世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子・吉田洋一郎による、最新ゴルフレッスンコラム49回目。多くのアマチュアゴルファーを指導する吉田洋一郎コーチが、スコアも所作も洗練させるための技術と知識を伝授する。
上達するには、やっぱりスコア目標が必要
私は普段、一般のアマチュアのレッスンも行っている。スタジオが都心ということもあって、エグゼクティブの方の相談に乗る機会が多い。
私の場合、ゴルフスイングコンサルタントと名乗っている通り、技術レッスン以外にゴルフ上達に関するコンサルティングを行う事がある。これがスイングを修正する技術的な練習よりも大事だったりする。その内容は現状の把握、問題の洗い出しなどの分析から、成長戦略や具体的なスイング構築プランの立案など目標を達成するために必要なコンサルティングを幅広く行う。基本的な部分は皆さんが普段の仕事で思考するようなことと似ているかもしれない。
だが普段、事業設計や運営に関わっている人でも、ゴルフとなるとこの点がぼやけてしまっていることが多い。目標を聞けば「80台を切りたい」「シングルハンディを取得したい」など数値目標あるものの、それをいつまでに行うかなどのプランや、具体的な方法論や行動計画、ベストスコアなのか平均スコアなのかという数値設定など具体的なところまでイメージできている人は稀だ。
ことボールを打つ練習を始めると、目の前のボールを打つことだけしか考えられず、何のための練習かを意識できなくなる傾向が強い。
すぐ結果が出ないからこそ長期目標を
ゴルフはレッスンを受けても、短期的にスコアが劇的に伸びることはほとんどない。中長期的に取り組んでこそ、徐々に効果が表れるものだ。それはスイングの動きが複雑ということもあるし、そもそもスコア変化が起きにくいスポーツだという理由がある。
だからゴールを明確に設定してそれを日々の練習に落とし込まないと、取り組みへの疑心暗鬼が生まれやすく、日々の成長も実感しにくい。こういった目標を立てないことの弊害もビジネスと似ているかもしれない。
理想のスコアカードを付けてみる
目標はできるだけ具体的かつ定量的なほうが良い。「例えば半年後のコンペで79を出す」といった具合だ。いつまでに、どんなシーンで、どれだけのパフォーマンスを出すかを明確にし、そこから逆算してプランを立てることで実現する可能性が高まる。
この目標達成のイメージを沸かせるために、理想のスコアを書き出してみるとよいだろう。ハーフでいくつのパーを取るのか、そのためにはパット数はどれくらいか。OB、3パットのミスを何回まで許容できるのか知っておくべきだ。するとそのスコアを実現するために、どんな取り組みや練習が必要かが見えてくる。
また具体的な目標があることで、本気になることができる。漠然とした取り組みは止めてしまう理由が見つかりやすいが、大きな目標達成のために行っている練習であれば短期的に効果が出ていなくても、継続できるようになるだろう。
そういった意味で、立てる目標はなんだかんだ具体的なスコアにすることをおすすめしたい。白黒つけやすく言い訳もできない、そんな目標がプレーヤーを成長させるのだ。