ゲーテは、ここ2年の間に新たに誕生したオフィスを取材。そこから見えてきたのは、最先端のオフィスは単に生産性が高いだけではない。ここに来れば仲間に会え、アイデアが生まれ、クリエイティブな働き方ができる場所であるということ。それは、行かなければいけないではなく、行きたくなるワークプレイスだ。
レガシード
洞窟を探検するアトラクションと見紛うようなエントランスに、いきなり度肝を抜かれるのが、人事領域を主軸としたコルサルティング事業を手がけるレガシードのオフィスだ。
都会のオアシスをテーマに、近藤悦康(よしやす)社長が自らコンセプトを考え、デザインした社内には、博物館や美術館のように順路があり、同社の過去、現在、未来を物語るさまざまなプレゼンテーションが用意されている。
「例えば入ってすぐの洞窟には、創業期からの出来事を壁画にすることで、これまでの歩みを紹介したり、順路の最後にフューチャーロードと名づけたトンネルをつくり、社員が夢や目標を壁に手書きして、弊社の未来をイメージさせたり。来客された方が社内を巡り、オフィスを体感することで、レガシードの歴史や企業文化、社員の雰囲気などを知っていただけるように仕立てました」(近藤社長)
驚きがあることも重視し、通路の途中に隠し部屋を設けたり、さまざまな偉人の格言を壁に記したエリアをつくるなど、近藤社長のアイデアがオフィスのいたるところに盛りこまれている。
内装費に投じた金額は2億円。コンサルティングという無形商材を扱っているからこそ、オフィスを、会社自体を紹介するショールームにすることが重要だと近藤社長は話す。加えて、これは平均年齢が26歳という新卒主体の組織ゆえの戦略でもある。
「弊社のお客様は会社の経営者。その方々と現場で対応するのは、基本的に24歳から28歳の社員になります。もしお客様の社長室でプランを提案するとなれば、弊社の社員にとってはアウェーとなり、緊張することもあるでしょう。でも訪れたくなるオフィスをつくり、実際に来ていただければ、ホームで対応できます。最初に社内をご案内し、弊社に興味を持っていただいた状態で提案に入れるのです」
その効果は絶大で、クライアントにオフィスに来てもらった場合は、そうでない場合と比べて、成約率が4倍になったという。近藤社長がオフィスに投資をする最大の理由がここにある。
社員が楽しく働くためのポイントは、成果につながるよい仕事ができて、達成感を得られることだと近藤社長は話す。であれば、会社が成果の出やすい環境を用意するのは絶対であり、そのひとつがオフィスなのだと。
リモートワークも推奨するなか、95%の社員が毎日出社するレガシード。ここは働く人も訪れたくなるオフィスなのだ。
COMPANY
レガシード
EMPLOYEES
65名
OFFICE SPACE
1フロア、760㎡
KICK OFF
2020年9月
2013年に設立の人材コンサルティング会社。1~2名だった新卒採用が’20年度に11名、’21年度は25名と大幅増。インターンシップ人気企業ランキングで10位を獲得(楽天「みん就」調べ)。