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2021.10.05

“ラグビー界の伝説”リッチー・マコウ。驚きのセカンドキャリアとは?【独占インタビュー】

スポーツ界のスーパースターは数あれど、引退と同時にこれほど華麗な転身をとげた人は珍しいだろう。2011年、’15年のラグビーワールドカップで、ニュージーランド代表オールブラックスのキャプテンとして2連覇を達成したリッチー・マコウさん(40)。ワールドカップで2度、キャプテンで優勝を達成したのは史上唯一。猛タックルと抜群の統率力で世界を制圧した闘将は、なんと現役引退後、パイロットに転身し、祖国ニュージーランドを空から見守っている。スポーツとパイロット。男女を問わず憧れのステータスをともに手にしたマコウさんの現在のライフスタイルをスポーツライター・大友信彦氏による独占インタビューで解き明かす!

ラグビー選手からパイロットに転身したリッチー・マコウさん(インスタグラム @richiemccaw より)

商業用のヘリコプターと飛行機のパイロット

ピッチの支配者から空の統率者へ。華麗な転身を果たしたマコウさんは現在、どんなライフスタイルを送っているのだろうか。

「5年前にラグビーを引退してからは、商業用のヘリコプターと飛行機のパイロットを仕事としています。主な業務は観光ヘリコプターの遊覧飛行です。ニュージーランドの雄大な自然の風景や、美しい街並みを、空から紹介しています。ご搭乗頂くのは概ね半分がニュージーランド国内、半分は国外からのお客様でしたが、コロナによって海外からのお客様は減ってしまいました。半年ほど前からは、ニュージーランド政府観光局の国内プロモーションに協力し、ニュージーランド国民に向けて、ニュージーランドという自分たちの国の魅力をPRする仕事をしています。国内を旅してもらうためにですね。コロナが終息して、国境が開いたら、また海外からのお客様も案内したいと思っています。日本からのお客様もお待ちしていますよ(笑)」

オールブラックスの顔として長らくチームを牽引したマコウさん(中央)。(インスタグラム @richiemccaw より)

観光遊覧飛行のパイロットがニュージーランドの英雄マコウさんだったと知った時、お客さんはどんな反応をするのだろうか。驚愕するのではないだろうか。

「それは、いろんなケースがあります。私がパイロットにいると分かって訪れてくれるお客様もいるし、たまたま乗ったお客様が私の顔を見てびっくり! ということもある。アメリカのお客様なんかは私のことをまったく知らないことも多いです(笑)」

ニュージーランドといえば自然景観が豊かな国として知られる。パイロットであるマコウさんに、おすすめフライトコースを聞いてみた。

「ニュージーランドの景色には本当に、飛ぶたびに毎回感動する。その景色を見た人は誰もが笑顔になります。それを見るのが私にとっても幸せです。おすすめのコースは……私の場合はどうしても南島にバイアスがかかってしまうけれど(笑)、クライストチャーチとセントラル・オタゴかな。クライストチャーチからは美しい山々と、空から見たワイナリー、街並みの景色が素晴らしい。南島の南東にあたるセントラル・オタゴからは、ダイナミックな景色が楽しめるし、動物も見ることができる。これはニュージーランド全体に言えることだけど、ちょっと足を伸ばすだけで違う景色、違う魅力を発見することができるんです」

ニュージーランドの世界遺産マウントクック©Miles Holden

クライストチャーチの街並み

世界最高のラグビー選手からパイロットへの転身。ラグビー選手の経験は、パイロットの仕事に役立っているところはあるのだろうか。

「共通していることは多いと思う。ピンチに陥ったとき、冷静に自分の状況を観察して、そこをどう乗り越えるのか、そのプロセスを楽しむこと。いつもクールにいることを心がけることだね」

プライベートな時間はどう過ごしているのだろう。

「ラグビーは2015年ワールドカップの決勝以来プレーしていない。子どもが女の子2人ということもある。彼女たちが生まれたことで生活はだいぶ変わったよ。ワイフがホッケー選手なので、子どもたちもそっちに傾いていくのかなと思っている。自分自身はトレッキングやマウンテンバイクなどのアウトドアスポーツで体を動かすようにしている。アドベンチャー系のスポーツを組み合わせた競技会に参加したりもしている。自転車は、ダウンヒルよりも坂を登るのが好きだな(笑)」

2017年、ホッケー選手のジェマ・フリンさんと結婚。(インスタグラム @richiemccaw より)

休日はマウンテンバイクやトレッキングを行う。(インスタグラム @richiemccaw より)

ワールドカップ2大会で母国を優勝に導いたマコウさんはニュージーランドの国民的英雄と呼ばれる。ニュージーランドという国にとって、ラグビーとは、そしてオールブラックスとはどんな存在なのだろうか。

「ラグビーは長年にわたってニュージーランド国民にとって重要なスポーツであり、オールブラックスは国民の象徴でもあります。長い歴史があり、強さが伝説にまでなっている。もうひとつ、強さのもとにあるのは多様性だと思う。先住民のマオリの人々、フィジーやトンガ、サモアなど南太平洋の島々から来た人々、ヨーロッパから来た人々……そういう多文化、多様性が、何がベストなのか、何ができるのか、という発想の豊かさにつながり、強さを作っていると思う。それがあるから、誰がスターか、誰が優れているかということよりも、チームとして何がベストなのかというチーム最優先の文化が作られ、オールブラックスを強くしているのではないかと思う」

やはり、ニュージーランドへ行くチャンスがあったらオールブラックスの試合も見なければいけない。

「もちろんオールブラックスの試合を見てもらえたらいいけれど、いつも試合があるわけじゃない。でも、いいスポットがあるんだ。オークランドの中心部にあるスカイシティに、半年前(2020年12月)に『オールブラックスエクスペリエンス』というアトラクション施設がオープンした。45分間のガイドツアーで、オールブラックスの歴史や知識を学べて、ホログラムでハカを目の前で見ることができる。オールブラックスと一緒にラグビーを体験する感覚も味わえるんだ」

『オールブラックスエクスペリエンス』

最後に。ニュージーランドを訪れたら何を食べればいいのだろうか?

「まずはワインだね。ニュージーランドでは全国どこへ言ってもワイナリーがある。レストランも地元の食材を使った、クオリティの高いレストランがたくさんある。日本でもニュージーランドの牛肉、ラム肉がおいしいということは知られてきたと思うけど、他にもおいしいものはたくさんある。特にシーフードはおすすめです。それぞれの地域に、ローカルの素晴らしいワインやレストランがあるので、その地域ごとのいい店の情報を聞いて、訪ねて、雰囲気を味わってほしい」

ニュージーランドのワイナリー©NZW Inc. Misha’s Vineyard

コロナが終息したらぜひニュージーランドへ行き、マコウさんおすすめのスポットを巡りたい。もちろん、オールブラックスの試合も見て、遊覧飛行にもチャレンジしたい。

Nobuhiko Ohtomo
1962年宮城県気仙沼市生まれ。早稲田大学第二文学部卒業。’85年からフリーランスのスポーツライターとして『Sports Graphic Number』などで活動。’87年からは東京中日スポーツのラグビー記事も担当し、ラグビーマガジンなどにも執筆。ラグビー専門WEBマガジン『RUGBYJAPAN365』スーパーバイザー。著書に『再起へのタックル』(洋泉社)、『ザ・ワールドラグビー』(新潮社)、『奇跡のラグビーマン 村田亙』(双葉社)、『釜石の夢~被災地でワールドカップを~』、『オールブラックスが強い理由』(講談社文庫)、『読むラグビー』(実業之日本社)など、編書に『五郎丸歩 不動の魂』など多数。

ニュージーランド政府観光局のメッセージ動画に日本のラグビー界を代表する姫野和樹選手と伝説のラガーマン、リッチー・マコウさんが共演

「ニュージーランドの旅を想像しよう」メッセージ動画公開中!

TEXT=大友信彦

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