人生100年時代とはいえ、幕を下ろす瞬間まで輝き続けられる人はほんのひと握りだ。カギを握るのは、心身ともにポジティブなエネルギーに満ちているかどうか。この先もずっと挑み、前進し続けるために、ゲーテ世代が今なすべきこととはーー。
薄毛や抜け毛は老化のサイン
ーー「病は“ケ”から」をキーワードに、健康やエイジングを、メンタル面を主軸に診療してきた精神科医、小林一広氏。現在は、男性の外見と内面を医療でサポートする「Dクリニック東京」の理事長として、悩める男たちと対峙している。今回は、幻冬舎代表取締役社長・見城徹が、最近の悩みを打ち明けた……。
見城 僕は先日70歳になりまして。年をとるのはこんなにも悲しいものなのかと痛感しています。
小林 そうなんですか? 外見もお仕事ぶりも、とても若々しく感じられますが。
見城 ありがとうございます。でも、年をくったと感じる場面が60歳を過ぎたあたりから、めっきり増えてきました。とくに悩ましいのが、髪、睡眠障害、夜中の尿意、勃起不全の4つですね。
小林 男性なら誰もが避けて通れない問題ですね。こうした加齢による悩みをトータルでサポートするのが、「Dクリニック東京」です。私自身は、男性型脱毛症であるAGA専門外来と、最近増えている男性更年期も関与したメンタルヘルスの専門外来を担当しています。
見城 小林先生は精神科医ですよね。どうして髪の悩みを扱うようになったんですか?
小林 私が患者さんに最初にうかがうのは、ちゃんと食べられているか、よく眠れているか、出すものは出しているか。要は日常生活全般がうまくいっているかどうかの確認です。いうなれば、精神科は「喰う、寝る、出す」という生活全般を診る“生活科”なのだと思います。
見城 「飲む、打つ、買う」ではなく「喰う、寝る、出す」。
小林 薄毛や勃起力の低下といったエイジングにまつわる悩みも日常生活のひとつですから、やはり精神科医の出番ではないかと。そもそも心と身体はコインの裏表のようなもので、身体的な病が心に悪影響を及ぼすこともあれば、精神的な疾患が身体の不調を引き起こすことも少なくありません。「病は気から」という言葉もありますしね。フィジカルとメンタルを統合しながら、ひとりひとりをよい方向に導く。それが医療の本来あるべき姿だと思うのです。
見城 さまざまな悩みが、精神科的アプローチで解決できる可能性があるわけですね。
小林 そのお手伝いができればと思っています。
薄毛や抜け毛は老化のサインのひとつ
見城 4つの悩みのなかでも、髪は別格。周囲にも一目瞭然で、ごまかしようがないから(笑)。若い頃は、自分が薄毛に悩むなんて思いもしなかったのに……。
小林 薄毛に悩む方は多いですが、実は「薄毛」に医学的な定義はないんですよ。たとえ髪の毛が1本しかなくても、本人が気にしていないのなら何の支障もありません。いわば気持ちの問題。それも、精神科医である私が髪と関わるようになったきっかけのひとつなんです。
見城 薄毛と精神科の出会いはそんなところに!
小林 ただ、髪の毛は加齢とともに細くなり、薄くなる傾向があるのは事実。とくに男性の場合、薄毛や抜け毛は老化のサインのひとつといえます。つまり「病は“ケ”から」です(笑)。
見城 なるほど(笑)。
小林 もっとも老化の進行は個人差があります。同じ年齢でも若く見える人もいれば老けて見える人もいますからね。
見城 それを左右する最大の要因が、僕は髪だと思うんですよ。「Dクリニック東京」は、その髪を増やすサポートをしてくれるんですよね?
小林 はい。特に悩んでいる人が多い、男性型脱毛症のAGAをメインに診療しています。これは、思春期以降の男性に発症する進行性の脱毛症で、額の生え際や頭頂部周辺から徐々に薄毛が広がるというもの。症状の出方や進行のスピードには個人差がありますが、罹患率は年齢とともに上昇しています。
見城 原因はやはり男性ホルモンの影響ですか?
小林 それも一因ですね。AGAは、ヘアサイクルの成長期が短くなり、太く硬く長い毛が減って、細く柔らかく短い毛が増えてくることで進行するのですが、主な原因として注目されているのがジヒドロテストステロン(DHT)というホルモン。男性ホルモンのテストステロンは、年齢とともに分泌量が減ってくるのですが、代わりに増えてくるのがこのDHTで、これが毛乳頭細胞にある受容体に結合すると発毛を抑制してしまうといわれています。もっとも受容体の感度が低ければ、DHTの分泌量が増えたとしてもAGAは進みにくいのですが。
見城 それが個人差というわけですね。
小林 そのとおりです。他にも、食生活の偏りによる栄養バランスの乱れや運動不足、睡眠不足、喫煙といったライフスタイルや、ストレスの有無も関係するので、それらを含めて多角的にケアさせていただいています。具体的な治療としては、フィナステリドという薬を服用いただき、ミノキシジルという外用薬を塗布していただくことが多いですね。頭皮のコンディションを整えることも重要なので、正しいシャンプーの仕方なども指導しています。
見城 僕もミノキシジルの外用薬は使っています。でも、内服薬は副作用が気になって……。
小林 性欲減退や勃起不全ですね。ただ、フィナステリドはテストステロンの分泌を抑えるわけではなく、テストステロンからジヒドロテストステロンが生じるのを抑えるだけですから、その心配はほぼ無用です。まれにそうした事例も起こりますが、その場合、勃起不全に対する治療を行うこともできます。
見城 そうですか。それなら内服薬と外用薬、両方からアプローチするのが得策ですね。
小林 そのほうが効果は出やすいと思います。
見城 治療と自分の努力で、髪を太く、多くすることができたら素晴らしいですね。
髪がアンチエイジングに目覚めるきっかけに
小林 髪がフサフサになると、次に気になるのは肌のようです。
見城 肌?
小林 額や眉間のシワ、目の下のクマ、ほうれい線、シミなどです。髪が若々しくなった分、そうした肌の衰えが目につくようになるのでしょうね。「Dクリニック東京」には男性美容に特化した外来もあり、シワやシミなどの施術もさせていただいているのですが、受けられる男性はけっこう多いですよ。最近は、ヒゲや手足のムダ毛、デリケートゾーンなどの脱毛をされる方も増えていますね。
見城 ヒゲの脱毛は何回かやったことがあります。僕はヒゲが濃くて、朝だけでなく夕方も剃らないといけない。1日2回は面倒だなと思って。ただ、脱毛用のレーザーは、黒いものにしか反応しないんですよね。だから、白髪になっている部分はどうしても残ってしまう。
小林 そうなんです。なので脱毛は、毛が白くなる前にやってしまうのがお薦めです。
見城 髪は増やして、ヒゲやムダ毛はなくす。技術の進歩はすごいものですね。
小林 髪が生えて見た目が変わると気持ちまで若々しくなり、外に出ていろんなことに挑戦したくなる。これが経済活動全般にもつながるので、私はこれを、“カミノミクス”と呼んでいるんです(笑)。
見城 うまい! 外見が衰えてくると、人生が下降線をたどっている気がして落ち込みがちだけど、技術がこれだけ進歩しているのだから抗(あらが)わないともったいないですね。少なくとも僕は、ルックスが原因で人生をあきらめるなんてイヤだな。仕事もプライベートも、まだまだ挑戦したいことがたくさんあるから。
小林 同感です。人生100年時代、エイジングケアをきっかけに日常生活のクオリティを上げて、これから先もずっと力強く、前向きに歩んでいただきたいと思います。
男性の悩みを多角的に解決する専門クリニックがパワーアップ!
加齢を理由に人生をあきらめたくはない。それは見城徹のみならず、世の多くの男性の思いだろう。そのサポートをしてくれる「Dクリニック東京」が、3月にパワーアップ。約500㎡という広大なスペースに、「メンズヘルス」「男性美容皮膚」「メンタルヘルス」の3セクションを有する「Dクリニック東京プラス」を新たに展開する。
洗練の空間と最先端機器、豊富な美容メニューも魅力
「エイジングをはじめ、男性が日常生活で抱える悩みに寄り添い、いくつになっても生き生きと輝けるお手伝いをさせていただきます」と、クリニックの理事長を務める小林一広氏。その言葉どおり、「メンズヘルス」ではEDの治療から男性更年期、妊活(精子の状態を検査)まで、男性ならではの悩みを扱う。また、「男性美容皮膚」ではシミやシワ、たるみ、ヒゲや体毛の脱毛、脂肪の部分痩せなどに対応。小林氏が担当する「メンタルヘルス」では心の悩みやストレスに対処するというように、多角的なアプローチで、男性の美と健康を支えてくれる。
「心と身体は密接に関係しています。なので、メンタルヘルスの患者さんでもカウンセリングでホルモンの減少が原因と判断すればメンズヘルスでの治療をお薦めしますし、その逆もあります。また、同じフロアに、睡眠障害やファスティングなどをメインにする『Dクリニック東京 ウェルネス』も開設されるので、そちらとも提携する予定です」(小林氏)
総合的な診療システム以外にも、機能的かつデザイン性が高い空間には、多彩なメニューが備わっている。衝撃波によるED治療機器をはじめとする最先端設備、肌を傷つけることなくフェイスラインのたるみを改善できるHIFU(ハイフ)といった特殊な美容機器を用いる施術など、「Dクリニック東京プラス」には魅力がたくさん。いくつになっても挑戦し続ける男のための“かかりつけ医”として利用してはいかがだろうか。
Dクリニック東京プラス
住所:東京都千代田区丸の内1-11-1 パシフィックセンチュリープレイス丸の内10F
TEL:03-5224-5551
営業時間:完全予約制。火~金10:00~20:00、土・日・祝9:30~18:00
休業日:月曜
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Kazuhiro Kobayashi (右)
1991年、北里大学医学部卒業後、同大学病院などでメンタルヘルスケアを中心に従事。’99年、新宿に城西クリニックを開業。2014年に東京駅近くに移転し、現在はDクリニック東京メンズとして運営。’21年1月から現職。著書『病はケから 老けない体と心の作り方』。
Toru Kenjo (左)
1950年静岡県清水市生まれ。慶應義塾大学法学部を卒業後、角川書店などを経て、’93年に幻冬舎を設立。27年間で25作のミリオンセラーを世に送り出す。『読書という荒野』『たった一人の熱狂』『編集者という病い』『過剰な二人』(林真理子との共著)など著書も多数。
https://www.youtube.com/watch?v=1EHs0Nds9j4&feature=youtu.be
問い合わせ
Dクリニック東京メンズ TEL:03-5224-5551