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2022.10.14

京の旦那衆が推薦する隠れ家的な名店「山の麺処」

京都に生まれ、京都で育ち、今も暮らす生粋の京都人、服部織物 若主人の服部一正さんに、足しげく通う場所、思い入れのある品を教えてもらった。京の旦那衆のとっておきの京都とは──。【特集 京都の秘められしスポット】

山の麺処

着物姿で楽しめば、より深い京都を感じられる

京都は至るところに美意識がちりばめられている町です。石畳や町並み、坪庭や植栽、家屋の佇まい、伝統を守りつつ革新する新旧の融合の仕方などなど。日常の生活のなかにきめ細かな美意識がとけこんでおり、そこに「言葉では言い表せない心地よさ」を京都人は感じているのです。

京都には老舗も多く、その佇まいから最初はとっつきにくいと感じるかもしれません。けれど、時間が許されるなら、老舗を訪れた際に、その歴史や歩みをたずねてみてください。きっと、お店それぞれの工夫や苦労などもあって、それは現代人の私たちにとってもよいヒントになるはずです。

私は他府県の方に「人知れない名所を教えてほしい」とたずねられたら、北山杉の里や北区中川など京都の洛北をお薦めしています。茶室の床柱に使われる北山杉が、整然と植えられた姿は素晴らしい。宗蓮寺からの眺めは東山魁夷の画のモデルにもなったそうです。

同じ中川にある『山の麺処』も隠れ家的なお店。築150年の古民家で自然の風景を楽しみながら雑穀麺などをいただけます。

最後にお薦めしたいのが、着物への挑戦です。着物を纏ってお出かけいただくと、不思議とどんな町並みにもなじみ、心も浮き立ちます。京都をより深く、けれど身近な気持ちで楽しんでいただけるのではないでしょうか。

山の麺処
住所:京都府京都市北区中川北山町100-1

服部一正氏

KAZUMASA HATTORI
京都生まれ。1788年創業、西陣の織屋の若主人。2004年に男性きもの「龍言」を立ち上げ、「男子きものを羽織る会」を結成。文化を継承すべくデザイナー、プロデューサーとして活動。

【特集 京都の秘められしスポット】

Illustration=岡田成生

TEXT=中井シノブ

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