役者・滝藤賢一が毎月、心震えた映画を紹介。超メジャー大作から知られざる名作まで、見逃してしまいそうなシーンにも、役者のそして映画のプロたちの仕事はある! 役者の目線で観れば、映画はもっと楽しい!!
親として子供とどう向き合うか?
『母さんがどんなに僕を嫌いでも』。吉田 羊さんが、長男への暴言・暴力が止まらない母親役を演じ、新たな魅力が炸裂しております。
しかし、この光景、我が身に置き換えてみると……。
仕事の電話中、子供に「パパ! パパ!」と呼ばれ続け、「今、仕事の話してるからちょっと待ってね」→「今、仕事の電話してるでしょ」→「静かにして、大事な話だから」→「うるさい!」。
羊さん演じる母親は客観的に「酷いな、この親」と思うが、よくよく考えると、大して自分も変わらない。子供より大事なことなんて果たしてあるんだろうか……。
親として子供との向き合い方を考えさせられた作品でございました。
『母さんがどんなに僕を嫌いでも』
小説家・漫画家の歌川たいじが自身の体験をもとにした同名コミックエッセイの映画化。壮絶な過去と向き合い、母親の愛を摑み取ろうとした息子の姿を描く。
2018/日本
監督:御法川 修
出演:太賀、吉田 羊ほか
配給:REGENTS
イオンシネマほか全国公開中