シーズンごとのトレンドを把握することは、洒脱への早道だ。ラグジュアリーから古着まで精通する小誌ディレクター・島田 明が、センスアップの決め手となる最旬アイテムと着こなしを紹介。
ITALIAN CHINOS/アメリカのイタリア的再解釈、大人向けチノーズ
「近年改めてアメリカンカジュアルが見直されていますが、なかでも注目したいのがチノパンです。とはいえ、オーセンティックなミリタリーチノをそのまま再現した極太モデルではなく、イタリアのブランドが再解釈したスマートなシルエットのものが大人にはお薦め。旬のアメカジテイストを楽しめつつ、洗練されて見えます。昔からイタリア人はこうしたアメリカの再解釈が得意です。コーディネイトもジャケットやニットなど、上品なアイテムが鉄則」
MICRO BAG/持ち物というよりアクセント的な使い方が旬
「ラグジュアリーメゾンからバッグブランドまでが手がけ、多彩なモデルが揃うマイクロバッグ。文字どおり小型で、斜めがけできるショルダータイプが主流です。自分でも愛用していますが、ひとつ気づいたのは、入るのはスマホくらいで収納性はほぼ考えられておらず、完全にアクセサリーとして捉えられていること。つまり機能性は度外視し、デザイン性で選ぶのが正解です。シンプルな装いも、本体を正面にして斜めがけすれば着こなしのアクセントになります」
QUILTING/生真面目なスタイルでなく、あくまでモードにアレンジ
「“流行は繰り返す”という言葉はファッションの特性を言い当てた名言ですが、今季それを証明しているのがキルティング素材です。20年ほど前に大流行しましたが、その時は出自そのままのブリティッシュカントリーテイストのアウターとしてでした。対して今季はラグジュアリーブランドがレザーなどを用いて表現しており、カントリーの土臭さはありません。むしろスポーティなモダンさを感じさせる素材として、モードに着こなすのが正解です」
AKIRA SHIMADA
1963年東京都生まれ。雑誌『MEN’S CLUB』にて編集者としてキャリアをスタート。その後、雑誌『LEON』で編集長代理、『Esquire』でファッションディレクターを経て、2011年より小誌ファッションディレクターに就任。現在、Patrick CoxやHEADなど国内外のブランドのディレクターも務めている。