35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者。「その英語力でよく来たね(笑)」と笑われて2年後、英語力未だ0.5であえなく帰国。だけど日本にいたって、きっともっと英語は覚えられる! 下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。英語力ゼロレッスン「人のEnglishを笑うな」第111回!
シルキーでベルベットな声ってどんな声?
ポットキャストでぼんやりとリスニングの練習をしていた時です。
(とはいえ、ほぼ聞き取れないので、もはや楽器の演奏を聞くくらいのつもりで、作業中ぼんやり聞いているだけです)
ニュース番組のなかで、オンラインだか、電話インタビューを受けている人の声が、一度遠くなりました。その方のWi-Fi環境の問題かなにかでしょう。そして通話が復帰した時、その方は「ごめんね、音が遠くて」というように謝っているのはわかりました。
その「ごめんね」に対してインタビュアーがこう言いました。
Now I can hear your silky velvet tone.
「シルキーベルベットトーンが聞こえているよ」と言ったのでしょうか。
いまいち意味が理解できないまま、番組は終了しました。
この時の様子を、後日オンライン英会話の先生に聞いてみると、
滑らかで美しい声を、布の生地の質感で例えたのではないか、ということです。
「声が聞こえづらくてごめんね」
「いや、今はそのシルクのようなお美しい声が聞こえていますよ」
といった会話だったのでしょうか。まぁ大袈裟な気もしますが、シルキーでベルベット、たしかに撫でてみたくなるような質感をイメージできます。
そういえば、イギリスには「silk cut」というタバコがあり、これもまた、吸った際の滑らかさが売りの商品だそうです。
とはいえ、滑らかな声っていったいどんなものかと、silkyや velvetで検索をかけたらいくつかラジオDJのサイトに飛びました。特にvelvetで出てくるDJの声は、聞いていて包み込まれるような渋い声色で、まぁ日本で言う森本レオさんとか、時任三郎さんみたいなイメージでした。
ブルースカイな考え方ってどういうこと?
オンライン英会話のレッスンは、たいていテーマを決めて討論したり、何か記事を読みながら会話をするので「話題がない」ということはありません。しかしたまに「よし、最近英語力が上がった気がするから、フリートークに挑戦してみよう」と息巻いて、自分から話題をふる「フリートーク」を教材として選択することがあります。
しかし何を話していいかわからず、ひたすら天気の話をしてしまうことが多くあります。一時やたら天気にまつわる単語に詳しくなってしまったことすらありました(もう忘れましたが)。
ただ、最近は「コロナの状況はどう?」という全世界共通の話題があるので、天気の話に飽きたらこっちにいきます。
「ハワイではコンビニでワクチンが受けられるらしい」「世界中でそうなれば、もっと解決は早いかも」というようなことを適当に話していたら。
It’s just blue-sky thinking
と言われました。
ブルースカイ? あれ? 天気の話に戻った? と思ったのですが。
blue sky thinking=新しい考え方だが、あまり使えない
というような意味だそうです。
ビジネスの現場でよく使われていて、ミーティングなんかで「なんでもいいからさ、とにかくアイディア出そうよ、非現実的でもいいから」というような場合に「これはblue sky thinkingなんだけど、例えばこんなのはどうかな」と出すアイディアのようです。
まぁつまり、非現実的な考えという意味でしょう。
ケンブリッジの英英辞典ではこういう例文がありました
What we need at the moment is specialist knowledge and implementation rather than blue-sky thinking
(今必要なのは、ブルースカイシンキングよりも、専門家の知識と実装である)
これはもう、「もっと具体的なこと言ってよ」って会議で怒られているあれですよね。この言葉自体は、何にも縛られていない自由なアイディア、という意味でもある気がしますが、実際に使われる場所はやっぱりこういうことなんだなぁと、適当なコロナ対策を語った自分も反省しました。
Illustration=Norio