腰は「回す」? 「切る」? 正解は? ~世界No.1コーチ愛弟子・吉田洋一郎

世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子・吉田洋一郎による、最新ゴルフレッスンコラム14回目。顧客の多くが国内外のエグゼクティブ、有名企業の経営者という吉田コーチが、スコアも所作も洗練させるための"技術"と"知識"を伝授する。
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腰だけを動かすとヘッドは走らない

アマチュアのレッスンをしていると、腰の動きを気にしている人が多いことに気づく。回転のために腰を回したり、切ったりという意識を強く持っている人も多いのではないだろうか。

腰は体のパーツの中でも大きいため、動かす意識を持ちやすいということもある。肩甲骨を意識しろと言われると難しいが、腰を動かせというと割と簡単に感じるだろう。

しかし、腰を回したり切ったりすることを意識しているアマチュアのスイングは、上半身と下半身が同時に動いて振り遅れが発生したり、右手の過剰な動きと合わさってカット軌道になり飛距離をロスしていることが多い。

多くの人は腰を思い切り回すと、ダウンスイングからインパクトで左肩も開いてしまう。そうすると下半身と上半身の捻転差が生まれずヘッドは走らない。またフェースも開いたままボールにコンタクトしやすくなり、スライスの原因になる。

高速回転のカギは左足

腰を回すことを意識している人は、ダウンスイングで体の回転を速めたいという意図がある。しかし腰が本当に速く回るのは、回しているときではなく回されているときだ。

試しに下半身を固定して腰だけを回すのと、足裏の前後の体重移動を意識して体を回すのとどちらが速く体を回転できるか試してほしい。

下半身によって生まれた地面反力やトルクによって腰が回された時の方が速く回転できていることがわかるだろう。

腰が回される状態にするためにダウンスイングで最も重要なのは、切り返しで腰を回したり切ったりする前に下半身を先行させ「動きの順番」を適切にすることだ。この動きの順番が適切になることで足によって地面を使う準備ができる。そして、上下の捻転差が生じて上半身は「回される」ことができる状態となり、クラブは「振られる」状態になる。

体の回転を速め、切り返しで上手く捻転差を作るためには、左足の踏み込みが大事だ。回転を意識している人は、踏み込みのイメージを持つのが難しいかもしれない。そんなときはテークバックで左足のかかとを上げるヒールアップの形を試してほしい。切り返しのきっかけとして上げたかかとで地面を踏み込むと下半身から動き出す。そうすると上下の捻転差が生まれ、足を使って腰を高速に回転することができる。ダウンスイングでかかとを下ろしたら左足のかかとに体重をかけ続けるようにしたい。そうすることでよりスムーズに腰が回るだろう。

腰を単独で回転させる意識を持つと下半身と上半身が連動してセットで動いてしまう。飛距離もロスするし、すべてが同じタイミングで回っているのであまり格好が良いとは言えない。

腰は単独ではなく、足と上手く連動させることで回転力と捻転差が生まれ、効率が良いスイングになることを覚えておいてほしい。

次回に続く


Text=吉田洋一郎 Photograph=小林 司 Cooperation=トータルゴルフフィットネス


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吉田洋一郎
吉田洋一郎
欧米のゴルフスイング理論に精通するゴルフスイングコンサルタント。世界4大メジャータイトル21勝に貢献した世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターを2度にわたって日本へ招聘し、世界一流のレッスンメソッドを直接学ぶ。また、欧米の一流インストラクター約80名に直接学び、世界中のスイング理論を研究。海外ティーチングの講習会、セミナーなどで得た資格は20以上にのぼる。シングルを目指すアマチュア、トップアマ、ツアープロまでアスリート志向のゴルファーを指導。2019年ゴルフダイジェスト・レッスン・オブ・ザ・イヤー受賞。
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