生活様式が劇的に変化し、真の意味での「豊かなライフスタイル」が求められる昨今。新しい時代にふさわしいクレジットカードの選び方・使い方を、今一度考えてみたい。連載「新しい時代のお金の動かし方」最終回となる第12回は「次世代型カード」であるラグジュアリーカードが40~50代の富裕層ではなく、20~30代のミレニアル層をターゲットにしていることについて掘り下げる。
ミレニアル世代に憧れを持つ上世代の富裕層
日本参入6年目に突入し、新時代の到来とともに次々と斬新なサービスを展開するラグジュアリーカード。同社事業開発本部長の菊地望氏は2022年以降のビジネスにおける展望についてこう語る。
「月6本から10本、アプリでの配信を通してタイムリーな優待をご用意する。たとえば、ザ・ペニンシュラ東京やセントレジスホテル大阪で、会員にクリスマススイーツをプレゼントするなど、アプリ画面を見てわくわくするサービスです。そして、会員の6割以上が経営者層であることもあり、2022年は一層法人系の優待を強化したいと考えています。WeWorkと連携したサービスでは、メンバーシップの初回登録料金(1人あたり20,000円+税)を全額免除に加え、法人決済用GOLDカード会員様は月3回までお好きな拠点を無料でご利用できます。そういった取り組みなどによって、われわれはミレニアル世代が喜ぶようなサービスを提供したいと考えています」
通常の考えであれば、ステータスカードはすでに成功を収めた上世代の富裕層に支持されているプロダクトである。しかし、ラグジュアリーカードが最大のターゲットとするのは、20代~30代のミレニアル世代だという。同社のオンラインセールス&マーケティング本部長・児玉朋雄氏はその意図についてこう説明する。
「ラグジュアリーカードはこれまでのステータスカードの常識を覆すまったく新しいコンセプトで誕生しました。これからの時代を牽引するアクティブミレニアルをターゲットとし、彼ら彼女らの強いニーズである"自己実現"を目的とした成長欲や向上心を満たすための先進的かつ革新的サービスを展開していきたいと考えています。加えて上世代の富裕層には、若い世代への憧れもあります。実は、ミレニアル世代の成功者からのユーザーを獲得することは、上世代からの支持も獲得することに繋がるのです」
デジタルファーストのサービス設計で自分の欲求にすぐアクセスでき、自己実現のためにストレスのない快適でスマートな使い心地を堪能できる。上世代がこれまで体感してきた"消費"に比重をおいた表層的な体験でなく「自分らしく生きることの喜びに満ちた心豊かな体験」を新たなラグジュアリーとして定義する。ラグジュアリーカードは唯一無二の体験を提唱し、使えば使うほど自身が目指す豊かなライフスタイルに繋がっていくサービスを提供するのである。
「ミレニアル世代のお客様は、高い年会費を払って自分に投資をしたい方が多いのです。これまでも会員様だけを集めて美術館の学芸員さんが解説してくれるナイトミュージアムを開催したり、ワインを介したソーシャルアワーを何度も開いてきました。これからもラグジュアリーカードを持ったものだけしかできないような特別な体験の提供を強化していきたい。コミュニティによるイベントには常にラグジュアリーカードの社員がアテンドできるようにして、会員様同士の交流や関係構築を促し、他の業界と繋がりやすい環境づくりに努めたいと考えています」(菊地氏)
コロナ禍によるニューノーマルの時代に入り、お金の動かし方は大きく変容した。6年前の日本参入時より、次世代を見据えて様々なサービスを提供し続けてきたラグジュアリーカードはまさに時代にフィットし始めたブランドである。ブランド品の購入など単なる表層的な消費から、自己実現や他社との関係構築ができる体験型消費へ。次世代型カードはそんなライフスタイルとともにさらなる進化を遂げるのである。