今、どうですか?
Twitterのおかげで助かっているでしょ?
Twitterという概念がなければ、インスタグラムも理解できなかったかもしれない。
Clubhouseが来たときに「音声のSNS」という触れ込みでしたが、それにしたって「SNS」を経験していたから、すぐに受け入れることができたわけで、あの日、あの時、
「Twitter? 何それ? 私の生活に何の関係があるの?」と言って蓋をしていたら、今頃、とんでもない遅れをとっていたと思います。

今、「ブロックチェーン? NFT? 何それ? 私の生活に何の関係があるの?」と言っている人は、まさにそれですね。
「自分の生活に転用できるかできないか?」で情報の仕入れを判断するのではなくて、先々、かなりの確率で転用することになるから、とりあえず、一回の説明で理解しきれなくても全然いいから、Twitterを始めた時みたいに、まずは手探りで触ってみることをオススメします。

今日の話を整理しますね。
これからの時代に取り残される人の共通点は2つ。
1つ目は、「新しい技術の話が、お金稼ぎの話にしか聞こえない人」。
2つ目は、「今の自分の活動に転用できないからといって、情報をシャットアウトしてしまう人」。

どちらかに心当たりがあったら、ソッコーであらためてください。
ものすごく面白い未来が来ています。

※こちらの配信もどうぞ!
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西野亮廣氏ポートレイト

西野亮廣/Akihiro Nishino
1980年生まれ。芸人・絵本作家。モノクロのペン1本で描いた絵本に『Dr.インクの星空キネマ』『ジップ&キャンディ ロボットたちのクリスマス』『オルゴールワールド』。完全分業制によるオールカラーの絵本に『えんとつ町のプペル』『ほんやのポンチョ』『チックタック~約束の時計台~』。小説に『グッド・コマーシャル』。ビジネス書に『魔法のコンパス』『革命のファンファーレ』『新世界』。共著として『バカとつき合うな』。製作総指揮を務めた「映画 えんとつ町のプペル」は、映画デビュー作にして動員170万人、興行収入24億円突破、第44回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞受賞という異例の快挙を果たす。そのほか「アヌシー国際アニメーション映画祭2021」の長編映画コンペティション部門にノミネート、ロッテルダム国際映画祭クロージング作品として上映決定、第24回上海国際映画祭インターナショナル・パノラマ部門へ正式招待されるなど、海外でも注目を集めている。

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TEXT=西野亮廣

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