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2023.06.20

CBDオイルの賢い選び方と活用法とは【今さら聞けないCBD】

大麻草に含まれるカンナビノイドのひとつで、快眠やリラクゼーション目的で利用する人が増えているCBD(カンナビジオール)。オイルだけでなく、グミやサプリに加工したものや、クリームやコスメに配合したものなど、さまざまな商品が販売されているが、どれを選び、どう使うべきか迷うところ。そこで、臨床CBDオイル研究会代表の飯塚浩先生が、賢い選び方と使い方をレクチャーする。

CBDオイル・CBD製品

簡単で効果的なのはCBDオイルの舌下服用

抗炎症作用や抗酸化作用、鎮痛作用、抗不安作用などに優れ、不眠、不安、うつ、頭痛、てんかん、がん、肥満、糖尿病、骨粗しょう症などへの効果が期待できると、日本でも医療における本格的な活用がスタートしたCBD。

「CBDには、内服用としてティンクチャー、通常カプセル、腸溶カプセル、さらには皮膚に塗るクリーム、吸入(ベイプ)などさまざまなタイプがあります。

その中で医療用として最も多く用いられているのは、ティンクチャーです。

オイルを口腔内に垂らして服用する舌下服用は簡単なうえに吸収率が高く、胃酸や肝臓代謝の影響を受けずにターゲットに到達するため即効性がありますから」と、臨床CBDオイル研究会代表の飯塚浩先生。

それは、医療用だけでなく市販の製品でも同様。

速やかに効果を得たいならオイルを選ぶのがベストだが、たとえば自宅で服用するならオイル、外出先なら持ち歩きに便利なカプセルタイプを用いるなど、用途やシーンによって他のアイテムを併用するのも一案だ。

「CBDオイルは安全性が高いので、使い方に関してあまり難しく考える必要はありません。

ただし、自然物であるCBDオイルは化学物質と比べて反応の個人差が大きく、同じ効果を得るための容量が人によって20〜30倍違うことすらあります。

最初は少量の服用からスタートし、5~7日ほどの間隔で徐々に増やしていき、自分に合った容量を見つけていくのがよいでしょう。

健康増進が主な目的ならCBD3~10㎎を1日1回から、痛みや不眠など明確な症状がある場合は、体重1㎏につき0.25~0.5㎎(体重60㎏なら15~30㎎)を1日1~2回から始めるといった具合です。

症状の改善を体感できた時点の用量が、その人のその時期においての適量といえます。

なお、CBD自体は安全性が高いですが、1日100㎎以上のように高用量を使用する場合、今飲んでいるお薬の血中濃度が上昇することで副作用が出てしまうリスクがあります。『グレープフルーツジュースなどと同時に飲まないこと』との記載がある薬はCBDと代謝酵素が共通ですので、高用量のCBDとの併用には注意が必要です。医師に相談してください」(飯塚先生)

CBDアイテム選びは安全性と信頼性を重視

ここ数年のCBD人気に便乗してか、CBDオイルひとつ取っても、さまざまなメーカーから多種多様な製品が発売されている。

体内に入れるものだけに安全なものを選びたいが、どんな点に注意すれば良いのだろうか。

「日本で販売されているオイルは、CBD単体のアイソレートと、大麻草に含まれるその他成分(違法性のあるものは除く)も極力残したブロードスペクトラムの2タイプですが、効果が高いのは後者。

私が代表を務めるCBDオイル研究会でもブロードスペクトラムの使用を推奨しています。

しかし市販されているアイテムの多くは、加熱して粉末にしたCBDをオリーブオイルやココナッツオイルに溶かしたアイソレートです。

アイソレートが多い理由としては、他の成分を含まないため、THCの除去を徹底しやすく法律的に安心に取り扱えること、また、CBD20%や40%など高濃度を謳えるためでしょう。

ちなみに何%のオイルを選ぶべきなのかという質問をよく受けますが、大切なのは濃度ではなくCBDとして何mgなのかという含有量です。高用量のCBDを用いる場合には高濃度のほうがコスパがよいなど、濃度にはそのくらいの意味しかありません」

成分分析表をチェックし、CBD以外にどんな成分が配合されているのか、農薬や有害金属の検査はされているのか確認することは最低限必要だ。

「しかし困ったことにその成分分析表自体が信頼できないことが多いのです。海外では表示通りに成分が入っていることのほうが珍しいという状態ですから。

また、最近は農薬を使いまくった土地で生産された非常に安いCBDも出回っています。しかもアメリカなどを経由していますから本当の生産国がわかりません。

今の状況ですと、製造メーカーの信頼性に頼るのが一番の安全策でしょう。

具体的には、農薬を一度も使ったことがない広大な土地を自前で保有し、そこで栽培された大麻草を原料にしているメーカーがお勧めです。

少なくとも10年以上の実績がある老舗の製造メーカーが安心でしょう。そういう会社なら、目先の利益を追って危険な生産地の材料を混ぜたりはしないでしょうから。

国際的な薬品の生産品質規範であるGMP(Good Manufacturing Practices)や食品製造の安全性基準であるHACCPなどを取得しているかどうかも一応の目安になります。

健康のために使うものですから、価格だけで選ばず、必ずこういったことをチェックしてください」

最終回となる次回は、巷で話題のCBDコーヒーやベイプによる摂取、クリームやロールオンタイプなどについて、効果の真偽を教えてもらおう。

臨床CBDオイル研究会代表・飯塚浩

<監修>
臨床CBDオイル研究会代表
飯塚浩/Hiroshi Iizuka
精神科医、精神科専門医。鳥取大学医学部精神神経医学部に入局し、難治性うつ病、躁うつ病を中心とした臨床研究等に携わった後、2001年、鳥取県にメディカルストレスケア飯塚クリニックを開院。一般的な精神科薬物療法に留まらず、生活療法やオーソモレキュラー栄養療法、漢方、PAPT(頭鍼治療)、カンナビノイドなど幅広く活用。2018年に臨床CBDオイル研究会を設立。医師・歯科医師・獣医師ら600人超が所属する国内最大のカンナビノイドの医療専門家グループの代表として、CBDを正しく普及する活動にも力を入れている。著書に『小さな町の精神科の名医が教えるメンタルを強くする食習慣』などがある。

まとめ

CBDオイルはブロードスペクトラムがおすすめ。
 
 

Q&A

Q.CBDオイルはいつ服用すればいい?
A.朝、昼、夜、寝る前、いつでもOK
CBDオイルを服用する時間帯に決まりはない。痛みや緊張などの緩和が目的なら症状が出た時に、不眠解消のためなら寝る前に活用すればOK。ただし、初めて使う場合は、様子を見るためにも日中の服用がベター。
 

Q.CBDオイルの1日の摂取量は?
A.初めて使う場合は少量からスタートを
摂取量の目安は、その人の体重やライフスタイル、目的によって異なるので一概に言えない。ただし、初めて使用する場合は少量からスタートを。健康増進が主な目的ならCBD3~10㎎を1日1回から、痛みや不眠など明確な症状がある場合は、体重1㎏につき0.25~0.5㎎(体重60㎏なら15~30㎎)を1日1~2回から始めるのがおすすめ。
 

Q.ペットに使っても大丈夫?
A.獣医師も治療に利用しています
CBDオイルのターゲットとなる「エンドカンナビノイドシステム(ECS)」は、もともと生物が免疫や神経系の複雑化に伴う制御の必要性のために進化してきたもの。人間に限らず、すべての脊椎動物にはECSが存在する。そのため、動物も人間同様、欠乏したカンナビノイドを外から補うのは有効。実際、CBDオイル研究会には獣医師も所属しており、犬や猫のさまざまな病気に人間同様の効果を発揮している。
 

Q.CBDオイルを選ぶ際の注意点は?
A..製造メーカーの信頼性を確認すること
成分分析表も材料の生産国も完全に信用できない現状では、製造メーカーの信頼性に頼るのが一番の安全策。少なくとも10年以上の実績があり、農薬を一度も使ったことがない広大な土地を自前で保有し、そこで栽培された大麻草を原料にしている会社がお勧め。
 

CBDに関する記事はこちら

TEXT=村上早苗

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