生活様式が劇的に変化し、真の意味での「豊かなライフスタイル」が求められる昨今。新しい時代にふさわしいクレジットカードの選び方・使い方を、今一度考えてみたい。連載「新しい時代のお金の動かし方」第11回は昨年末にすべてのカードを横向きから縦向きにデザイン変更した理由について深堀りする。
金属製カードでは日本初の「縦型カード」
急速にニューノーマルが求められる時代に突入し、人々の価値観やライフスタイルは多様化した。そんな新時代のニーズに応えるべく、ラグジュアリーカードはデザイン一新に動き出した。氏名、クレジットカード番号、有効期限、セキュリティーコードなど各種情報をカード表面ではなく、すべて裏面に集約。金属製のカードでは日本初となるインパクトのあるデザインにした理由を、同社事業開発本部長の菊地望氏はこう話す。
「日本ローンチ5周年の記念として、アメリカ、中国に先駆けて縦型デザインを進めることになりました。早速、会員様より"既存の持っている横型を縦型に変えてみたい"という声が出るなど、すでにかなりの反響をいただいています。同じく昨年末に日本で先行的にローンチされた最上位カードのMastercard®️ Black Diamond™とともに、ラグジュアリーカード日本法人にとっての新たなチャレンジとなっています」
ひと目見ただけでシンプルでよりスタイリッシュなデザインとなった印象だが、この新しい時代に縦型にする意味とは何だろうか。その反響について、同社のオンラインセールス&マーケティング本部長・児玉朋雄氏が解説してくれた。
「以前まではお客様が店員さんにカードを渡して使用することも多かったですが、今はほとんどが自分でカードリーダーに入れてICチップで利用する使い方に変化してきている。そうなると、横ではなくて縦に差し込むことになりますから、"時代に適合したカード"という意見をいただいております。また、デザインに関しても時代に合ったミニマルで洗練されたデザインが大変好評です」
縦型デザインのローンチに合わせて、Gold Cardの新たな色の選択肢として「Rose Gold」を導入予定だ。華やかな輝きをまとうイエローゴールドカラーもいいが、よりシックで落ち着きのあるローズゴールドカラーは女性のみならず多くのビジネスパーソンにとって重要視される"エレガンス"を演出できるのだ。
これまでの全10回の連載の中でも様々な斬新なサービスを紹介してきたが、なぜラグジュアリーカードは次々新しいアイデアを他社に先駆けて考案し、なおかつスピード感をもってローンチできるのだろうか。児玉氏の意見はこうだ。
「実は、当社はマーケットリサーチをあえてずっとしてきていないんです。得票数の多い意見を優先させてしまうと尖った商品ができない。われわれは顧客にとってふさわしいものを信じて実行に移しています。その一方で、社員が直接お客様の声を徹底的に聞いていて、自分たちの耳に入ること、そしてその一声から何ができるかを常に議論しあっています。リサーチをした結果、角がとれて似たり寄ったりの商品にならないよう心掛けています。100人のうち数人が喜んでくれるサービスでも採用されるのがラグジュアリーカードです。お客様の近くにいないといいプロダクトを出せないし、われわれは後発のクレジットカードだと自負しています。だからこそ、お客様に受け入れてもらうためにスピード感を常に意識しております」
ポイントでロールス・ロイスをゲットできたり、予約困難なガトーショコラが手に入ったり、ワインを介したコミュニティでカード会員同士の心を繋いだり、ラグジュアリーホテルの4ランクアップの部屋に泊まれたり……。もちろん、今回紹介したスタイリッシュな縦型デザインについても、顧客の意見が大いに反映されているという。一部のユーザーの心に刺さるような尖ったサービスをデジタルファーストによって最速で次々と提供する。それが、新しい時代のお金の動かし方を提案する次世代型カードの思考回路なのである。