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2023.07.24

「試合は気温40℃!?」世界を揺るがす、サウジアラビアサッカーの“秘密”を現地取材!

PSG、インテル、世界の強豪国が来日して、2023年7月25日から試合を行う。なかでも注目は、破格の年俸でクリスティアーノ・ロナウドを獲得したアル・ナスルだ。話題のサウジアラビアリーグとは一体? 現地を訪れた。

C.ロナウドが所属する、アル・ナスルのホームスタジアムを訪ねた

サウジアラビアの首都リヤド郊外にあるキング・ハーリド国際空港でタクシーをつかまえ、中心部を目指す。偶然なのか、ドライバーがナビ代わりに取り付けているタブレットに、アル・ナスルのユニフォームを着たクリスティアーノ・ロナウドの写真がうつっていた。

「ロナウドのファンなのですか? アル・ナスルのファンなのですか?」

片言の英語で話しかけると、ドライバーも片言の英語で返してきた。

「両方だよ。もともとチームのファンだったけど、去年ロナウドが来てからもっと好きになった。暇さえあれば試合を見に行くんだ」

「今年は他のチームにもすごい選手がたくさんやってきますね」

「アル・イテハドにはベンゼマとカンテが来るし、アル・ヒラルにはクリバリが来る。サウジリーグはものすごく盛り上がるよ。いまからシーズンが始まるのが楽しみで仕方ないんだ」

その後もドライバーは、アル・ナスルとロナウドの素晴らしさについて語り続けた。私は、スタジアムやファンが集まるショップの情報を彼に聞き、少し多めにチップを払ってタクシーを降りた。

メッシ2年1800億円、久保建英4年250億円、破格の移籍金提示

現在、来日中のアル・ナスル。サウジアラビアリーグの強豪とはいえ、去年までその名を知るサッカーファンはそう多くなかっただろう。だが、ひとりのスーパースターが移籍したことで俄然注目を集めることになる。クリスティアーノ・ロナウド。UEFAチャンピオンズリーグで7度の得点王に輝き、バロンドールを5回獲得した彼が、名門マンチェスター・ユナイテッドから移籍したのがこのアル・ナスルだった。

この移籍で注目されたのが、その破格の年俸。マンU時代の年俸は約45億円と言われていたが、アル・ナスルが提示した金額はなんと推定280億円。このロナウドの移籍に刺激を受けたのか、今シーズンはサウジアラビアのライバルチームも積極的な補強を開始。ヨーロッパリーグで活躍するスター選手をそれぞれ5〜10倍の年俸で獲得し、いままさに世界のサッカー地図を塗り替えようとしている。

メッシに2年1800億円、モドリッチに3年900億円、久保建英に4年250億円……交渉は成立しなかったものの、聞こえてくるのは凄まじいほどの“札束攻勢”。奇しくも今回のジャパンツアーで対戦するパリ・サンジェルマンのスーパースターであるネイマールやエムバペにもサウジアラビアのチームから破格のオファーが届いているという情報もある。いま、サウジアラビアのサッカー界になにが起きているのか? その秘密を知るべく、灼熱のサウジアラビアに飛んだのだった――。

ホームスタジアムを持つチームは、アル・ナスルのみ

スタジアム内にあるアル・ナスルのロッカールーム。その真ん中あたりに位置するのが「7」クリスティアーノ・ロナウドの指定席だ。

「このスタジアムの収容人数は約24,000人です。ロナウドが来るまでは毎試合70〜80%の集客率でしたが、彼が来てからは毎試合100%。海外からの観客も増えていますし、国内のファン層も大きく広がり、ファンクラブの会員も大幅に増加しました」

午前9時、リヤド市内にあるアル・ナスルのホームスタジアム、キングサウード大学スタジアムを訪ねると、スタジアムディレクターのアブドゥラジス・アルクァタニさんが出迎えてくれた。ちなみにこの時間で外気温は40℃ほど。昼間には45℃を超える。夏場のサウジアラビアでは、多くの人が午前中早めと夜にしか活動しない。

「サウジアラビアリーグでホームスタジアムを持っているのは、アル・ナスルだけなんです。他のチームはいろいろなスタジアムを転戦しますが、私たちはここをホームとして戦うことができる。そのぶん、有利だと思っています」

相当ラグジュアリーなスタジアムなのではないかと思っていたが、想像していたほどではなかった。それでもやはりVIP用のスペースは、充実している。4段階あるというホスピタリティスペースは、飲食はもちろん、なにより大切な空調設備が整っている。

「シーズンが始まるのは8月末から。試合は夜行われますが、それでも40℃近い気温です。選手も大変ですが、観客も大変。王室やセレブリティの方は、冷房が効いたガラス張りの部屋から観戦します」

充実のVIPスペースに潜入!

外は40℃を超える暑さでも冷房の効いたガラス張りの部屋なら快適。ゆったりとしたシートで観戦できるこの部屋は王族などのセレブリティ用だとか。

そう言われてみると、観客席の上部はガラス張りの部屋がグルリと設置されている。ここでは涼しさがなによりの贅沢なのだ。対戦相手用のロッカールームや練習スペース、さらにはロナウドの名がしっかりと刻まれたアル・ナスルのロッカールームなどを見学。ピッチにも出てみたかったが、芝の養生中ということで足を踏み入れることはできなかった。

「この暑さで芝が枯れてしまわないように常に散水を行っています。それでも年間数回は全面的に入れ替えをして、ベストコンディションを保っているのです」

スタジアムの感想を正直に言うと、ちょっと拍子抜けした感じだった。たとえば、バルセロナのカンプノウスタジアムのように毎回10万人の観客が押し寄せ、熱狂する様を想像していたからかもしれない。だが、キングサウード大学スタジアムは、暑さやその対策をのぞけば、日本やヨーロッパにあるスタジアムと大差はなかった。24,000人しか入らないスタジアムで試合を行うチームが、なぜ選手に数百億円という年俸を払えるのか。その謎は残ったままだった。

[第2回に続く]

TEXT=川上康介

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