プロは「パンッ」、アマチュアは「ドスッ」。上手にバンカーショットを打つコツ&練習法

世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子・吉田洋一郎による、最新ゴルフレッスンコラム37回目。多くのアマチュアゴルファーを指導する吉田洋一郎コーチが、スコアも所作も洗練させるための技術と知識を伝授する。
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耳をすませばバンカーは上達する

グリーン近くのガードバンカーから脱出するショットでは、砂の上から高い球を打たなければならないので、どうしても力が入りがちだ。思いきり振り下ろして「ドスッ」という音とともにほとんどフォローが取れず、高さも距離も出ないアマチュアが多い。それを嫌がるとボールだけをクリーンに打ってしまい「カーン」という乾いた音のトップが出てしまう。

プロはゆったり振って「パンッ」という音とともに砂が飛び散り高いボールが出る。ではこの「パンッ」と「ドスッ」、動きにはどんな違いがあるのだろうか。

砂がボールを押し出す

バンカー内のボールは、フェアウェイやラフと違ってボールと地面の間に隙間がない。クラブヘッドがボールを拾うことができないので、ボールの下にある砂を飛ばして一緒にボールを上げる。これがバンカーショットの仕組みだ。

アマチュアの「ドスッ」というショットはボールを砂ごとグリーンに運ぼうとして、過度にクラブヘッドを砂に打ち込んでいる場合に起きる。リーディングエッジを打ち込んでボールの手前の砂ごとかき出すイメージを持っている人がいるが、これではバンカーから出すことはできるかもしれないが寄せることは難しい。

バンカーショットで使うのはソール面。ウェッジにはここにバウンスというふくらみがあり、そのふくらみで砂を叩くのが正しい。この時にバウンスが砂をはじくので「パンッ」だったり「タンッ」といった小気味良い音がする。この音をよく覚えておこう。

バウンスを使うためにはフェース面は上を向いてなくてはならない。ボールの下をクラブヘッドでだるま落としをするようなイメージで振ってみよう。通常のショットではフェース面がボールを押すためボールの後をヘッドが追いかけるが、バンカーショットではヘッドが先に抜けてボールがそのあとを追う形になる。バウンスを滑らせながらボールの下にある砂を払い打ち、ボールを真上に飛ばすイメージだ。このイメージさえ持てていれば、ヘッドが砂に埋もれることはなく、1発でグリーンに乗せることができる。

グリーンのセッティングが違うので、プロのように高い球でスピンが効いた球を打つ必要はないが、このバンスを使う打ち方をマスターすることで距離とスピンのコントロールが向上し、バンカーショットの再現性が高まる。

バンカーショットの練習方法

このようにバンカーショットはボールを直接打たない。つまりボールがなくても練習することができるショットだとも言える。ソール部分をどこに落とすか目標を決めて、その部分を掃くように行う素振りが時間もお金もかからないもっとも効率の良い練習法だ。

バンカー練習場があってもボールはいらない。砂の上に飛球線に対して直角に線を引き、その線にソールを落とす。これなら連続素振りができるので動きが身につきやすくなるし、ボールを拾いに行く必要がないため短い練習時間で済む。

この時、インパクトでヘッドが手元を追い越していく感覚があるといいだろう。バンスを使ったバンカーショットではグリップエンドよりもヘッドの運動量を多くする必要がある。

今までハンドファーストでリーディングエッジを砂に打ち込んでいた人は手打ちに感じるかもしれない。その違和感はヘッドの運動量が増えた結果感じるものなので問題はない。むしろ、その違和感を感じられるように練習をするといいだろう。

砂の上での素振りの際も、しっかり耳をすませてほしい。「パンッ」の音が多くなれば、成功の確率が上がっている証だ。

次回に続く

Text=吉田洋一郎 Photograph=小林 司 Cooperation=取手桜が丘ゴルフクラブ



吉田洋一郎
吉田洋一郎
欧米のゴルフスイング理論に精通するゴルフスイングコンサルタント。世界4大メジャータイトル21勝に貢献した世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターを2度にわたって日本へ招聘し、世界一流のレッスンメソッドを直接学ぶ。また、欧米の一流インストラクター約80名に直接学び、世界中のスイング理論を研究。海外ティーチングの講習会、セミナーなどで得た資格は20以上にのぼる。シングルを目指すアマチュア、トップアマ、ツアープロまでアスリート志向のゴルファーを指導。2019年ゴルフダイジェスト・レッスン・オブ・ザ・イヤー受賞。
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