回転? 体重移動? 上下動? どれで飛ばすのが正解? ~世界No.1コーチ愛弟子・吉田洋一郎

世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子・吉田洋一郎による、最新ゴルフレッスンコラム10回目。顧客の多くが国内外のエグゼクティブ、有名企業の経営者という吉田コーチが、スコアも所作も洗練させるための“技術”と“知識”を伝授する。
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上下動=NGな動きではない

少し前までスイングの上下動は、よくない動きとされてきた。ゴルフ歴の長い人は「起き上がっている」とか「沈み込みが大きい」というようなアドバイスを一度は耳にしたことがあるだろう。

確かにアドレスの時点から伸び上がればトップが出そうだし、沈み込めばダフリそうだ。上下動よりその場で回転をしたり、左右に体重移動をしたほうがインパクトでクラブが正確に戻ってきそうだし、飛ばしの効率もよさそうに思える。

しかし今、PGAツアーのトップ選手たちはこの上下動を積極的に使って飛距離を出している。

トーマスもワトソンも上下動を行っている

昨年PGAツアーの年間王者に輝き、今年も賞金ランクでトップを走るジャスティン・トーマスや、飛ばし屋として知られるバッバ・ワトソン、ダスティン・ジョンソンなどいずれも平均飛距離が310ヤードを超える飛ばし屋たちのスイングに注目してほしい。

彼らはスイング中に積極的にひざを伸縮させている。テークバックで右ひざを伸ばし、切り返しのタイミングに合わせてひざを曲げる。そしてひざが曲がった状態から強く地面を踏み込み、インパクトでは両ひざがピンと伸びた状態になっている。これは飛距離を出すために回転のスピードを上げる動きだ。

ヘッドスピードを上げるための回転というと、腰や上半身を回す動きを連想するはずだ。しかし上下動を積極的に行っている選手は、肩を高速に縦方向に回すことでヘッドスピードを上げている。イメージするためには、前傾角度を深くしたパッティングのストロークを思い浮かべてほしい。頭を固定して左肩を右肩を入れ替えるように動かすが、この肩の入れ替え(回転)を高速で行うのだ。

この形でヘッドスピードを上げるためには、ダウンスイングで左サイドを伸ばしクラブを引っ張り上げる動きが必要だ。そのためにはひざを伸縮させて地面を思い切り踏み込む必要がある。左足だけジャンプをするイメージだ。左だけ伸び上がれば右側はシーソーのように沈む。結果、クラブが高速に振り下ろされてヘッドが走るのだ。

ミスにつながる上下動とは

彼らはこの地面を踏み込む上下動の動きを入れながらも、高い再現性を持っている。上下に動きながらトップやダフリが出ないのは、適切な力の向きを理解し、アドレスで作った前傾角度を維持しているからだ。スイング中に頭の位置は動いてもよいが、上半身の前傾角度は変わらない。アドレスよりも角度が深くなるケースもある。

だが、安易に頭の位置を変えないことや前傾角度を意識すると力の向きが不適切になるので気を付けたい。特にバックスイングで上半身の前傾角度を意識しすぎることで、沈み込む動きにつながり下に力が向かってしまう。そうするとダウンスイングで上や目標方向に力が向かうため上半身が伸びあがったり、スウェーの原因となりダフリやトップが出る。足の動きによってバックスイングでは上、ダウンスイングでは下、インパクトでは上に力が向かうように意識をすれば上下の打点のミスは少なくなるだろう。

地面を踏み込む上下動の動きを使うと言っても、体全体を過度に沈み込ませたり伸び上がったりさせるわけではない。力の方向が上下するというのがポイントだ。体の横回転によって打つ理論もありどちらも正しいのだが、飛距離アップを目指すのであれば上下の力の使い方を取り入れることをお薦めする。

次回に続く

Text=吉田洋一郎 Photograph=小林 司 Cooperation=トータルゴルフフィットネス


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吉田洋一郎
吉田洋一郎
欧米のゴルフスイング理論に精通するゴルフスイングコンサルタント。世界4大メジャータイトル21勝に貢献した世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターを2度にわたって日本へ招聘し、世界一流のレッスンメソッドを直接学ぶ。また、欧米の一流インストラクター約80名に直接学び、世界中のスイング理論を研究。海外ティーチングの講習会、セミナーなどで得た資格は20以上にのぼる。シングルを目指すアマチュア、トップアマ、ツアープロまでアスリート志向のゴルファーを指導。2019年ゴルフダイジェスト・レッスン・オブ・ザ・イヤー受賞。
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