日々感謝の心を伝えるため伊勢の神様をお祀(まつ)りする
誰もが憧れる白く美しい歯を世の中に届けることを目的に、最先端のオーラルケア製品サービスを展開するシャリオン。2015年の設立からわずか3年で年商約10億円に達するなど、シャリオンは急成長を遂げてきた。
だが経営に悩みは尽きないと、代表取締役の角田哲平氏は言う。
「2019年に出張で伊勢を訪ねた時も事業に悩みを抱えていて、伊勢神宮に参拝しました。お伊勢さんに呼ばれたのかな、という気持ちで。境内の神々(こうごう)しい雰囲気に感動するとともに、何か言い知れないパワーを授かったような気がしました。不思議なことに悩みは晴れ、業績もよくなったんです」
伊勢神宮への感謝の気持ちを継続していきたい。その思いを形にしようと情報を集めるなかで、「宮忠」を知った。
「宮忠」は1938年創業の神棚・神具の専門店。伊勢神宮のお膝元で、宮師として活躍する職人が、崇敬心(すうけいしん)を持って宮造りを行っている。「宮忠」の三代目で伊勢の神社で神主も務める川西洋介氏は話す。
「伊勢神宮の建築様式は唯一神明造と呼ばれ、日本では他にはないものです。茅葺きの屋根が特徴で、『宮忠』の神棚はその造りを忠実に模しています。天然木を主材料にして、ひとつずつ手作業で仕上げる。経営者の方からのご依頼はとても多く、お祀りする場所に合わせて、サイズを調整してお造りすることもあります」
角田氏は神棚を社長室のいつも見える場所に設置。お社(やしろ)を置く台も「宮忠」に造ってもらった。伊勢神宮の祭神は、日本の総氏神である天照大御神(あまてらすおおみかみ)。御神酒(おみき)は、神様が飲みやすいように蓋を開けておき、これ以上の上はないことを示すために、マンションの中途階に住む場合などは「天」と書いた紙を添えるのがならわしだ。
神棚は設置すればいいだけではない。その後の付き合い方にこそ、その人の心が表れる。角田氏はどんなに忙しくても毎月1日と15日に、会社近くのフラワーショップで榊を購入して供え直す。併せて、塩、御神酒(おみき)、水、米をお供えしている。
「宮忠」の川西氏は言う。
「角田さんは、成功を摑めたのは自分ひとりの力でないことがよくわかっている。だから神様をお祀りし、感謝の心を示すことができるのではないでしょうか。伊勢神宮はお願いする場所ではなく、感謝する場所だと思っています。角田さんのような方にお社を祀っていただけると、嬉しくなりますね」
角田氏は年に1度、お伊勢さんへのお礼参りも欠かさない。感謝の気持ちをいつも忘れずに、お伊勢さんに背中を押してもらいながら、人々の笑顔をつくるために精進を続けていく。
OKAGE-YOKOCHO ISE MIYACYU
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Teppei Tsunoda
1984年福岡県生まれ。九州産業大学経営学部卒業。渡辺藤吉本店、ビジョンにて営業職に就き、トップの営業成績をあげる。2015年にシャリオンを設立、オーラルケア商品の製造、開発、販売などを行う。同社のサービスを導入する加盟店は約6000店。