上質の着物があれば、料亭や花街、伝統芸能の世界も少し身近になる。京都の流儀を実感すべく、「ゲーテ」編集長・池上雄太が西陣織の老舗を訪ねた。そして今回は、京都での旅をより充実させる、読者のための特別な会員制サロン「室町倶楽部」の魅力をご紹介。
着物を身に纏うことは美意識をトレーニングする第一歩
平安の時代から、1200余年もの長きにわたって日本人が日常的に身に纏ってきた着物。そこには伝統工芸の技はもちろん、日本人が大切にしてきた美意識など、多くの知恵と工夫が詰まっている。
「着るだけで、いにしえの時代にタイムスリップできたり、普段は行かない場所に挑戦できたり、いろんな体験ができます。いわば、着物は非日常の世界に踏みこむスイッチなんです」と話すのは、西陣織の老舗「細尾」の12代目当主・細尾真孝さんだ。
着物に興味はあるが、どんなふうに誂え、どう着ればいいかと迷う人が案外多いのが現状。今回、「細尾」を訪ねたゲーテ編集長の池上雄太もまさにそうで、さすがに東京のイベントやパーティに着物で出かけるのはハードルが高く、「着物をさり気なくカッコよく着こなせればとは思いますが、着物の質や着方、立ち居振る舞いなどにもよほど自信がないと難しいかも」と話す。
けれど、実際には最初に教えてくれる人がいれば、それほど着物は難関ではない。初めてという人こそ、「京都で着物の本質を経験し、日本人としての美意識や教養を身につけていくのが、人生を愉しむ近道になる」と細尾さんは教えてくれる。
例えば「細尾」では、会員制のサロンを持ち、しばしば文化イベントを行っている。茶道宗家の茶人のお点前や講話を聴き、その後名店の茶懐石を味わう。他にも、歴史ある窯元の工房で作陶を見学してお茶を味わう。
代々にわたって、天皇家の着付けを行う家の話をうかがう機会もあるそうだ。いずれのイベントも着物で参加する人が多いという。
「着物を纏うと丹田に自然と力が入ってすっと背筋が伸びるんです。つまりソフトに体幹を鍛えることになるんですね」と細尾さん。洋服とは違った所作なども身についていくそうだ。
今回、ゲーテは細尾さんの全面協力のもと、読者のための特別な会員制サロン「室町倶楽部」を発足。一般客は入れない「細尾」のサロンで着物や帯、小物などをフルオーダーし、着付けを学ぶ。仕立てあがった着物は、温度や湿度も管理した「着物セラー」で保管してもらい、必要な時に出してもらう。「細尾」が開催するさまざまな文化イベントに参加もできるというから、京都旅がより充実したものになるはずだ。
まずは池上が、細尾さんに見立ててもらい、反物選びを体験。人間国宝の作品や世界にひとつしかない草木染めの着物や手織りの帯にふれた。
「京都でブランドのレセプションがある時は、ぜひ着物で参加したい」と池上。自分の一着を持つことが自信や新たな発信につながりそうだと言う。
「室町倶楽部」で着物を仕立て、遊びから学ぶ
「細尾」とゲーテが発足した「室町倶楽部」。誂えた着物を纏い、当主と共に文化を体感するここでしかできない特典も用意。
「室町倶楽部」会員特典
参加費¥2,200,000
1:着物誂え
2:着付け講習
3:細尾サロン(会員制)の利用
4:HOSOO RESIDENCEの利用
5:着物の保管・メンテナンス
6:文化を体感できる、唯一無二のイベント
(※6は別途実費をご負担いただきます)
2022年10月19日(水)に説明会を実施。
時間:19:30〜
場所:都内某所(お申し込みの方にお知らせいたします。)
着物を纏い町に出よ!
ここからは、着物を着て愉しむ、粋な京都の歩き方4選をご紹介!
1.花街を歩く晴れがましさも着物なら颯爽と!
2.芸舞妓さんとの宴は由緒ある場所で
3.茶会に着物で臨む凛と厳かな時間を過ごす
4.パーティや祝賀会も着物で海外の友人にも一目置かれる存在に
Illustration=岡田成生