頭は残すべき? 無理に残さぬべき? ショートゲーム成功のカギは頭の動かし方にあった。

世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子・吉田洋一郎による、最新ゴルフレッスンコラム33回目。多くのアマチュアゴルファーを指導する吉田洋一郎コーチが、スコアも所作も洗練させるための技術と知識を伝授する。  
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アプローチでは頭を残さない

アマチュアが1つのホールで大たたきをする要因は、ティーショットもしくはグリーン上及びその周辺での連続ミスだ。特にアプローチやパッティングでの連続ミスは、飛距離を必要としないカップに近い距離だけにメンタル面に及ぼす影響も大きい。

このアプローチとパッティングの成功のカギを握るのは頭の使い方だ。と言っても頭の中身(考え方)ではなく、頭の動かし方の話だ。ヘッドアップをしてはいけないと思って、すべてのショットで頭を残そうとするアマチュアもいる。が、アプローチでは頭を残さず体の回転に合わせて動かしていくべきだ。逆にパッティングでは頭を固定し、上半身のみの回転でストロークをさせていく。

アプローチは下半身の動きやクラブヘッドの動く範囲はフルショットよりも小さくなるが、その中で力感をゆるませることなくしっかりとスイングする必要がある。そのためには腰から上がスムーズに動かなくてはならない。頭を必要以上に残してしまうと、上半身の回転が制限されトップが上がりにくくフォローも小さくなってしまう。体の動きが少なくなることで手や腕に頼らなければならなくなり、打点や軌道が不安定になる。

前傾角度に悪影響を及ぼすような過度なヘッドアップだとトップが出る可能性が高くなるが、それさえ気を付けておけばスイング中に頭を固定することや残すことを意識する必要はない。

今までアプローチで頭を残そうとしていた方は、まずは20ヤードのチップショットで頭を残そうとせずに振ることを体感してほしい。フィニッシュで顔とおへそを目標に向けるようにすれば体の動きに頭が連動して動く感覚がつかめるだろう。

パッティングは頭を固定する

パッティングは距離を出す必要がないため、アプローチショットに比べて体の回転はより小さくなる。振り幅が小さくミリ単位での正確性が要求されるため、頭を固定し再現性を高める必要がある。頭を固定することで回転軸がブレにくくなり、ヘッド軌道や打点も安定する。下半身を固定するのも同じ理由だ。パットで動いていいのは上半身だけだ。

上半身の回転だけでストロークする感覚を養うために頭を壁につけてパターの素振りをしてみるといいだろう。更にお尻にイスを置いて下半身も動かないようにすれば上半身だけを独立して動かす感覚がわかる。

短い距離では振り幅が小さいので上半身の回転だけで打つことができる。しかし、長い距離では状況が変わってくる。冬の時期は芝が薄く地面が硬くなっているため、グリーンに乗っていなくてもパターを使って打てる状況が増える。グリーン面まで2m以内で、途中に大きな起伏などがなければ、基本的にはミスの確率が低いパターを使うべきである。

この際に注意したいのが振り幅だ。グリーン上のパッティングより強い球を打たなくてはならないが、振り幅を大きくするのは時計の7時から5時の間に収めるようにする。それ以上振り幅が大きくなってしまうと、スイングの軸がぶれてしまいミスヒットになる可能性が高くなる。

もし7時から5時のストロークでは距離が足りないようなら、ストロークのテンポを速めてヘッドを速く動かそう。そうすれば振り幅はコンパクトなまま、距離を伸ばすことができる。インパクトだけ力を入れるのではなく、ストローク中はヘッドは等速にテンポを速くするのが良い。

次回に続く

Text=吉田洋一郎 Photograph=小林 司 Cooperation=取手桜が丘ゴルフクラブ


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吉田洋一郎
吉田洋一郎
欧米のゴルフスイング理論に精通するゴルフスイングコンサルタント。世界4大メジャータイトル21勝に貢献した世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターを2度にわたって日本へ招聘し、世界一流のレッスンメソッドを直接学ぶ。また、欧米の一流インストラクター約80名に直接学び、世界中のスイング理論を研究。海外ティーチングの講習会、セミナーなどで得た資格は20以上にのぼる。シングルを目指すアマチュア、トップアマ、ツアープロまでアスリート志向のゴルファーを指導。2019年ゴルフダイジェスト・レッスン・オブ・ザ・イヤー受賞。
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