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2020.12.06

アフターコロナのお金論13「日本人はお金が苦手?」 ABCash児玉隆洋

新型コロナウイルスにより、多くの人がお金について真剣に考えたはずだ。先行きが見えないなかで、今後どうお金と付き合い、増やしていけばいいのか。この連載では、お金のトレーニングスタジオ「ABCash」を運営する児玉隆洋氏が、コロナ後のお金と資産運用についてレクチャー。お金とは何か、投資とは何かを考える。

アフターコロナ

江戸時代に発明された世界初の投資

日本はグローバルな視点でみると金融教育が遅れていると言われています。では元々、日本人はお金と付き合うことが苦手な国民性なのでしょうか? それは日本のお金の歴史を振り返ると答えがみえてきます。

家計管理について、以前のにも書きましたが、家計簿を発明したのは日本人の女性だと言われています。キャッシュフローの概念を家計にも応用することで収支のバランスが見える化され、家計の計画を立てやすいようになりました。

早速ですが、お金のトレーニング。投資のひとつに先物取引がありますが、この投資のシステムを発明したのはどこの国でしょうか?

それは江戸時代の日本です。大坂で生まれた「堂島米市場」と言われており、世界初の先物取引は日本が発祥なのです。ヨーロッパではその時すでに株式取引や現物取引は行われていましたが、当時の日本は鎖国状態であったことを考えると、日本人が独自に考えたシステムである可能性が高いと思います。

また無尽という金融の仕組みをご存知でしょうか。人と人が直接お金を融通し合う仕組みで、鎌倉時代で活用されていたという文献も残っており、日本で歴史のある金融のシステムです。無尽は、貯蓄・融資・保険・投資など幅広い金融システムですが、助け合いという考え方がベースにある日本らしいシステムです。このシステムは世界恐慌が起こると更に発展し、銀行に相当するほどの規模を持つようになり、日本の経済を担う金融機関の一つとまでなっていました。

日本はお金を付き合うことが決して苦手な国民性ではないのです。それではお金のことや金融システムについて苦手意識が強くなった転換点はどこなのでしょうか?

それは戦争です。日中戦争から太平洋戦争へ突入する頃、戦費を調達するために国を挙げて貯蓄奨励キャンペーンが行われました。あらゆるところで貯蓄を奨励するポスターなどが貼られ、貯蓄奨励キャンペーンは着実に浸透していきました。そして、さらに戦争が終わったあとも、国の建て直しが必要だったこともあり政府は貯蓄を奨励。こうして戦争を契機にして、長きにわたってお金について貯蓄以外の選択肢を考える機会が少なくなり、「お金はとりあえず貯金するもの」という考えが身についたのです。

ただ、今は時代が変わりました。これからはお金の正しい知識を身につけ、お金ともっと上手に付き合うことで、自分の人生を輝かせることのできる時代になっています。政府も「貯蓄から投資へ」「NISA」「iDeCo」など、お金を貯蓄するだけではないことを奨励しています。

また実は、日本では義務に金融教育がまだ入っていませんが、子供のうちからお金のトレーニングをできる仕組みが習慣として残っています。

ではお金のトレーニング。その習慣、世界的にも珍しいことですがなんという習慣でしょうか?

答えは「お小遣い制度」。日本では当たり前の習慣ですが、海外ではこのように無条件で子供にお金を渡す国は多くはありません。日本の子供はお小遣いをもらい、自分で考えてお菓子を買ったり、本を買ったり、おもちゃを買ったりします。子供の頃からお金の使い方について考えるトレーニングの仕組みが存在しているのです。

そして子供から大人になっても、ずっとお金と付き合っていくことが求められます。それなのに、日本ではお金について話すことはよくないこと、恥ずかしいことという風習がまだ強く残っています。

当社のメンバーもよく言っていますが、「お金のことをファッションのように話せる」、そういう新しい当たり前をつくりたい。高校生の教育にも入りますので、そう遠くない未来にきっとそういう時代がくると思います。お金とは人生を輝かせるための重要な手段であり、もっとオープンであるべきなのです。

 

Takahiro Kodama
1983年宮崎県生まれ。大学卒業後、サイバーエージェントに入社。Amebaブログ事業部長、AbemaTV広告開発局長を歴任。2018年、海外に比べて遅れている日本の金融教育の必要性を強く感じ、株式会社ABCashTechnologiesを設立。代表取締役社長に就任。’19年、すごいベンチャー100受賞、スタートアップピッチファイナル金賞。趣味はサーフィン。

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